BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない 感想: 終わってみれば、次巻に続く長い序章だった!・・・ハズ!

2020-12-15 19:45:44 | 青ブタ
前巻の最後に咲太の前に現れたミニスカサンタ姿の霧島透子。

果たして彼女は味方なのか、敵なのか、はたまた、ただの道化なのか?

だんだんなにをしているのかわからなくなりつつある咲太の大学生活はどうなるのか?

ということでスペース、空けときます。





































とりあえず、今回の話のポイントは、終わってみれば、本巻は次巻のためのプロローグであり、そのための道具たてを用意するものくらいでしかなったことね。

ヒロインは、咲太の暗黒史たる中学時代の同級生で、いままた同じ大学に通うことになった赤城郁実。

お前は衛宮士郎かよ!、と思わずツッコまずにはいられないような正義ウーマンである赤城が抱えた傷は、中学のときに咲太が起こした「思春期症候群」事件に同級生としてなんの対処もできなかったことへの苦悩が生み出したもの。

つまり、中学時代の咲太の思春期症候群事件で傷ついたのは、当事者である咲太だけでなく、彼の同級生たちもそうだった、という、ちょっとなんとも言えない話。

当然、咲太からすればかつてのクラスメイトたちは簡単に許せる存在ではないわけだが、だがその中でただ一人苦悩し続けた赤城だけはなんとか救おうとする話。

実際、そういうオチで、赤城以外には容赦ないのは、いつもどおりの咲太クオリティw

で、赤城がかかった思春期症候群は、異世界線上の自分と入れ替わる、というものだったわけだけど、結局、最後に、それが消えるわけではなく、むしろ、その症状は、今後も理異様されることがほぼ決定しているw


赤城郁実の話はややこしいが、ちょっとここで、一度整理しておくと。

多分、牧之原翔子編から霧島透子編になって変わったことは、まず、

牧ノ原翔子編における量子力学の原理は、同一物理世界内における変化であったこと。

そこでは、一応、過去や未来との行き来もあったけど、それも同一物理世界内、いわゆる、同じ「世界線」の中で行われていた。

つまり、思春期症候群は、同一世界線上のものに限られていた。

けれども、牧ノ原翔子編の最後で、咲太と麻衣が、自分たちも生きることができて、かつ、翔子ちゃんも(咲太と麻衣から以外の心臓移植を受けて)生き残ることができる世界を見つけることができたことで、つまり異なる世界線へと移ることになるわけど、その際、利用される量子力学の原理は、いわゆる並行世界理論にまで、つまり「エヴェレットの多世界解釈」理論までになり、平行世界が普通に登場する世界に変わった。

ただし、その際に物語構成上アクロバティックだったのは、咲太と麻衣が翔子を再会することで、三人ともが、自分たちが不幸になるしかなかった世界のことを、あたかも同じ夢を見ていたかのように思い出したこと。

つまり、咲太、麻衣、翔子の三人だけは、平行世界の経験を記憶として引き継いだまま、今いる世界での生活を続けている。

加えて、その副作用として、この結末がきっかけになったのか、以後に続く霧島透子編では、咲太をはじめに、他の世界線へと跳躍することが可能になった。

その際の導き手は、咲太の目には、麻衣に似た「ランドセルガール」。

と同時に、翔子ちゃんが、かつての世界線から引き継いだ記憶――それには彼女の「思春期症候群」で見た、その世界線上での多分岐した未来のすべての記憶を含む――にはなかった「霧島透子」なる存在が登場する。

この人物は、SNSを通じてミュージシャンとして存在し、どうやら、SNS上に頒布する楽曲を通じて、狙った人物に「思春期症候群」を発症させる能力をもっている。

もっとも、これは霧島透子の自己申告に過ぎないので、真偽の程は定かではない。

霧島透子は、今の所、咲太の目にしか映らず、現れるときに20歳くらいの姿でミニスカサンタの格好で現われるという不届き者w

しかも、霧島透子が現れたあとには麻衣が現れることが多く、だが、麻衣が現れた途端、霧島透子は消えてしまうので、いまだに麻衣と霧島透子がはちあったことはない。


普通に考えれば、咲太との関わりを考えれば、麻衣、霧島透子、ランドセルガールが、それぞれの世界線上での「桜島麻衣」なる存在、すなわち「桜島麻衣」の同位体である可能性は高い。

となると、今回の最後に、異世界線上の咲太が警告してきた「霧島透子を探せ、麻衣が危ない」というメッセージは、麻衣と霧島透子が出会うと対消滅してしまう可能性がある、ということなのかもしれない。

しかし、今回、最後に笑ってしまったのは、いまだに思春期症候群が完治していないことをいいことに、赤城郁実の身体がまるで「異世界通信ボード」の様になってしまったことw

これは次巻でも間違いなく、咲太はもう一つの世界の咲太と、郁実の身体を使って連絡し合うようになるのだろうなw

いや、笑うしかないのだけど。

でも、まさか、今後のそんな役割のために、郁実が今回のヒロインになったとは思っていなかった。

作者、結構容赦ないなw てか、絶対、キャラで遊んでるよねw

ということで、次回は、

走れ!咲太!世界線を越えて麻衣を救え!

ということになりそうw


・・・ということで、一旦ここで終わりにしておく。

実は、読み終わったばかりでは、まだちょっと頭が整理しきれていないので。

細かいところで、過去の話とも関わっていることは間違いないので、そのあたりも見直してから、気づいたことがあれば、改めて書こうと思っている。

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