クアラルンプールで、アラブ菓子屋さんを探してショッピングモールをさまよった後、イスラム美術館に行ってみました。
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正面玄関。 実は裏山をひと山超えて、裏口からこの美術館に入ったので、正面玄関を見たのは出るときでした。
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現代イスラム建築、というのでしょうか。直線とタイルの模様の組み合わせがスッキリしてスタイリッシュです。
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このイスラム美術館ですが、イスラム世界の古今東西の各種宝物を集めてある、という感じです。
地域的にも歴史的にも、そしてジャンル的にも幅がありすぎてすっごく消化に悪い印象です。(理解を超えてる)
東洋料理ビュッフェレストランというのがもしあったとして、そこに、日本・中国・韓国・インド・ベトナム・タイ料理がまぜこぜにおいてあったら、何に焦点をあてていいか分からなくなりますよね。そんな感じ。
そもそもイスラム世界の知識が全然ないのに、流れもなにもなしに宝物を見せられてもなあ・・・。
解説が英語で少しはあるのですが、字が小さくて読めないことが多いし・・・。
でも綺麗なことは綺麗でした。
見ごたえはかなりあります。
今回一番見られてよかったなーと思ったのは、細密画。
「私の名は紅」(オルハン・パムク)という、オスマン・トルコ時代の細密画工房の小説(ミステリ仕立てで面白かった!)を読んで、トルコのトプカプ宮殿の細密画コレクションを見てみたいなあ、と思っていたのでした。
細密画工房には師匠以下何人も弟子がいて、それぞれ得意分野があったりするのだそう。
主人公の顔を描けるのはやはり師匠クラスだけれど、縁飾りの唐草模様や、背景の「××の花」専門の(しがない)職人もいたりするとか。
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で、おもに縁飾りに注目して見てきました。 (ここの所蔵品はインド方面の細密画のようですが、トルコのともきっと似ていますよね)
なんてきれいな模様だろう。 ほんとに手描き?
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こんな縁飾りが描けたらいいなあ・・。
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これは、黒い紙(黒く塗った紙)に、金泥で描いてあるのではないかと思います。
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見事・・・。
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この絵は、密度のある唐草模様ではなく、罌粟の花がちらほら、という風情の縁飾り。これもかわいいなあ。 壁紙のデザインにしてもよさそう。
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りりしい男性の顔も綺麗だけれど、馬具の装飾がまた美しい・・・。当時、本当にこのくらい豪華絢爛な馬具があったのでしょうか。
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美形です。絵によってはもっと素朴な感じの人物像もあるので、この絵は格別入念に仕上げられていると思いました。
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馬の衣装(?)の模様の美しいこと・・・。 ヘリは網目状になって透けてみえます。
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この縁飾りも見事。 金色にまず塗って、その上に模様を描いているのかな。
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きらきらもの(宝飾品)も沢山ありました。
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金工技術の解説も多少あった気がしますが、うーん、忘れてしまいました。
この上にあるものは、ヨーロッパの工房に作らせたものではなかったかしら。
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頭飾り。
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耳飾り、にしてはとても長く、重たそうです。 こんなのを耳に?と思ったら
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この写真のように、ターバン的なものを頭につけ、そのこめかみの位置から垂らして飾るためのものでした。 これならかなり重くても大丈夫ですよね。 豪華で素敵。
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これは上のものとはまた違う地域ですよね。 重そう・・・。
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頭飾り、かな。 ピンクと明るいグリーンの彩りが綺麗・・。
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布関係も沢山。
衣服といってもイスラム世界は広く、地域によって、また身分によっても全然違います。全部見せられても頭が混乱しちゃって・・・。
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美しい刺繍の衣装。 つくられた当時はもっと色鮮やかだったでしょうね。
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中央アジアあたり? 赤と白の色が印象的でした。
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刺繍とパッチワークの組み合わせの布(多分)。 いわゆるペルシャ絨毯的なものは少なかったです。
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ある地域のある場面を再現した小部屋みたいなのが、いくつもありました。
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これはオスマントルコ時代の宮廷のどこか、だったか・・・。 刺繍のガウンがすごいゴージャスです。 家具の螺鈿もびっしり。 余白=手抜き、とみなされるのだろうか。何もかもすごい気合の入りよう。
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イスラムといえばタイル(連続模様)。
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幾何学的な図形から、こうやってデザインするんだ~というのが分かって面白いです。
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イスラム地域の美大あたりでは、今でもこういうデザインを教えたりするのだろうか。
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コンパスと定規から、不思議な図形が出来るものですよね。
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このほかにも宝物がどっさりありました。
全然写真を撮らなかったジャンルも(武具とか)。
盛りだくさんなので、朝いちばんから行くのがおすすめです。
あと、どれかひとつの分野でも予習しておくとより楽しめると思います。
根性でひととおり見終えたものの、もう一歩も歩けません。
力尽きてタクシーでホテルまで戻りました。