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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

甲鉄城のカバネリ 第12話(最終話) 『甲鉄城』 感想

2016-07-01 11:45:52 | Weblog
あー、盛大にやらかしてくれちゃったねぇ・・・、という終わり方だった。

ギルクラのことは全然反省されてないんだなぁ。
これ、監督や脚本家って個人レベルでダメな話なのか、
それとも、ビバのような「腐」向けのキャラを出さないとダメだという、製作レベルでの大人の事情でダメなのか。

よくわからないけど、ひどかった。

ホント、ノイタミナって1話がピークだよな。
ということは、テレビ側の制作陣がテレビ脳に侵されすぎてるんだろうなぁ、きっと。

ともあれ、一応、終わった。
一応、というのは、なんかいきなり年末に総集編の映画があるって話だから、
もしかしたら、劇場で続編がある、という話なのかもしれない。
だから、あくまでもビバ編は序章であった、という可能性は担保しておくことにして。

実際、ネタ元の一つである海外のゾンビもののドラマも、第1シーズンだけで打ち切りかも?という中で作っていて、だから、第1シーズンだけではゾンビ爆誕の秘話!まで行く・・・なんてことはないから。

なので、カバネとの対決に決着がつかなかったから、といって、このカバネリという物語だけを責めるのは当たらない。

・・・ということを、一応断った上で、でも、このクールだけで完結した、って限定で話すなら、

ホント、ひどい終わり方だったなぁ。

ビバという存在が、2話ぐらいでそれこそ「ほろび」並に登場即死亡という位置づけで、物語の矛先を無理やり変えるための狂言回しぐらいなら許せたけど、結局、最後まで物語を乗っ取ってしまったからなぁ。

とにかく、ビバがセコすぎて、もう何がなんだか。
てか、宮守って人、ホント、物語を壊すCVしかできなくなっていて、こいつが出てきた時点で、赤信号、ってことでいいんだ、ってほんとにおもったよ。

しかし、キャストで、物語の出来が読めちゃうのって、もうジャニーズドラマと同じじゃないか。
あ、だから、フジなのかw

で、ビバの私怨の話、しかも、自分は父殺しをする罪人だから、だれか、その後に「超・強い!)奴に、俺を始末してほしい!、なんていう自殺願望があるアホな中二病の青年の話に落ち着いたんだから、ホント、やりきれない。

一言、くだらない。

その上で、主人公サイドはというと、よくわからないうちに、ジブリ的な、生駒と無名のボーイ・ミーツ・ガール話に落ちついていて、なんだこれ?、ってこちらも思わざるをえない。

これ、アニメに限らず、もはや日本製の物語の宿痾だと思うのだけど、誰もが自分のことしか考えないのね?、徹底的にすべての動機が自分中心のエゴ主義。

特に、アニメは主人公が未成年ばかりなので、その「俺様だけ」のエゴ主義が横行してもなんらお咎めがない。
だって、まぁ、奴らはまだ若いから仕方ないのよ、ってところで思考が停止すること自体、容易に免罪されてしまうから。

せめて、城主である菖蒲に、もうちょっとそのあたりのことを芝居させても良かったとは思うけど。もちろん、全く無かったわけではないけど。でも、そういう役を一つ二つの短い言葉で伝えるには、菖蒲の場合、中の人の演技が決定的に未熟だよね。

多分、こういうエゴ主義満載の、なにかあれば「頼む、全てのことが終わったら・・・」とか恥ずかしげもなくつぶやくような自意識ばかりの登場人物の物語が大好きなのが、今のアニメ制作者の中心なんだろうな。

だって、オリジナルアニメってそんなのばかりじゃん。今期だったら、キズナなんちゃらとかもそうだったし。ホント、エヴァンゲリオンの呪縛だよね。

でもさ、ここのところのそれこそ「なろう系」の物語を見ていればわかるように、市場が求めてるのは、窮地を迎えてもなんとか切り抜ける「知恵と勇気」を持つ主人公たちなわけでしょ。そういう、求められている物語の種類が変わっていることに、アニメ専業の監督や脚本家は、ホント気づいていない。

いまさら、エヴァンゲリオンとかコードギアスとかやってもだめなんだよ。
そのことはギルクラがコケたことでよくわかってたでしょ?と思ったのだが、
それも進撃の成功で、綺麗サッパリ忘れてしまったらしい。

でも、進撃なんてまさに「知恵と勇気」で切り抜ける話じゃない。
なんで気づかないかなぁ。

とにかく、オリジナルアニメって、動画的には凄い動きをしたり、綺麗な作画だったりはするけど、その良さに比して、あまりにお話がお粗末で目を覆いたくなるよ。底が浅いよね。

今回のカバネリにしたって、ホント、お話的には、過去のアニメとドラマの「いい場面」のマッシュアップでしかない。エヴァとか、ジブリのあれこれとか、ゾンビ映画とか、アキラとか、仮面ライダーとか。。。

そう思うと、キャラデザが美樹本晴彦って時点で、もう過去作のノスタルジアで押し続けるぞ、って居直られていた、ってことだよね。

ホント、ひどい。
ホント、どうかしてる。

だって、終わってみれば、生駒と無名のセカイ系。
しかも、生駒が無名に向ける視線は、あくまでも見殺しにした実妹の身代わり、っていうんだから。もう、その時点で、生駒は、ストーカー予備軍じゃねぇの?
結構気持ち悪いと思うぞ。

で、とにかく、何がひどいか、って、最後の場面が決定的に破綻している。

なにしろ、無名に、生駒の命を救ったのはビバで、かつ、そのことを生駒に伝えてしまうのだから。

これだと、結局、無名の中では、ビバはいつまでも自分の恩人のイケメン兄ちゃんでおわるわけだけね?

でもさー、それ、あまりにも事実を捻じ曲げすぎてるし、そもそも、無名が今回の騒動で精神的に成長する機会を奪っている。

なんか、女子はバカなままでかわいい方がいいじゃんか、って判断が見え隠れして気持ち悪い。いや別にフェミニズムっぽいことを言うつもりはないが、それにしても、これはひどいでしょ。

ただでさえ、途中から無名は「無能ちゃん」呼ばわりされていたわけだし。
もちろん、身体能力はカバネリ化で飛躍的に上がっているけど、でも精神年齢は実年齢(ローティーン)のまま、というのはわかるけど、それはあくまでも「今そうだ」ってことだけだよね。だからといって、この先もずっと「無能」のままでいい、というわけではないので。

すなおに、アニサマは酷かった、って無名自身に言わせないとね。

それと、その「ビバが生駒を救った」ってことを生駒に伝えるところで、生駒の実妹の形見である石を生駒に手渡したわけだけど、あのやり取りで全くタクミについて触れられていないのは、地味にひどい。

タクミは、マジで、ただ物語の都合上、死んだだけなのね。
生駒の右手がなくなった今、彼のマシンハンドを考案しメンテする役にタクミがいればよかったのに、と思うだけに、あれもなんとかならなかったのか。

ビバの残党を甲鉄城に乗せるってところを省けば尺的にもう少し最後をなんとか出来たように思うんだけどね。

まぁ、逆に、あのビバ残党組の描写を無理やり入れてきているところが、もしかしたら続編ありなの?という匂いを漂わせてもいるわけだけど。。。

でもまぁ、それはあくまでも続編が本当に出てきたら、の話で。

素直に、カバネとの対決を話の真ん中におけばいいのに。

ちなみに海外のゾンビものは、確かに途中から人間同士の抗争に転じるものが多いけど、あれはあくまでも続編があるという力学の中でのことだし、その過程で、ちゃんと仲間を作りながら、つまり、社会を作りながら争わずに済む知恵も同時につけていく、という構成だから、ビバみたいな私怨のみの狂信者が暴れるってのは、その中のワンノブゼムの、それもかなりゲスい一エピソードでしかない。

そういう点で、ウォーキングデッドみたい、というのは、カバネリの場合、全然適切ではないと思うよ。

ともあれ、ホント、やらかしてくれた、最終回だった。

ホント、1話がピークって。。。 どうにかしてくれ。

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