採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ユフカとカダイフ(クナーファ)

2012-03-21 | +中近東食材

バクラバファン仲間のお友達から、とても珍しい素材を頂きました!
(poundさんありがとうございます!)
 

ユフカ

こんもりと折りたたまれているこちらは、ユフカ yufla というトルコのパンです。

イーストなしで、平らに薄くのばして焼いてあるものです。
布のようにしなやかで柔らかい状態です。 

ユフカ

試しに広げてみると・・・・
テーブルじゅうに広がってしまいそうなほど。
直径50cm以上ありそうです。
一度畳み直して、余計なものを片付けないと広げられません。

このパンに類するものは中近東では一般的で、中近東の北方やコーカサス南方ではラヴァッシュ lavash と呼ばれるそうです。
他にホブズkhubzという言葉もあります。これは本来アラビア語でパンを総称する呼び名だが、非アラブ圏においては、中が空洞になった平たいパンを指すことが多いようです。 

平たくて大きいことを生かして、ロール状のサンドイッチや、ピザ的な使い方も出来ます。
また、具やソースと重ね焼きにするボレッキというキッシュ的なものや、具を包んで焼く大きめ春巻き風(ギョズレメ)や極細春巻き風(シガラボレイ)のものを作ることも出来ます。

バクラバも出来るかな?と思って調べてみましたが、このユフカはバクラヴァに使うものではないようです。
確かに、食べてみると、結構な塩気を感じますし、ロールサンドが作れるくらいですから厚めで丈夫。
バクラヴァ用には、(日本では)フィロペーストリーを使う方がよさそうです。

 

カダイフ

もうひとつ、カダイフ(kadayif トルコ)もしくはクナーファ(kunefe, konafa, knafeh, kanafeh)と呼ばれる極細の小麦粉生地
(非常に広い地域で使われているため、読み方も綴りも様々。ひとまずクナーファ/カダイフとしておきます)。

英語だとshredded phyllo pastry と呼ばれることもありますが、厳密にはニュアンスが違います。
平らな生地が千切りにされた訳ではなく、穴の開いた容器にゆるい小麦粉生地を入れ、それを巨大な丸い鉄板に垂らし焼きにして作られます(リンクを貼っておきますので、是非動画を見てみて下さい)。生っぽく見えますが、色づかない程度に加熱してあります。

この生地は、アラブ菓子には欠かせないもの!
(鳥の巣Aush Albulbul や Ballorieh)
とうとうアラブ菓子を作ってみる日が・・・!?


丁度実家に行くことになっていたため、この2つの材料を抱えて行きました。
ごはんの準備は母に任せ、アラブ料理(お菓子)の試作にチャレンジしようという計画です。

果たしてうまくいくでしょうか!?

   ・・・・・つづく



■参考情報
(1)トルコのオリーブオイル ドアル
トルコ食材のほか、日本にあるエリートバクラバという工房で作られたバクラヴァ、ユフカ、カダイフ、ボレッキ等を扱っています。
カダイフは 500g 1650円

(2)冷凍パートフィロ(楽天 世界の食品市場ニッショク)
500g 840円 18枚(生地サイズ30×35cm フランス産 フィラキス社)

(3)冷凍パートフィロ(楽天 ザ・ミートガイ)
500g 1160円 20-22枚(生地サイズ約28×45cm/0.12mm厚 フランス産) 

(4)冷凍カダイフ(楽天 世界の食品市場ニッショク)
500g 840円 

(5)Youtube動画
カダイフ(クナーフェ)の製造風景 
カダイフ(クナーフェ)の製造風景 
道ばたのカダイフ屋台 道ばたに何軒もクナーファ屋台が! 新型機械のところもあるし、ジョウロの先端みたいな道具を使う老職人も。作るのは簡単だし、店先に山積みになっていますが、どこかに卸すのだろうか?
製菓材料ストリートってことなのかな? 


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バーベリー barberry(中近東食材)

2011-09-29 | +中近東食材

ドライレモンを買ったのと同じシリア食材店で、もうひとつ珍しいものを買ってみました。

2017/09/17購入バーベリー


ナッツの絵が描いてある袋の中味はドライフルーツで、バーベリーというものです。
ペルシャ語では(ドライフルーツの状態のものを)zereshkと呼ぶそうです。

2011/09/17購入バーベリー

小豆粒サイズの赤い果実で、酸味があるとのこと。
(まだ味見してません)
イラン料理に多用されるようで、ない場合はクランベリーで代用してもよいとか。・・・あんな味なのかな・・・。

Berberis_wikipedia

食用にする品種とは厳密には違うのかも知れませんが、生の時はこんな果実だそうです。
(写真はwikipediaより)
メギ科メギ属に属し、ヒイラギナンテン属と近縁だとか。
そういえばヒイラギナンテンにも赤い実が。


イランがこのバーベリーの最大の産地で、一般的にサフランと同じ場所で栽培されているようです(収穫時期も同じ)。
生け垣に使われるほどトゲが多くて、収穫が大変だとか。

イランでは鶏肉とあわせたピラフに使ったり、ジャムにしたり、ニンニクピクルスに一緒に漬け込んだり、とても広く使われるそうです。
先日買った "Food of Life: Ancient Persian and Modern Iranian Cooking and Ceremonies" という本に、とても美味しそうなお料理が色々載っているので、作ってみたいと思います。
ケーキに焼き込んでしまってもいいかも?
うまく出来たら今度アップしますね。

2011/イラン料理の本『フード・オブ・ライフ』


こちらが『Food of Life (new edition)』
表紙のピラフに点々と散らばっているのがこのバーベリー。

片手で持てないほどの厚さと重さです。
美しい写真が多数あって、見ているだけで面白い本です。





■参考情報
wikipedia メギ属
amazon "Food of Life"

コメント (2)
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ドライレモン(中近東食材) Dried lime / Limo Ammani

2011-09-21 | +中近東食材

ペルシャ食材店で気になっていたものを見付けました。


ころんころんとまるいもの。
母は胡桃だと思ってスルーしていました。
買って帰ったら、父も、「胡桃だったら中近東食材店でなくても売ってるんじゃない」とやはりクルミと認識。


でも実は、クルミではありません。
よーく見ると、ヘタがあって・・・・立体的な凹凸があって・・・・。

これはレモンを干したものです。
両親の勘違いは実は笑えないのでした。

ヨーロッパの中近東食材店にふらりと入った折、やはりこれに似た、もっと真っ黒なものを見付けました。
どう見てもアヤシイ。
きっと店頭で古くなっちゃったお菓子か何かだろうけど、一応袋を手にとってみると、「あれ?軽い?」
そしてよくよく見てみると・・・。
「ヘタがあって、表面にぶつぶつがあって・・・。えーーーっ、これレモン~~? まさか?」
初めて見たときは信じられませんでした。
腐らずにこんなにカサカサに乾かすことが出来るって、どういうこと。

それにしても真っ黒なのはきっと古いからだわ、とスルー。

ところが最近、ペルシャ料理やレバノン料理の本を読んでいると、このドライレモンがあちこちに登場します。
レンズ豆のスープには、このドライレモンの風味が不可欠、とまで。
そして、黒いドライレモンは、(決して古くなっちゃった訳ではなくて)グリーンレモンを干したものだったのだとか。
黄色く熟したレモンを干すと、このようにうす茶色になるようです。

俄然興味が湧いてきましたが後のまつり。
どうせ軽いものだったのだからあの時買っておけばよかった・・・。


そして今回嬉しいことに、日本で再会出来た訳です。
食料庫片付けキャンペーン中なので一応躊躇しましたが、250円だし、まあいいよね。


まずはビニール袋をちょっと切って、くんかくんかとニオイを嗅いでみます。
(全く予想していなかったけれど)すごく強い香り!

レモンキャンディーなどのレモンの人工香料の香りに似てます。

割ってみると、何と中は黒。

とても強いレモン香なので、紅茶に混ぜてみることにしました。

丸1個分、種だけ取り除いて乳鉢でガシガシ砕いてみますが、バキバキに乾燥している訳ではないので、余り細かくはなりません。
(ミルを使うと粉末になるようです)

紅茶と一緒にティーポットに入れて、お湯を注いでみると・・・・
あら? 紅茶にしてしまうと、期待したより弱い香りかも。

袋に鼻を突っ込んだときの衝撃の方が大きかったかも。
とはいえ、レモンスライスを入れるより苦味が少なく、香りは高いレモンティーになり、私は結構気に入りました。
母は、日向くさい感じは多少あるものの、まあまあかな、とのこと。



後で調べてみると、煮出したほうが、より味や香りが出るようです。
スープに入れてみるのが楽しみです。
料理を作ったらまたアップしますね。

--------------

■参考情報
(1)ドライレモン リムアッマニ Limo Ammani 
イランのホロモズガン県原産の、樹高4mほどの果樹で、果実は丸く果皮は薄めでライムに似ている。イランではリムアッマニと呼ぶ(生の果実でもこう呼ぶのか、ドライレモンのことなのか不明)。
果実を塩水で軽くボイル後、天日干ししてある。  (出典 (2))
黄色に熟した果実を干したうす茶色のものと、グリーンのものを干した黒いものがある。

(2)ドライレモン用の果樹・生果・製造風景など (株式会社バイオシード) ネットショップもあり100g1500円

(3)ドライレモンを煮出したジュース (ブログ「せかいののみもの」より) ドライレモンの飲み物はエジプトで「ルーミ」というそうです

(4)ドライレモンネット販売サイト(ペルシャ貿易) 100g315円

(5)2012年11月、ドライレモン入りのピラフを作ってみました。ごはんがほんのりレモンのいい香りになります。 

コメント (2)
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トルコのスナック

2011-04-05 | +中近東食材

中野区鷺ノ宮に、トルコ風バクラヴァのお店が出来たと、以前のブログ記事で紹介しました。

バクラバにも色々あって、シリア風、レバノン風、トルコ風など、お国柄(恐らく地方によっても色々)あるようです。
アメリカなど移民の多い国では、それぞれのお国柄のバクラバベーカリーがあるようですが、日本には(今のところ)おそらくこのトルコ風ただひとつ!

いつか行ってみなくては、と思っていたところ、先日、バクラヴァ好きのお友達が探検に!
そして、戦利品を分けて頂いてしまいました。
(poundさま、ありがとうございました!)

2011/02/16日本産トルコ菓子

これは、シリアのバクラヴァ屋さんにあるBalloriehを参考にして、予め特別に注文しておいたものだそうです。
素麺状のカダイフを2層の間にピスタチオを挟み、ローストした後にシロップをかけたもの。
シリアのものよりも大降りにカッしてあります。
挟んであるナッツが比較的細かい粉状のところがトルコ風、でしょうか。
かなり甘いですが、じゅわっと染み出すシロップが、病み付きに・・・。

2011/02/16日本産トルコのスナックボレッキ こちらはボレッキ(ボレック)という塩味スナック。
(温めなおしたので表面がちょっと焦げています)
シート状の小麦粉生地ユフカを何枚か重ねて、間にチーズや挽肉を挟んで作る、パイのようなものです。
バクラバとは違ってパリパリではなくしっとりした仕上がりになります。
むちむちとした食感が何かに似ているような。何だろう。ラザーニャ?

西洋風のパイよりも油脂分が少なく、塩味も控えめで、とっても食べやすいです。
この二切れはダンナサマと1個ずつなのだけれど、一人で両方食べたかったほど。


上のボレックは、大きく四角く作ってカットしてあるのだと思いますが、そういえばウィーンのナッシュマルクトで似たような味のものを食べたような。


ウィーンのものは、シートをまずロール状に巻き込んで、それを渦巻き状に整形して焼いてありました。

 

2005/04/27ウィーンのナッシュマルクトのボレッキ 写真出てきました。
こちら。
食べかけですみません。

焼き方なども関係してくるのかもしれませんが、中野のボレックよりも、やや薄めの生地のようにも見えます。


塩味のボレッキは、甘すぎるアラブ菓子が苦手な人でもとっても食べやすいものだと思います。
もっとあちこちで売られていていいのでは・・・。(ていうか、要するに私が食べたい)

フィロペーストリーや春巻きの皮を使って似たようなものが作れるようなので、今度挑戦してみたいです。



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■■参考情報
・トルコ食品製造販売「elit baklava(エリート バクラヴァ)」
 所在地:東京都中野区鷺ノ宮4-37-17   TEL:03-3330-7648   FAX:03-3330-7649
  <取り扱い品> ・バクラヴァ(クルミまたはピスタチオ) ・ドゥルム・バクラヴァ(クルミまたはピスタチオ) ・カダイフ ・ユフカ
・All About エリートバクラヴァの紹介
・エリートバクラヴァの「ボレッキ」は楽天のこちらでも購入できます。
・NY在住の方のブログ ボレックの作り方
・イスタンブール在住の方のブログ ボレッキの作り方 (ユフカを千切って使用)
・クックパッド 春巻きの皮使用のボレッキの作り方
・ロンドン在住の方のブログ 色々なタイプのボレッキの写真 サクサクっぽいものからムッチリしていそうなものまで色々

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