連休は如何お過ごしでしたか?
私は東京経由で実家に帰っていました。
実家では、母の厳命で古い紙(書類)の整理。
中学・高校時代の授業ノートや定期テスト、肩パッドもりもりのモデルさんが写っている雑誌など、捨てまくりました。
昔のノートを見ていて驚くのは・・・・字が丁寧!
×十年後になってもちゃんと読めるし。
最近書いているメモなどは、翌日には何が書いてあるか読み取れない・・・。
今の自分に、爪の垢でも煎じて飲ませたい程です・・・。
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書類片付けはかなり憂鬱な作業でしたが、母との東京おでかけはなかなか有意義でした。
まず、巣鴨にある「百水(ひゃくみず)」という可愛い雑貨屋さんに行ってアラブ菓子を試食させて頂き、次に馬喰横山から歩いて「ダルビッシュショップ」というイラン食材店へ。
最後に新宿のオカダヤと小田急デパートで、羽布団カバー用の布地を物色(今回はリサーチのみ)。
今回予想以上に楽しめたのがイラン食材店。
アラブからの移民が比較的多いヨーロッパではこの手の中近東系ショップが割と目につきます。旅行先でみつけるたびに行ってみましたが、日本で(実店舗に)行くのは2つ目。もう一つはトルコ食材店でした。
トルコ以外の国のお店が日本にもあるなんてあまり期待していなかったので、これまで熱心に探しもしませんでした。
今回たまたまローズウォーターか何かで検索してホームページに辿りついたのですが、もっと前に探してみればよかった!
トルコ食材のネットショップでは買い物したことがありますが、やはり実店舗で色々眺めるのは格別ですよね。
イラン系は、トルコ系とはまた違う品揃えのはずなので、楽しみにしていました。
お店に入ってみると、壁際に置かれた背の高い垂直の棚に整然と物が並べられており日本でよくある食材店とはやや違う、倉庫風のディスプレイ(予算の都合かも?)。そしてほんのりエキゾチックな香りがします。
入るなり、白いおひげの店主さんがソフトデーツにココナツをまぶしたものを試食に下さいました。
店内の二人(お爺さんともうひとり若い男性)はどちらも外人さん(おそらくイラン人)で、まるで外国みたい、とドキドキしましたが、そういえばここは日本、どちらも日本語お上手でした。
母と二人で、ザクザク買い物してしまいました。
転がすスーツケース持っていってよかった・・・。
(でもここ何ヶ月も食品在庫を減らそうとしてきた努力が水の泡・・・)
収穫品はこれから記事にしていきますが、今回一番謎だったものはこちら。
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丸くて浅い円盤状の缶に入ったもの。
缶の外にバターが少し滲み出しているし、あ☆もしやこれはバクラバ? と期待して聞いてみると、「うーん、似てるけど違う」とのこと。
店主さんが売り物のひとつをバリバリ破いて、試食もさせて下さいました。
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中はこんな感じ。 ぺたんちょのピスタチオが貼り付いた薄べったいものです。 ソーハンSOHAN (もしくはソーハン・クーシャ)という名前のようです.
実は缶を見れば分かるだろうと名前を聞かずに買って帰ったものの,商品名らしい言葉はみつからず名前不明のままでした. だめもとで「イラン お菓子」で検索するといくつかのブログがヒット! グーグルって,そして日本ってすごい.
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こんな風に、薄いものが2枚重ねに入っています。
冷えていると特に固く、包丁を入れると綺麗にはカットできなくて、バキッと割れて行きます。
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原材料は ・小麦麦芽(もやし?) ・サフラン ・小麦粉 ・砂糖 ・ピスタチオ ・バター ・カルダモン ・卵黄 ・ローズウォーター
日本の場合は原材料欄は、含有量が多い順に記入されていますが、イランの場合は違うと思われます。
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どんな味だと思います?
噛み割ったときは、固めのクッキーくらいの硬さ。
そしてまず広がるのがおそらくバターによる,油脂分のリッチな香り。
噛むとぽりぽり・しょりしょりした食感。微妙に歯にくっつくような感じはキャラメルのようですが,先日食べたファッジのようなしょりしょりした細かな砂糖の結晶も感じます。
キャラメルよりもずっと短時間で歯にくっついたものも溶けてしまうので,キャラメルとファッジの中間でどちらかというとファッジ寄りのお菓子です。
意外と口溶けがいいです。
甘さもキャラメルよりは少なく感じます。
口の中で溶けていくと,次第にカルダモンの香りが.そしてほのかにローズウォーターの香りもするような気がします。
(サフランの香りも、敏感な人はするのかもしれませんが,私はどうもサフランの味・香りがよく分からないので・・・)
これまで食べたことがない味でした。
油脂分がかなり多そうでおそらく爆弾みたいに高カロリーなのでしょうけれど,中近東の雰囲気たっぷりで、私は好きな味でした。
実家に持って帰ってみたら、父も気に入ったみたいでぱくぱく食べていました(どうやら私の甘党は父からの遺伝だわ)。
母はこの味はあまり好みでなかったみたい。
日本語の情報を見る限りでは、このSOHANの製法は不明です。
(イランの人に聞いても、現地だとどこにでも売っているから家で作ったりしないし作り方も知らないと答えられたとか)
小麦麦芽がどのような役割を果たしているのかしら?
英語サイトやユーチューブなども検索して,詳しいことが分かったら追記します。
■■参考情報
(1)ダルビッシュショップ イラン食材店。小伝馬町/馬喰町/馬喰横山 の近くです。ネットショップはありません。
(2)ペルシャ貿易 こちらもイラン食材のお店。ネットショップがあります。実店舗は東急東横線の田園調布駅そば。
(3)バザールアッヴァル食品館 イラン食品のネットショップ。店舗があるかどうか分かりませんが本拠地は岐阜県大垣市。
ペルシャ料理レシピ集 バザールアッヴァル食品館店主さん(ご主人がイラン人の日本女性のよう)によるレシピ
(4)株式会社バイオシード イランのドライフルーツ類のネットショップ。他と比較してやや高価なようです。
(5)http://tavazomotif.com/ このお菓子ソーハンSOHANのメーカーのようですが、このHPにはナッツ、ドライフルーツ、サフランのみでお菓子の情報はありません。イランの企業にもかかわらず英語版があるのはとても有り難いことですが、情報量の極めて少ないHPで、残念。
(6)ペルシャとアラブについて
お菓子の缶に書いてある言葉,左から右に書くにょろにょろした文字だなーと思うだけで全く分かっていませんでしたが、イランの公用語はペルシャ語で、サウジアラビアなどで使われるアラビア語とは全く違うものだそうです。
ペルシャ語にはアラブ語から導入された言葉もあるものの、基本的には日本語と中国語程にも違うとか(!)。
ペルシャ語:インドヨーロッパ語族>インド・イラン語派>イラン語群>ペルシア語
アラビア語:アフロ・アジア語族>セム語派>西方セム語>中央セム語>アラビア語
一番上の分類の「語族」から違うだなんて、びっくりだ。
食べもののことばかりではなく、文化についても、もうちょっと勉強せねば。
「トーキョーってさ、ペキンから電車で何時間かかるの?」と聞くような外国人もいるという噂ですが、他人のことぜんぜん笑えない・・・。