採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ウィトラコチェ2017

2017-07-24 | +ウィトラコチェ

昨年、久々にウィトラコチェ(トウモロコシ黒穂病)が1本発生したのでした。
その時、食べてみたい人いないかなあ、とつぶやいたところ、1人、手を挙げる猛者が。

今年はむしろ、待ちわびる感じで発生を楽しみにしていましたが、自分の畑では見当たりませんでした。
ところが、畑友が、「例のあれ、うちで出ましたよ」と。

畑友は食べるつもりは全然ないようで、駆除がてら持って行って下さい、とゆずって下さいました。
早速採集に向かいます。(早くしないと熟しすぎてしまうので)
 

ウィトラコチェ

よし、ゲット!
今年のものは、大きさの異なる粒がまばらに生えているような状態です。

ウィトラコチェ

裏側はこんな感じ。


全体に、黒い胞子が透けて見えるような状態ですが、まだ破れてはいません。
なんとか大丈夫そう。
大急ぎで、ウィトラコチェ希望者のもとへ、発送しました。
(ほんとに食べたのかどうかは、聞いていないのでわかりません)


今年、ふと思ったこと。
・大規模なトウモロコシ農園では、どのくらいの頻度で発生するのだろうか?
(とても強い菌らしいので見つけ次第除去していると思われますが)
・スイートコーンにできるコレと、南米のコーンミール用のトウモロコシにできるコレは、味が違うのかしら?
・南米ではウィトラコチェの方が高価だそう。作為的に発生させるコツってあるのかしら?

■参考情報(当ブログ過去記事)
(1)2009年初めて発見
夕暮れ時の畑にて、初めて黒穂菌が寄生したトウモロコシをみつけました。

(2)2010年試食!
うきゃー(さぶいぼ)、と思いつつ、ウィトラコチェを食べてみました 

(3)2012年も発生

(4)2016年、久々発生

(5)2017年、お友達の畑にて発生。頂きました。(この記事)

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また出ました!ウィトラコチェ

2016-08-03 | +ウィトラコチェ

トウモロコシ、1週間おきに種まきをしたはずなのですが、最初に播いたものの成長が遅れ気味になるのか、収穫は2、3日おきです。
3週間はずらして播いたはずなのですが、全収穫は10日(4回)ほどで終わってしまうかも。
一気に食べてしまうのは勿体ないけれど、仕方ないですね・・。
(冷凍もしています)

「そういえば今年は例のアレ、出ないみたいね」
とダンナサマに言われました。
そういえばそうね。
今年はみんなちゃんとしたトウモロコシになったのかな。
育て方が上達したってことかしら☆

と思ったら・・・ 

ウィトラコチェ

うわっ!
出ました!

トウモロコシ黒穂菌に感染してしまったもので、南米ではウィトラコチェと呼んで高級食材になっているものです。 

ウィトラコチェ

ひゃ~。
今回のは格別に立派だこと。

ウィトラコチェ

大半が普通のトウモロコシで、数粒だけ病気、ということもありますが、今回のはほぼ全体がウィトラコチェ化しています。

ウィトラコチェ

折り取って、しげしげと観察。
ふうむ。
ものによっては黒い胞子がはじけ出てしまっています。 

ウィトラコチェ

裏側。
一部は感染していない場所も。
こちら側はまだ若いかな? 

ウィトラコチェ

でも折ってみたら、中はもう黒い胞子が形成されていました。


2009年に初めて発見し、2010年には食べてみたことがあります。
バター炒めにしたのですが、表面はツルっとしているけれど中がザラザラ、というところが、鶏レバーみたいでした。
きのこっぽい風味はあまりなし。
見た目に気圧されてか、ちょっと気持ち悪いかも・・・という印象でした。
(南米では、通常トウモロコシの10倍も高価らしいのですが・・・)

その時は、真っ白なマコモタケのように若いものなら美味しいかもなあ、と思ったのでした。

今回は・・・・かなり迷いましたが、畑においてきました。
もうちょっと若い感じだったらよかったんだけどなあ・・。
久々に味を思い出すためにも、食べてみるべきだったかなあ・・・。
今見直すと、全体的に結構綺麗な粒だったし、勿体なかったかなあ・・・。


もし食べてみたい方がいらっしゃいましたら、次に出たときにお送りしますよ。
そのような猛者はいないかな。 

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トウモロコシ2012:例のアレ、再び

2012-07-24 | +ウィトラコチェ

日曜日(7/22)、再びトウモロコシをとりに行ってみました。
丁度1週間前にも収穫しましたが、それよりも種まき時期が1週間遅いものが、そろそろ収穫時期のはず。
 
トウモロコシは早朝に収穫するとよいらしいのすが、んー、私には無理かも。
先週も今週も、行ったのは昼下がり・・・、いや、夕方といってもいいくらいの時間です。

(a)早朝収穫→直後に加熱
(b)早朝収穫→夕方加熱
(c)夕方収穫→直後に加熱

(a)が一番美味しいのは当然ですが、(b)と(c)だったら、どちらが美味しいのかなあ・・・。
ご存知の方、教えて下さい。
 

トウモロコシ

後半種まき分は、穂が2つ出たものの、摘果をサボり気味でした。
そのためか、やや小ぶり。 

トウモロコシ

シーズンが遅くなるほどアワノメイガが入りやすくなるらしいのですが、虫入り率はさほど高くありませんでした。
畑でチェックしてふるい落としてくれば、家ではリラックスして皮むきができます。

トウモロコシ

先週の収穫分に比べ、先端の粒までムチムチに太ってきています。
やはり先週はやや早すぎた模様。 

トウモロコシ

中にはひび割れている実がありました。
久々の雨で実が急に膨らんだ?
収穫の際、落とした(投げた)せい?

ウィトラコチェ

そしてそして、今年も出ましたよ!
不気味な白い実が出来てしまう、例のアレ。
トウモロコシ黒穂病
(HUITLACOCHEウィトラコチェ)です。
(ウィトラコチェについては参考情報のリンク先をどうぞ) 

一昨年は、食べてみたのよね・・・。
今年はどうしよう・・・。 


黒穂菌に寄生されている粒のうち、下(軸つけ根側)の方の粒は、中がまだ白く見えます。
成熟して黒くなったものと白いもの、味が違うのかな。
やっぱり今年も食べてみようかな、と思ってカップに入れて、調理台の上によけておきました。

そのままうっかり一晩。

は!
と思い出して見てみると、最初芯まで白かった粒も、内部が黒くなっています。
一夜にして何らかの成長を遂げた模様。
さすが菌類。


・・・・


で、ひとまずカップを冷蔵庫にしまって、まだ考え中です。



■参考情報(当ブログ過去記事)
(1)2009年初めて発見
夕暮れ時の畑にて、初めて黒穂菌が寄生したトウモロコシをみつけました。

(2)2010年試食!
うきゃー(さぶいぼ)、と思いつつ、ウィトラコチェを食べてみました 

 

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ウイトラコチェを食べてみた

2010-07-27 | +ウィトラコチェ

今年もまたトウモロコシ畑で見付けてしまいました。

「トウモロコシ黒穂病」です。
昨年畑で初めて発見し、余りに異様な存在にびっくりしたものです。
昨年、色々調べて記事にしたのでよかったら見て下さい(黒穂菌の記事)。

今年のものは、トウモロコシの先端が、さやを突き破って爆発しているかのような外見です。
(カラスだかタヌキだかがMyトウモロコシ畑で大フィーバーしているのですが、黒穂病のトウモロコシには見向きもしないようです。)

今回見付けたものは、なんだか新鮮なせいか、結構綺麗です。

・・・・どうしよう。

いや、何を迷っているかというと、この黒穂菌に冒されたトウモロコシは南米ではウイトラコチェ(もしくはウイトラコーチェ HUITLACOCHE ―アステカ語でトウモロコシのきのこ―)と呼ばれて珍重されるというし、食べてみようかと思って。


あのね、結構不気味な外見のものなのですよ。
でも、もしかして美味しいかもしれないし。
挑戦あるのみ!
(勇敢?というか食いしん坊?)

2010/07/21HUITLACOCHEトウモロコシ黒穂菌

さてさて、これが例のブツです。
トウモロコシの先端が異様に膨らんで、皮を突き破って露出していました。

2010/07/21HUITLACOCHEトウモロコシ黒穂菌

本来一粒のトウモロコシだったものが、こんなに膨らんでいます。

2010/07/21HUITLACOCHEトウモロコシ黒穂菌

割ってみると、中にはもう胞子が形成されているようです。
本当はマコモタケみたいに真っ白なものが食べてみたかったのですが、現地南米では黒いものを食べるようなので、これでもよしとします。

2010/07/21HUITLACOCHEトウモロコシ黒穂菌

あまり情報はないものの、ウィトコラチェはスープなどピュレ状の料理にするようなのですが、私としては、初めてのきのこはまずはバター炒めにしてみます。

何だか形状が、動物の脳や内臓に見えて仕方がありません。

2010/07/21HUITLACOCHEトウモロコシ黒穂菌

塩コショウしてしっかり目に加熱しました。

内臓っぽいかも、と一旦思ってしまうと何だかそう見えて仕方がありません・・・。


食べてみると・・・。

表面がつるつるして、中は胞子のせいか、ザラザラしています。
内臓系?と思った先入観が影響しているのかもしれませんが、鶏レバーみたいです。鶏レバーも表面がつるつるで中がざらっとしていますよね。
軸にくっついていたつけ根部分は、やや固めの食感で、鶏のハツのようにも思えます(どうも内臓系から離れられない)。
何だかちょっと気持ち悪いです。
でも、野菜でもキャベツの葉のつけ根など、シャキシャキしているし、と気を取り直して食べ進んでみました。

味は、思っていたよりもきのこ味がしません。
これだけ胞子が形成されていると、よく育ったマッシュルームなどのように濃厚な胞子の香りがするのかと思いましたが、むしろザラザラ感だけが目立つ感じです。
(もしかしたらもっと胞子を成熟させないといけないのかもしれません)
マコモタケのような若いきのこの味(若いマッシュルームのカサの味)もあまりせず、何を食べているのかよく分からない感じでした。

HUITLACOCHEでグーグル画像検索をすると、非常に沢山の画像がヒットするのでお勧めします(スペイン語や英語サイトが多いです)。
市場で山積みにされて売られている写真も!!
中には非常に洗練された美味しそうなお料理の写真もあります。
 ・市場に山積みのウィトラコチェ
 ・HUITLACOCHEを練り込んだパン
 ・ウィトラコチェのエンチラーダのレシピ
 ・ズッキーニの花とあわせて恐らくトルティーヤの具にするもの
 ・ズッキーニの花とチーズをあわせた美味しそうなトルティーヤ
 ・鶏胸肉にウィトラコチェソースを詰めたもの
 ・ウィトラコチェのカナッペ

小さめに刻み、(普通の)コーン、タマネギ、ズッキーニの花、チーズ、青唐辛子などと組み合わせて薄いパンでくるむ料理(タコス、ケサディーヤ、トルティーヤ)などに使われることが多いようです。
今回はシンプルなバター炒めでしたが、もっとしっかり味付けするといいのかもしれないなあ。

缶詰ではなくて新鮮なHUITLACOCHEが手に入るなんて、ある意味日本ではなかなかないことなので、もしまた上質なものを見付けたら、今度はもうちょっと上手にお料理してみたいです。
(日本でもトウモロコシ栽培をしている農家では相当数発生しているのではなかろうか。だとしてもこの不気味さでは日本の産直に出回る日はきっと来ないだろうな・・・。南米出身の人が多い地域(豊田とか?)では売れるかもしれないけど・・・)

それにしても、最初にこれを食べた人はすごいなあ。
よっぽどお腹が減っていたのか、チャレンジ精神旺盛な人だったのか。
(え?私もそう?)

コメント (16)
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くろぼきん

2009-08-04 | +ウィトラコチェ

夕方畑に行くと、トウモロコシの株の根元近くに、白くクシャクシャっとしたものが落ちています。


2009/7/28

あらっ?
ゴム手袋の内側にはめている白い木綿の手袋を丸めて落としたかしら?
でも最近はゴム手袋は使っていないのに。
レジ袋を丸めたにしてはマットな質感。
(最近寝違えてしまって首に貼っている)湿布が剥がれ落ちたとしても、ぺろん、としているし、ここまではクシャクシャにならないはず。

雨も降っているのに意外と綺麗ということは、もしや何か生きているもの・・・?

ドキドキ。

1分くらい考えて、もっと観察してみるべく、拾い上げようとしたところ、「ポキ」っと音が。
落ちているように見えましたが、どうやらこの物体は、トウモロコシの一部だったようです。

で、ひらめきました。
最近読んだ『ふしぎないきものカビ・キノコ』に出てきたトウモロコシ黒穂病ってやつでは。
トウモロコシの穂(食べるところ)が、モコモコとした変な形になってしまうものだそうで、本にイラストが載っていたのです。

これがそれか!
実物を見られるなんてラッキーかも。
根元近くから出た小さな穂に、黒穂菌がついたのだわ。


黒穂病について調べてみました。

植物体の奇形を伴う糸状菌病。梅雨明け頃から、外部は白色で中に黒い粉のつまったゴール(肥大組織)を形成し、葉、節、穂に発生する。ゴールは成熟すると表面が破れ、中の黒い粉(黒穂胞子)を飛散してまん延する。黒穂胞子は厚膜胞子でもあり、地面に落ちて翌年の伝染源となり、地中で5年位は生きているとされる。病原菌には多数のレースおよびバイオタイプがあるとされるが、日本では未確認である。 
      ----畜産草地研究所によるデータベース「飼料作物病害図鑑」より

飼料作物病害図鑑」の「トウモロコシの病害(2)」のページに、病気になったトウモロコシの雌穂(我々が食べる部分)の写真があります。これを見ると、病腫は最初は全体が白く、成熟するに従って内部が黒く(胞子が成熟して)いるように見えます。

何やら恐ろしい病気のようですが、黒穂菌は必ずしも悪いヤツ、という訳ではないようです。マコモという植物に黒穂菌を共生させて育てると、新芽(茎)が肥大し、それはマコモタケという食材になります。白くて、エリンギのような風味のある美味しい食べものです(食べたことあります)。
マコモタケは胞子が成熟する前に収穫するものですが、なんとトウモロコシのふるさと南米では、黒穂病に侵されたトウモロコシの、黒くなった段階のものをウィトラコチェ(もしくはウィトラコーチェHUITLACOCHE―アステカ語でトウモロコシのきのこ―、コーントリュフ、コーンマッシュルーム)などと呼んで、稀少な食材として珍重するそうです。

びっくりだ。

マコモタケまでは分かるけれど、黒いものを食べるとは。
マコモタケも、更に老熟させると黒い粉状のもの(胞子)が放出されるそうで、これはお歯黒や眉墨、漆器用の染料に使ったそうです。
お歯黒に使うくらいだから毒ではないのだろうけれど、食べるんだったら白い方が美味しそうよね?


ウイトラコチェについて調べてみました。

エイビーロードメキシコシティーのグルメガイド記事にはウイトラコチェのスープやピザ、クレープの画像があります。
黒いです。

おでかけUSというサイトの、ミシガン州の話題にも黒穂病のことが書かれています。ほとんど正常なトウモロコシなのに、数粒だけ、この病気が発生した写真があります。

筑波大学総合科学博物館ニュースの「菌類による植物の奇形(2) とうもろこしのお化け」という記事(柿嶌,眞, 1999, Eureka, no.4, University Museum, University of Tsukuba)にも色々情報があります。
黒穂病は日本でもトウモロコシを育てている場所では昔からあり、蓮の花のよう、とか鶏の生まれ変わり、など怪異現象と結びつけて考えられたそうです。
同じ記事を引用したものが有限会社白金バイオ企画のHPこちらにあり、メキシコで売られているウイトラコチェの缶詰(!)の写真があります。


私が畑で見付けたトウモロコシ黒穂菌は、トウモロコシ一粒分、なんて可愛いものではなく、穂全体が変形した、かなりぎょっとする感じのものでした。
なのでいつもより写真を小さめにしてみます。
クリックすると拡大します。


2009/7/28トウモロコシ黒穂病

矢印のところが、トウモロコシの軸とつながっていたところ。
穂を包むひらひらしたものが、辛うじて1枚残っています(つまんでいる部分)。
表面がところどころ茶色いのは、胞子ではなく土。地面に置いたので。

2009/7/28トウモロコシ黒穂病

ムクムクにふくらんでいます。
表面は白いけれど、中ではもう黒い胞子が出来てきているようです。

2009/7/28トウモロコシ黒穂病

このアングルだと、蓮の花のように見えないこともないかな。

2009/7/28トウモロコシ黒穂病

白くてムクムクして、何とも説明のつかない形です。
ニワトリの生まれ変わり、といわれても、否定は出来ないかも。



いやあ、面白いものを見ました。

鎌ですっぱり切ってみればよかったけれど、あまりに不気味でひるんでしまいました。
少し折ってみたら中が点々と黒くなっていました。
もしこれが、中まで真っ白だったら、多分(少しは)食べてたと思います。
(マコモタケは美味しかったし・・・)



お口直しに、綺麗なものの写真もどうぞ。

2009/7/28
2009/7/28 スイカの台木、ユウガオの花


ユウガオというだけあって、夕闇にぽっと浮かび上がる綺麗な花でした。
でも、スイカを収穫したければ台木の蔓は伸ばしてはだめ、とのアドバイスを頂き、翌日には蔓も花も、全部片付けたのでした。


追記:
この翌年、またトウモロコシ黒穂病のトウモロコシをみつけました。
ほどよい若さだったので、試食してみました! 

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