採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

マイタケ2013:原木づくり

2013-02-28 | +きのこ原木栽培(マイタケ等)

2月8日~11日、那須にて、マイタケの原木づくりを手伝ってきました。

シイタケやナメコは、丸太にドリルで穴をあけ、種駒を植え込みますが、マイタケはそれとは違うタイプ。
「殺菌原木栽培」というものです。
雑菌にとても弱い菌なので、まず長時間(最低4時間)丸太を煮沸します。
そしてそこにおがくずで出来た種菌をふりかけ(こすりつけ)、袋詰めして菌糸の成長を待つというもの。
菌糸がまわったら、土に埋め込みます。

今回は、殺菌と、種菌を植え付け。
たき火に容器をかけ、ぐつぐつ煮ていきます。
容器はオイル缶というのかな、容量30リットルの缶です。

マイタケ菌1パック(1リットル)で、15~20本の原木になるようです。
オイル缶3缶で、各2個入るので、18個分、3回にわたって煮沸を行いました。

4時間×3回!

1日目は1回だったからまだ楽でしたが、2日目は2回。
8時間以上のエンドレスたき火。
夜中までぼんぼんたき火を燃やして、お隣の人は何やっているんだろう、と思っていたそうです。

 

マイタケ栽培

原木づくりはまずは丸太の入手から。これは父が友人と行ってきたそうです(1月10日)。
手動のノコギリで、こそっと切って来るつもりが、これだけ太い木(しかも生きている木)だとそう簡単に切れません。
結局ガソリン式チェーンソーをとりに帰り、伐採してきたそうです。 
伐ったはいいけれど、運搬も大変。
選んだ木は道路から遠く、重い原木を車まで運ぶ労力は、最近では経験したことがないような厳しい仕事でした。」 
というメールが来ました。お疲れさまでした!! 

で、これを15cmくらいの長さに玉切り。 

マイタケ栽培

更に、片側の小口に十字に切り込みを入れます。
熱のまわりをよくするのと、針金をひっかけて持ち運び易くするのが目的(父のオリジナルアイデア)。 
2/8のうちに、玉切りはしておきました。 

マイタケ栽培

説明書に「1晩水に漬ける」とあったので漬けておいたら、がっちり凍りました。
よく読むと、水に漬けておく必要があるのは、高温高圧釜で袋詰めしてから加熱する場合で、水に入れてぐつぐつ煮る場合は不要でした。  

マイタケ栽培

2/9。朝から風がやや強く、これではたき火が出来ないかも、としばらく様子を見ます。
昼前くらいには段々弱まってきました。
ダンナサマに電話して(ネットで)天気予報を確認してもらったところ、概ね安定しそうとのことだったので、たき火開始!
地面の雪をある程度かきわけて、薪を並べます。   

マイタケ栽培

缶の底には焦げ付き防止と、対流を良くして突沸を防ぐために枝を置いてみました。  

マイタケ栽培

熱湯から丸太を取り出す際に便利なように、刻み目には針金をひっかけます。

マイタケ栽培

木挽き台というのかな、作業台に柱を渡し、そこにオイル缶のツルをひっかけます。
父の実家のフェイジョアの枝(雪で折れた)が、着火に結構役立ちました。 メラメラと葉っぱが燃えて、油分が多い木なのかも。

マイタケ栽培

ある程度は薪が集めてあったのですが、長時間たき火し続けるためには全然足りません。
という訳で、ひまさえあれば、薪拾い。
薪拾いは、私の好きな「採集」に通じるものがあります。
大物を見付けると、結構嬉しいです。
(大きすぎても運べない) 

細い薪は、石に斜めに立てかけてジャンプして飛び乗り、へし折ります。
太い薪は父がチェーンソーでカット。

マイタケ栽培

火が落ち着いてきたら、母のアイデアで、ちょっとお肉なんかも吊してみたり
1日目に焼いて、余りに美味しかったので、二日目、もう1塊買いに行った程です(母が買ってきてくれました)。

バケツには木の板でフタをしておきます。
温度を保ち、蒸発をある程度防ぎ、また支柱が焦げるのも防ぐため。


・・・ 煙にまかれながら、薪を追加したりして4時間経過・・・・・

マイタケ栽培

途中水位が下がってきたら水を追加します。
本当は、別鍋にお湯を沸かし、それを追加する方がいいらしいのですが、ホースを使って水を足しました。
4時間煮ると、原木は黒くなります。
「炭のように真っ黒になる」と書いてあるものもありますが、そこまでは黒くならなかったかも・・。

マイタケ栽培

煮えた原木は、針金部分を持ってバケツから取り出します。
この原木が、かなりの重さ! 

マイタケ栽培

マイタケ専用の袋というものがあって、これを台所で煮沸殺菌しておきます。

マイタケ栽培

その袋に原木を入れ、針金を外します。
ゴム手袋と、作業台の上は、一応、「アルコール除菌スプレー」を吹きかけておきました。 

マイタケ栽培

袋に入れた状態で、しばらく冷ましておきます。
クリップで留めると書いてあるものもありましたが、袋の口を折り返して、さかさまに置いておきました。
今回は、2/9に6玉、2/10に12玉煮沸をし、2/11に全部まとめて種菌を接種しました。 

マイタケ栽培

煮沸が終わった原木は、お風呂場に待避。
お風呂場全体に除菌スプレーをかければよかったのかもしれないけれど、忘れました・・・。
一応、乗せてある板にはスプレーしたけれど・・。 

マイタケ栽培

2/11は、朝から種菌植え付け。
マイタケ用袋を煮沸しておき、その中におがくずベースの種菌を掻き出します。最初スプーン(煮沸済み)で掻き出していましたが、ぎっしり固く詰まっていて大変!(父談)

マイタケ栽培

母のアドバイスで、こうやって押しつぶしてほぐしてから出すことに。 

マイタケ栽培

種菌接種は、父はお風呂場でやることも考えていたようですが、結局外で行いました。
全ての原木を一旦外に出します。すごく重いので、4玉同時に運ぶのは危険(落としたりしそう)。2~3玉ずつ運びます。

マイタケ栽培

それぞれにお玉一杯くらいずつ種菌を分配。
種菌は1リットル入りなので、1000cc÷18玉= 55ccとなりますが、フワフワにほぐすとカサが増えるので、1玉あたり70cc程度(お玉丁度一杯分くらい)という感じでした。
(ものによりやや少ないのもあるかも・・・・) 

マイタケ栽培

どれも4時間は煮たはずなのだけれど、こんな風に薄い色のものもあります。これでも殺菌出来てるのかな・・。

マイタケ栽培

原木に乗せたおがくずは、おたまの背でぐりぐり密着させておきます。
「雑菌が入らないようにすばやく」「袋を上から覗き込んだりしないように」注意すべきなのですが、結構難しいです。 
「割とざっくりやっても大丈夫」と書いてあるサイトもあるので、そうであることを祈ります・・・。 

マイタケ栽培

私が種菌を分配し、父は袋の口をたたんで行きます。
ガサガサを固い袋なので結構大変。
手間取ります。

マイタケ栽培

ある程度折ったところでホチキスで数カ所留めます。
更にその上からガムテープで密閉。
マイタケ菌は好気性の菌なので、袋には紙の呼吸用フィルターがついています。 

マイタケ栽培

棚の上に置いて、菌の繁殖を祈ります。
本当は15度くらいが適温らしいですが、那須の山荘は、誰も人がいないときは外気温と同じくらいに冷え込みます・・・。

 

マイタケ栽培

たき火の残骸。
手前にある太い丸太は、3月にもう一度原木作りをしようかと父が多めに伐ってきたもの。結局、今回だけにすることにしたので、薪として使いました。
ちょっと勿体なかったかな? 

マイタケ栽培

オイル缶3つ。ススで真っ黒になりました。

マイタケ栽培

缶を吊り下げていた角材は、途中、たき火の勢いが強くて焦げました。
あぶないところでした。 

マイタケ栽培

こちらは2/27の様子。父がメールしてくれました。
今のところとりたてて変化はないようです。
ゴルフをしにくる友人には絶対に触らないように言い渡してあるようです。
そして、「ジッと原木の前で眺めている時間も落ち着いて気持ちが良いものですよ」とのこと。
 


■マイタケ原木作り 今後の課題
・原木は、15cmより長く切るとオイル缶の中で水面からはみでてしまうので、長すぎないほうがいい。
・缶があと2つあると、たき火は2バッチでいいので楽かも。
・燃料としてはホオの木の倒木が結構いいかんじ。太くても軽く持ち運びやすいし、燃えやすい。 
・後から調べると、マイタケの種菌の、表面から2センチは捨てること、と書いてあるものもあったが、今回は全部使った。
 (捨てると書いていないのもあるし、多分大丈夫のはず)
・袋の口は、2回ほど折り返してホチキスで留め、更にガムテープで固定したのだが、マイタケ菌の呼吸を妨げていないか心配。
 ガムテープはしない方がよかったのかな・・?


■マイタケ関連記事
(1)マイタケ植菌奮闘記(父が作業) 2009年3月
(2)2009年10月 初のマイタケ発生
(3)2010年 記録なし。猛暑乾燥の夏で発生しなかったのかな?
(4)2011年10月12日(うちに届いた日) 巨大マイタケ発生! 1.4kgもありました。 
(5)2012年10月8日(うちに届いた日)  今年も大きいです。 1.0kg。 

 
■参考情報
(1)山梨県森林総合研究所
マイタケほだ木の作り方 PDF
マイタケほだ木の伏せ込み・管理  PDF

(2)
マイタケほだ木の管理  PDF

(3)
マイタケほだ木の伏せ込み (ブログ) 写真あり 

(4)
マイタケの原木作りから伏せ込み 写真多数 

(5)きのこ堂日記(ブログ) の、殺菌原木栽培のカテゴリ
(個人で沢山のキノコを育てている方のようです)
殺菌原木栽培の心構え
燃料の準備 
ドラム缶準備
ドラム缶を蒸し器にする
原木の玉切り、袋詰め
種菌の入手、接種室の準備、その他道具
原木の煮沸 (ドラム缶ひとつにつき、原木12個が煮沸出来るようです)
煮沸終了後の管理 (接種直後にアルコール消毒したプラスチック衣装ケースで保管)
種菌の接種
種菌接種後の管理 (プラスチックの衣装ケースに詰めて保管している)
菌糸の成長に伴って袋の中に溜まる水(分解水)への対応方法
マイタケの伏せ込み (地面に埋める作業)
・過去の日記による試行錯誤の記録 その1 その2

(6)
栽培農家によるマイタケの原木作りの様子(高温殺菌釜使用)

(7)
舞茸栽培記録 
文章、写真多数。 

 

コメント (8)
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チョコがけ2013~(3)ピール類、まとめ

2013-02-27 | +チョコがけ

ピール類チョコがけの記事の最後(まとめ)です。

結論から言うと、今年のチョコがけは
・チョコをかける作業は、まあまあ順調だった。
・ポン菓子は、軽くて食べやすくて、割とよかったと思う。
・芯にしたピールの出来がいまふたつか。シロップの浸透が足りず、固いものになってしまった。がっくし。

不本意な出来だと記事にするのも億劫なのですが、ざざっと写真を載せておきます。
 

ピールチョコがけ2013

今年は4種類のチョコレートを買ってみました。
(1)左:フランス産オーガニックチョコレートというもの。
タブレット状。
粉っぽい系のチョコレート。割と美味しいけれど、風味の華やかさはないかな?

(2)右:カカオバリー社(フランス)のルノートル・コンコルド。

ピールチョコがけ2013

食べた瞬間に、「あ、美味しいチョコ」と思うような華やかな風味がある気がする。
ちょっと甘いかな?

ピールチョコがけ2013

(3)オペラ社のガヤス70
とても濃くビターな強い味で、甘酸っぱいピールに合うような気がした。つるつるした滑らかさと粉っぽい感じの中間。色がとりわけ黒々と濃い。
200gの板チョコが5枚組。

(4)オペラ社のカルパノ70
私の印象では森の香り。 イタリアドモーリ社のアリバ・ナシオナルに少し似ている気がした。滑らかなチョコレート。
こちらも美味しい。 

ピールチョコがけ2013

こちらはイタリア柑。
1/19頃、瓶詰めピールを1日干します。そして、昨年は箱にしまっておいて乾燥しすぎてしまったため、ビニール袋にしまっておきました。
しかし、問題はそこではなかった
糖分濃度と浸透が足りていないと、結局固くなってしまう。
干す前に何度か煮直すべきでした。しゅん。 

ピールチョコがけ2013

奥はオレンジの輪切りコンフィ。
一番手前のつやつやしているのは、お友達から頂いたレモンピール。
その次の列のFujika作伊予柑ピールとは照りが違います。
てりてりに見えるくらい、糖分濃度をあげないといけない。 

ピールチョコがけ2013

今年の新たな試みとしてチョコがけにピンセットを導入してみました。
細いピールは、端っこを手で持ってかけていくのが早いですが、ピールが露出していると乾燥しやすいので、私としては全部かけたいです。
(端が見えていた方が綺麗という意見もあるけれど)
でも全部チョコがけするためにチョコフォークを使うと、転がり落ちたりして、手の5倍くらい時間がかかり大変!! 

ピールチョコがけ2013

ピンセットを使うと、つかんだところは多少跡が残ったりしてしまいますが、チョコフォークよりは断然手早く、確実です。
すごく便利! 

ピールチョコがけ2013

1/29。
細いピールは、やってもやっても残りの山が小さくならず、終わらない気がします。
右下の方、オーブンペーパーに余白があるものは、いい加減いやになってピールはまだどっさりあるけれど途中でやめたもの(柚子ピール)。

ピールチョコがけ2013

2/1。
でっかいピールは、着々と進む感じがして気分的に楽。
左奥に見える楊枝が突き刺さったものは、コーヒーマシュマロ。
上中央はマカロニのポン菓子。 

ピールチョコがけ2013

左は黄金柑で、右はタンカンかな。

ピールチョコがけ2013

マルメロのコトニャータ(パート・ド・フリュイ)。
もう少し小さく切ればよかったかも。 

ピールチョコがけ2013

箱詰めしてフタをかぶせ、帯をして出来上がり。
(お友達のca_nonさんの写真を使わせて頂きました。ありがとうございました。) 

ピールチョコがけ2013

中はこんな感じです。
グレープフルーツピールはお友達から頂いたもの。親戚のお庭で採れたグレープフルーツで作ったものです。

ピールチョコがけ2013

ポン菓子の箱はこんな感じ。
真ん中の丸いのはマシュマロ。 

ピールチョコがけ2013

後半、ポン菓子を作り足した際、ピスタチオやココナツをまぶして、彩りを良くしてみました。

 
■■ピールチョコがけ2013 反省
■コーティングするピール類
・瓶詰めピール類は、開けたら味見すること。
 シロップの糖度を上げきらないうちに疲れて瓶詰めしてしまっていることが多いので、基本的に煮直して糖度をあげる。
・干すのは、1日程度で大丈夫。さっと干した後はビニール袋に入れておく。
・きちんと糖度があがっているピールはベトベトして固くなりにくいはず。
・刻むのは、チョコレートを溶かしている間でもよいが、前日くらいがいいか。
・安政柑や獅子柚子などの分厚いピールは、短くカットすると箱詰めしやすいかも。

■チョコレートの味・作業性 
・オーガニックチョコは、粉っぽい感じのチョコ。コーティングしにくいかと思ったがそうでもなかった。
でもちょっと苦手な成分(タンニン)がある気がするので、次は買わない予定。
・カカオバリー社のルノートル・コンコルドは、つるつるした食感の滑らかなチョコ。一口食べたとき、「あら、美味しい!」と思うような華やかな味。
 ピールとあわせるにはちょっと甘さが強いか。
・オペラ社のガヤス70は、とても濃くビターな強い味で、甘酸っぱいピールに合うような気がした。つるつるした滑らかさと粉っぽい感じの中間。
 作業性は悪くない。やや固めで厚めにコートされるかもしれない。
・オペラ社のカルパノ70は、私の印象では森の香り。 イタリアドモーリ社のアリバ・ナシオナルに少し似ている気がした。
 滑らかなチョコレート。 食感が滑らかなので、作業時は流動性が高いのかと思ったら特にそうでもない。
・オペラ社(スペイン)のチョコレートはどちらも美味しかった。また買おう。

■チョコレートコーティング
・テンパリングは、今年はまあまあうまく行った。
・コーティング作業時、ドライヤーを脇に置いて、濃度がつきすぎた場合は少し風をあてるとよい。
・最初にチョコを溶かす際も、上から温風をあててやると溶けるのが早い。
・テンパリングマシンの特許書類で見たのだが、温度を上げて溶かしたあと、よく練りながら32度に下げるだけで、うまく結晶するらしい。
 それでブルームが出たりせずうまく行くのか、今度実験してみたい。

■箱詰め
・今年は箱の生産がチョコよりも遅れ気味だった。
・ポン菓子の箱のことはすっかり頭になく、結局ピールと同じ箱を使うことにした。
 箱の必要数が一挙に2倍となり、大変だった。
・ポン菓子は、軽くてサクサク食べられるので、食べる側からするともっと大きい箱でもいいような気がする。
・毎年忘れていて思い出すのだが、箱のミとフタが出来ただけではまだ工程半ば。その他パーツも沢山あって時間がかかるので、箱の準備は早めにすること。


■チョコがけ関連記事
(1)チョコがけ2013~(1)ポン菓子

(2)チョコがけ2013~(2)ホワイトチョコレート

(3)チョコがけ2013~(3)ピール類、まとめ (この記事) 

(4)チョコがけ2012~ピール類

(5)チョコがけ2012~マルメロのパート・ド・フリュイ
作って保存しておいたマルメロのコトニャータが、乾燥して固くなってしまい、煮直して作りました。
乾燥もあるけれど、糖分濃度が低いのも固くなる原因。
砂糖の量にたじろいでしまい、いつもなかなかキッチリ入れられずにいます。反省。

(6)チョコがけ2012~市販のお菓子
マシュマロやルマンドにチョコがけしてみました。

(7)チョコがけ2011~ピール類

(8)チョコがけ2011~ドライフルーツのガナッシュ寄せ
ピールの切れ端や余ったチョコ、ココアを使って作りました。
簡単だけれど美味しいです。

(9)チョコがけ2009~ピール類
初挑戦はこの年だったかな。


■参考情報
オペラ社のチョコレートの解説。森永商事サイトより。購入は楽天のmamapan

●ガヤス70(フローラル&ウッディーな香り) 
使用しているのは、最高品質のアリバ スペリオール サマー(ASS)。
それはエクアドルで唯一クリオロ種にほぼ匹敵する上質の香りを持つフォラステロ種のカカオ豆です。
黒に近い濃い色合いのクーベルチュールは口の中で溶けたときにまず特有の洗練された力強いテイストを放ちます。
その後に樹木、茶、下草などに似た芳醇なアロマが口の中に軽やかに広がります。
それはあたかも朝露の時間に田園を散歩する時のような新鮮な夏の魅力をかもしだします。
しなやかで魅惑的なショコラノアールです。

●カルパノ70 (ナッティな香りの最高峰)
クリオロ種は、世界のカカオ豆生産量のわずか5~10%。希少性が高く、最 高品質のカカオ豆と言われています。
「カルパノ®」は、そのクリオロ種の中でもアロマ質の高さで最高の評価をもち、「カカオの庭」を呼ばれるベネズエラのバルロヴェント地域で栽培されている“カレネロ スペリオール”をセレクトしたオペラ社の傑作です。
濃い赤茶色のショコラ・クーベルチュールが、口の中で素早く溶け、その後に“カレネロ・スペリオール”の芳醇なアロマの束がゆっくりと広がります。
まず際立って特長のある熱くエレガントな香り、続いてややスパイシーで(フルーティ、フローラル)深いアロマがバランス良く、ふくよかに口の中に広がり、長く持続します。 

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柑橘 甘平(カンペイ)

2013-02-26 | +フルーツ

女の子の名前の柑橘類は、もう覚えられないくらい種類があります。
はるか、はるみ、せとみ、せとか、きよみ、はれひめ、紅香、まりひめ・・・・・。
一度食べて、美味しかったからまた食べたいと思っても、もはや思い出せない・・・・。

そんな現状を打破すべく(?)男の子の名前の柑橘が登場しましたよ!

その名も「甘平」(カンペイ)

覚えやすく、また味や食感がとても私の好みなので紹介します。

愛媛在住のかずさんに紹介して頂き、大変美味だったのでかずさんの叔父さんの農園にお願いして一箱送って頂きました。
(かずさん、ありがとうございました!)
 

甘平

甘平、という名前は、この平べったさからきています。
比較的大きめの果実で、とても平べったいです。  

甘平

ヘタ側から剥くのがお勧めです。
剥いてみてまず感激。
すごく剥きやすいです。
白いスジが果肉にほとんど残らず、ささっと剥いただけなのに、お掃除した後のミカンのよう。  

甘平

オレンジ色が綺麗に透けて、アラバスターのよう・・。

甘平

内皮は透けるように薄いためぴりりと破けますが、さじょう(つぶつぶ)がしっかりしているため、滴は滴りません。

甘平

味には関係ないけれど、チャームポイント。
花落ちの側に、わっか模様があったりします。(いまいち綺麗に写っていません。後日いい写真があれば差し替えます)

味は、甘みと酸味が丁度良いバランス。
黄色い柑橘を思わせるような、さっぱりした甘みで。食感は八朔に近い、サクサクした感じです。 

甘平

ニューフェイスの柑橘なので、まだ珍しく、高価です。
デパ地下で、何と1個1050円で売られているものを発見!
まあこれは特別でしょうけれど・・・。

(珍しいというだけでなく、育てにくいのも高値の理由のようです。)


果汁が滴らないタイプの柑橘(八朔とか文旦とか)が好きな方には大変おすすめです。
この甘平ほど剥きやすくはないけれど、種子親の「西之香」(にしのかおり)という品種も、さじょう(ツブツブ)がプリプリと固めの柑橘のようです。
いつかこちらも食べてみたいものです。

 
■甘平特徴
・「西之香」に「不知火」(デコポン)の花粉を交配して得られた交雑実生。
・重さは250g程度と比較的大きめ
・果実は扁平でしまりが良く、浮皮にならない
・皮は薄く剥きやすい。
・ふくろ(じょうのう)はごく薄く、透けるよう
・愛媛県立果樹試験場で開発された品種。・1991年交配。2007年種苗登録。
・2月上旬~中旬がシーズン。
・生育途中で実がはじけてしまったりなど、比較的育てにくい。


■参考情報
(1)のま果樹園 甘平 

(2)のま果樹園 西の香

(2)果樹研究所 西之香 にしのかおり (カンキツ口之津20号)
甘平の種子親が西之香(にしのかおり)。
清見×トロビタオレンジ。
交雑は1966年で、品種登録は2000年です。

(3)西之香の皮を剥いたところの写真など 
西之香は、甘平よりは剥きやすくないようです。 

(4)愛媛県果樹試験報 「カンキツ新品種‘甘平’について

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イカ墨ドリア

2013-02-25 | +ふたりの日

今朝、朝食に雑炊を作ろうと、冷凍ごはんを1玉チンしました。
(1食分ずつラップして冷凍してある)

ずいぶん大きめのごはん玉だな、と思い、ちょっと味見してみると、「あ!これはお寿司ごはんじゃん!」

そういえば、お寿司を作る場合は、海苔1枚につき、ごはん1膳強くらいが丁度いいので、大きめに丸めておいた記憶がうっすらあります。

すっかり忘れているのは情けないけれど、味見してみた私はエライ。
虫の知らせというか何といいうか、予感がしたのかも。
(寿司飯って、うっすら色がついているしね)


慌ててもう一玉、寿司飯でないものをチンして雑炊に投入。
で、煮て置いたカンピョウも2本温めて、急遽カンピョウ巻きを作成。
これはダンナサマのおやつに持たせました。

でも、何故かランチを一緒にすることになり(ダンナサマの職場の食堂が休みだとか)、結構がっつり食べてしまったので、カンピョウ巻きは夜ごはんになる可能性も大。


==============


この前作ったおかずを。 

イカスミドリア

黒白の対比が斬新(?)なこちらは、イカスミドリア。

イカスミドリア

イカスミピラフ、および、ハラペーニョのイカスミピラフ詰め焼きを型に敷き詰め、なんちゃってホワイトソースをかけ、カチョカバッロチーズを乗せて焼いてみました。
このハラペーニョ詰めは、作ったはいいけれど激辛のため沢山は食べられず、しばらく封印されていたもの。
ホワイトソースと組み合わせれば、クリーミーさでくるまれて激辛もマイルドになるだろう、という作戦。 

 
でも、ハラペーニョの辛さはホワイトソースを上回った模様。
ダンナサマは大あたりを引いたらしく、ひーひー言いながら食べていました。

 

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フキノトウ初採集(2013/02/20)

2013-02-21 | +きのこ以外

昨日今日と、日差しは強いけれど、寒いです。
昨晩の天気予報でも、寒さにご注意、ということを言っていました。

「一年で一番暖かい服装を、迷わず選んで下さい」

ですって。
日差しの強さに惑わされずあったかい格好を、ということかな。

「迷わず」って言われちゃったし、今日はもっこもこに厚着しています。
(天気予報キャスターも、まさかここまでするとは思っていまい)

で、もこもこのまま車に乗ったら、日差しが強いもので暑くて汗をかいてしまいました・・・・。


 
 

霜柱

こんな霜柱が立つくらい(2/18)寒いですが、そろそろMyフキノトウスポットをチェックしに行かねば。

飛び抜けて早く出てくる場所があるのです。
以前見付けたとき(2011/03/09)は育ちすぎだったので、早めにパトロール。 

フキノトウ

やった☆
まさに食べ頃の育ち具合です。

1個だけ写真を撮って、あとは夢中で摘みまくり。 

フキノトウ

どっさり☆

この場所は、南向きビルの足下です。1階ベランダが庇のように突きだしているため霜があたらず、また日当たりはいいけれど寒風も弱まって、毎年とても早い時期にフキノトウが出てきます。

収穫後ぶらぶらしてみましたが、他の場所には全然気配なし。 

花

たまには花の写真でも。
スノードロップだと思います。  

花

クロッカスかな?

ツグミ

つぐみん(ツグミ)発見!
「とりぱん」では弱っちくてトロいキャラとして描かれていて、すっかりそのイメージです。
 

コガラ?

針葉樹の木立の中を歩いていたら、踏み出した足の30cmくらい脇からばさばさばさっと、ほぼ垂直に舞い上がるものが。
コガラのようです。
地面で何かを拾っては、樹上に上がってそれを食べ、また地面に戻る、ということを繰り返していました。
物怖じしない鳥のようで、私がいても気にせずに、かなり近い場所でせっせと飛び上がったり飛び降りたり。 


ところで、フキノトウには雄株と雌株があるそうなのです。
先日教えて頂いて、初めて知りました。
雌花の方が苦くないとか。
全然知りませんでした。
今度じっくり写真を撮ってみます。

●雌株特徴
・蕾の状態の頭状花は、やや縦長で、配置にはすき間があるように見える。(しいていえばレンゲの花風)
・すっかり開花した状態で、白っぽくてモサモサ毛羽だった感じ。
・花弁らしきものは見えず、白い糸状の雌蘂の花柱がびっしり生えているように見える。
・頭状花(螺髪のひとつぶに相当する部分)のがくの中を覗き込むと、5つに分かれた花冠を持った、両性花(不稔なので正しくは中性花)が数個ある。
・食べると苦さは雄花より少ない。
・最後は、タンポポのような綿毛が出来る。

●雄株特徴
・蕾の状態の頭状花は平べったく、みっちりすき間無くドーム状に並んでいる。
・すっかり開花すると、黄色っぽい。
・五弁の星形の花(両性花)が見える。
・花弁中央に、長い棒状の雌蘂が突きだしている。これは花粉を飛びやすくするための雌蘂で、受粉能力はない(なので機能としては雄花)。
・食べると(雌花より)苦い。


■参考情報
フキの雄花と雌花
フキの花の分解写真や解説が沢山あります。

フキの雄花と雌花
フキの花の接写、各部位の模式図など。

フキの雄花と雌花
すっかり開いた雄花と雌花の写真があります

フキの雄花と雌花
フキノトウや開花、トウ立ちなど各段階で雄花と雌花の比較写真があります。
 
■過去記事
フキノトウ2012
2/22に初採集。グッドタイミングでした。
(覚えていた訳ではないけれど、2013年もほぼ同じ日)

フキノトウ2011
 
Myフキノトウスポットでの初採集。
育ちがよすぎて3月9日に見に行ったらすっかりにょきにょき伸びきっていました。(でも無理矢理摘んで食べました)

フキノトウ2009 
ナワバリで初めてみつけたフキノトウスポットでした。
2011年以降とは違う場所で、もっと小粒のものしか生えていませんでした。
この年は、極小のものを3月7日に摘んでいました。

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たき火でローストポーク

2013-02-20 | +お客さんの日

以前アップした上品な甘夏ピールの記事に、お友達による工程写真と解説を追加しましたので、是非ご覧下さい。
整然としてとても綺麗です。

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2月8~11日は、那須にマイタケの原木づくりに行ってきました。
マイタケは、とても雑菌に弱い菌らしく、丸太を長時間煮沸する必要があるらしいのです。
煮沸は、屋外でたき火をして、そこにオイル缶をかけて行うという作戦。

たき火なんて私は久しぶり・・・。

今回は、メシスタント(ごはんつくりその他いろいろ)として母が来てくれることになりました。
母は一旦我が家に泊まり、翌日一緒に車に乗って、あちこちの産直に寄りながら向かいます。

那須にほど近いところに業務用スーパーがあり、産直にはなかったインスタントコーヒーを買いたくて、そこにも寄ることに。
品揃えが普通のスーパーと全然違うので、ついつい全部の棚をじっくり見てしてしまいます。
(結局インスタントコーヒーはなかった。確かにお店では出さないわな・・・)

お肉コーナーの前で母が立ち止まって居る様子。
「折角たき火するんだから、何か楽しいもの焼きたいわよね」
という訳で、でっかい肉を購入することに。
(母は、以前豚バラ肉をたき火で焼いて、大感激したとか)

アメリカとカナダがあり、少しだけ高いカナダ産にすることにしました。(といっても100g百円ちょいくらいの安さ)
カナダ大麦豚という銘柄の、肩ロース塊を1.5キロほど。
(さすが業務用スーパー、塊肉がゴロゴロ売っています)



 

roastpork

2/9、薪やらバケツのセッティングも終わり、たき火が軌道に乗ってきた頃、豚肉登場!

母が塩、胡椒を擦り込んで、針金を巻いたものです。

roastpork

炭火とかバーベキューコンロではなく、たき火+肉。
ワイルド~。 
(実はこの時点で私はうまくいくのか半信半疑でした) 

roastpork

この日は風の向きがくるくる替わり、人間がいぶされちゃって大変でした。
時々肉の向き(上下・左右)を替えてやります。

 

roastpork

出来上がり!
なんかすごくいい感じでは!!
表面付近は、なぜか特に赤いです(何か塗ったりした訳ではない)。

ハムのようなジューシーな焼け具合で、予想以上に柔らかいです。
表面はほどよくこんがりスモーキー。
ここ数年で食べた豚肉の中で一番美味しいかも。

 

roastpork

夜ごはんのメインディッシュになりました。
少しだけ電子レンジであたため、タンカンのソースをつけて食べました。
うまし! 

余りに美味しいので、あっという間に3分の1くらい食べ終わってしまいました。 

roastpork

2/10、この日もたき火。

「すごく美味しいから、持って帰る分も焼こう」と母。
近くのスーパーまで買い出しに行って、更にもう一塊の肉をゲット。

roastpork

今回は国産豚しかなくて、値段はやや高価(カナダ産の2倍くらい)だったそうです。  
この肉は、私が味付け&針金かけ。 
撮影時刻は12:06。 

roastpork

撮影時刻は13:20。
1時間ちょいで、こんなにテリテリになります。

roastpork

母と私で持ち帰るため、二分割。
部分的にちょっと焼きが弱いところがありましたが、食べる前に温めるので、問題なしです。 


ローストポークを焼くためだけに、薪拾いをしてたき火をする価値があるかも、と思うくらい、美味しくできました。
次は、お肉を4つくらい吊したいかも。
(沢山作ってどうするかってのはさておき。)

 
■■たき火ローストポーク
■ポイント
・塩胡椒はしっかり
・塊を、縦に吊すのではなく、横に吊す方がいいかも。
・火に近い側は焼けるが、反対側は温度が低い。時々回転できるような構造で針金をセットするとよい。
・割と熱源の近くにセットし、焦げそうになったら火から遠ざけるとよい。 
・触ってぷにぷにしていたら、まだレアなのでもう少し焼く。焼けるとムチムチっとした感じになる。
・塩漬けしておいた豚バラ肉を焼いたら、温燻ベーコンになるのだろうか?
・牛肉の塊肉を焼いたらローストビーフ、丸ごとの鶏だとローストチキンが出来るってことか。うまくいくかな。

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ひみつのきのこ

2013-02-19 | +きのこ

ダンナサマの知り合いから、普通は市販されていない秘密のきのこを頂きました。

 

冬虫夏草

培養容器に入っています。  

冬虫夏草

上から覗くと、つんつんした細いきのこが。 

冬虫夏草

引っ張ると、きのこはぽろりと外れてきます。 

冬虫夏草

培地の周囲にもにょろにょろ生えているので、勿体ないのでそれも取ります。

冬虫夏草

培地を取り出したところ。
周囲にある、きのこっぽい部分をナイフで切り取ります。 

冬虫夏草

収穫完了。
左下が培地。
中央上あたりが培地の上から生えていた部分。
中央右あたりが、培地の周囲から切り取った部分。

冬虫夏草

栽培している訳ですから、勿論食べられます。
初めてのきのこは、まずはバター炒めにしてみます。
ちょっと炒めてみたところ、卵に合いそうな味。なのでオムレツに。
タマゴタケ同様きのこから赤い色が出るので、濃い色合いのオムレツになりました。 
きのこ風味が濃厚で、とても美味しいです。 

 
さてこのきのこは何でしょう?

ヒント:培地はおから 


答えは、冬虫夏草

ふつうは、こんな風におかずとしては食べないみたいです。
美味しいきのこなんだけどな。

 


■参考情報
調べてみると、結構沢山の企業で冬虫夏草は栽培されており、商品化もされているようです。
ただし機能(薬効)については、まだ不明なことが多いようです。
ガンに効くらしいという曖昧な情報のためか、検索すると「波動」とかを謳うようなあやしげなショップもあったりします・・。
でも、純粋にきのこ栽培として考えると、面白そうです。

(1)(株)BGサイエンスという会社のHP
中国および日本各地で冬虫夏草を栽培しているようです。
この会社のきのこは、今回頂いたものととてもよく似たオレンジ色。

擬黒多刺蟻というアリの巣から採取した子実体(きのこ)をまずアリエキスで培養し、それを特殊配合の培地に植え付けて量産するのだそうです。
培地は、「穀類など厳選した12品目の食物」だそうです。

(2)福島県の東白農産企業組合
白っぽいハナサナギダケを栽培。
養蚕農家が繭を取った後捨てるさなぎ(死んださなぎ)を培地にしています。
粉末や錠剤の健康食品として販売。

(3)吉井菌学研究所
ネパールの高標高のところで、コウモリガの幼虫(すごくでっかいイモムシ・・)に寄生するきのこを採取。
それをもとに、玄米ベースの培地で栽培しているようです。

(4)ホクト
ぶなピーなど食用きのこメーカー(?)のホクトでも研究をすすめているようです。 
白っぽいハナサナギタケに関して色々特許があるとか。 

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マタタビの実

2013-02-18 | +きのこ以外

マタタビは以前記事にしたような気がしていましたが、検索しても出てこないので、まだだったようです(過去記事をもし見付けたら教えて下さい)。
父の採集ですが、ご紹介します。


父が行くゴルフ場のひとつに、マタタビが生えているそうで、季節には必ず行くそうです。

目的は、実。

マタタビはマタタビ科、マタタビ属の、雌雄異株(正確には雄株と両性株)のツル植物で、ドングリ型の実と、カボチャ型の実がつきます。
ドングリ型の実は正常タイプ。カボチャ型の方は、マタタビミタマバエという虫が寄生して出来た虫瘤果です。

ドングリ型の実は、(キウイの仲間ですし)酸味と辛味と苦味があり、塩漬けなどにして食用にされます。
カボチャ型の方は、有効成分の含有量が多いという説もあり、薬用とされます。
マタタビ酒にするのは、このカボチャ型の方だとか。

ドングリ型とカボチャ型、両方の実がつくマタタビの木もあるようですが、ゴルフ状のマタタビは、カボチャ型のみ。
父の採集は、マタタビ酒が目的です。

ツル性の植物なので、実自体は手が届かないくらい高いところに実っているのですが、虫瘤果は9月くらい(?)に、青いままぽとぽとと落ちてくるのだとか。
意外と競争率が高いもののようで、ちょっと時期を間違えると、すっかり拾われてしまうそうです。

虫入りなので、しばらく水に漬けて虫出しをしてからホワイトリカーに漬けるそうです。
那須では肉体労働をすることが多いので、「これを飲むとまた旅が出来る」というマタタビ酒には疲労回復効果がありそうで、私もよく御馳走になっています。
 

マタタビ酒

こちらがマタタビの実。
(百合根っぽい形にも見える)
お酒に漬けてあったものなので、色が茶色っぽくなっています。
最初は緑色だそう。 

マタタビ酒

父が知り合いのネコにプレゼントしたいという訳で、しばらく水に晒したあと、スライスして干していました。
断面を見るのは初めて。
ゴツゴツした実の中は、以外や以外、ジャガイモのように均質な感じ。
ところどころにある穴は、マタタビミタマバエによるものだと思いますが、それ以外の部分はのっぺり均質です。

種はどこに行っちゃったの?


このスライスを一かけ食べてみたところ、すっかりマタタビ酒の味(甘くてやや苦い)が染みているので、本来の味は不明です。
食感は、シャリシャリして梨を更に固くしたような感じ。 


それにしても、種はどこへ。


気になって調べてみたところ、興味深いサイト(写真沢山でとても参考になります)を見付けました。
それによると

「実際には、マタタビミタマバエが産卵することによって、雄花の子房にあたる部分がふくれ、花が咲く頃に(花が開かないまま虫こぶになるものも多い)このような虫こぶが出来るもので、見かけは果実のようでも、果実ではないということが初めて分かりました。 (図18・19) 」

「虫こぶはほとんど雄花にできるのですが、中には両性花(雌花)にも虫こぶができているものがありました。 (図20・21) こちらの虫こぶも受粉して果実になったものではなく、花の時期にすでにこんなに大きくなって実のような形になっていました。」

ということです。
なるほど~。そうだったのかー。

虫瘤果は、果実がどうにかなって膨らんだのかと思っていましたが、花がどうにかなったもののようです。
ゴルフ場のマタタビには、カボチャ型の実しかつかない、ということは、雄株だな、きっと。
そして虫瘤「果」とはいうものの、雄花の子房にあたる部分が(花が開く前に)ふくらんでいるため、種は形成されている訳もないのでした。


 

■参考情報

(1)樹木図鑑 マタタビ
花、葉、正常果、虫瘤果、虫瘤果断面など沢山写真あり。

(2)マタタビの正常果の断面写真ほか (ブログ) 
マタタビはキウイフルーツと同じマタタビ科のようです。
正常な果実の場合、種はキウイのように、横断面に大して放射状につきます。 

(3)マタタビの雄花、両生花など写真沢山

(4)マタタビの虫瘤果サイズに関する論文(信州大学、2009) PDF
標高950mまでは、標高が高いほど虫瘤果サイズが大きくなる傾向があるようです。
(それより標高が高くなると、サイズは小さくなっていく) 
あちこちに行ってマタタビを集める研究は、何だか楽しそう 

(5)デイリーポータル(読み物サイト)
またたびを食べる
北秋田市の道の駅「あに」にはマタタビラーメン、マタタビ甘納豆、マタタビ煎餅などがあるとか
猫はキウイで酔っぱらうか
マタタビ科のキウイフルーツ。実では何の影響もない猫ですが、葉や根っこには大興奮だそうです。 

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火鉢でかきもち

2013-02-13 | +お菓子(各国)

母が最近、ホームベーカリーでのかきもち作りに凝っています。
パン焼き器に糯米と水を入れお餅を作ってもらい、それを容器に移して(?)塊のまましばらくおき、薄くスライスさせて適度に乾燥させるというもの。

餅つき機でも勿論作れるけれど、ホームベーカリーは常に台所に出してあるため、わざわざ餅つき機を出してこなくてもいいのが便利なのだそうです。

浸水時間も随分少ないけれど、レシピ本通りに作ると、それなりにちゃんと、かきもちになるのだとか。

先週末、母が久々にうちに来ることになり(那須に一緒に行くにあたって我が家に前泊)、かきもちを作ってきてくれました。
で、「昔は火鉢でよく焼いたわ~」「火鉢で焼くと美味しいのよね~」と盛んに言うので、久々に炭をおこしました。
 
 

手作りかきもち

生のかきもちは、こんな感じ。
これを焼くとふくらんでおせんべいになります。
焼き方は、3種類試してみました。
・火鉢でそのまま焼く
・電子レンジにかけたあと、火鉢でこんがり焼く
・指で薄く油を塗ってから電子レンジにかけ、そのあと火鉢 

手作りかきもち

焼け具合は、予想以上に異なります。
左:電子レンジ
中(指さしているもの):火鉢
右:油+電子レンジ
 

手作りかきもち

油を塗って電子レンジにかけると、ものすごくふくらみます。
斜め横から見ると、膨張っぷりがよく分かるかと。
右側の2つがそれですが、うねうねと立体的にふくらみうねっています。  

 
食感は、当然よくふくらんだもの程、サクサクと軽い食感。
火鉢でじかに焼いたものは、生の状態からさほどサイズは変化せず、カリカリと固め。
でもカリカリしたものが好きな母は、火鉢焼きの方が好きだとか。

ベランダのガラス戸を開けて換気しながらでも、炭火を焚くと部屋がとってもあたたまります。
母は「あったかくていい仕事だわ~」と言いながら、子供の頃を懐かしんで、持ってきたかき餅を全部焼いてくれました。

ほかにもっと色々焼きたいけれど、そんなに焼いておくようなものってなくて、残念。 
(夕食後だったし、お餅や干し芋を焼く訳にもいかず)

ちょっと余った炭は、灰にうずめておいたら、一晩中あたたかでした。
(一応、換気には気をつけました) 

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柑橘 紅香(べにかおり) ≒ 天草

2013-02-12 | +フルーツ

そこそこ天気に恵まれた連休でしたが、如何お過ごしでしたか。

私は、お正月のスモークサーモン(母企画)に続き、今回は父の企画で、那須にて強化合宿。
テーマはマイタケです。
菌のくせにとっても繊細病弱なものらしく、長時間、原木を煮沸する必要があるのだそうです。
という訳で、二日間にわたって、エンドレスたき火。(夜は消します)
いやー、大変だった。
(しかも、無事菌が育って成功するかどうかはまだ分かりません)

詳細は後日記事にしますね。
たき火を利用して美味しいものも作っちゃいましたので、それもまた今度。


===============


那須のスーパーにて、またしても、新顔の柑橘を見かけました。
 

紅香=天草

「紅香」

5分ほどこの看板の前に佇んでしまいましたが、2個で500円近い値段というのはちょっと高級すぎるし、家には美味しいタンカンが沢山あるので、写真のみ撮影。  

 
「べにか」って初めて聞いた名前よね?と調べてみると、色々分かりました。

・読み方は「べにか」ではなく「べにかおり」
・品種名は実は「天草」。
・ハウスで栽培される中晩柑「天草」をステビアを使った栽培方法で、付加価値を付けたのが『紅香』

ううむ。そうであったか。

「不知火」(品種名)と「デコポン」(ブランド名)のように、品種名と違うブランド名がつけられた柑橘のようです。
(実は情報源1つなので本当かどうかは不明。「紅香」で検索すると、大半のサイトには「天草と同じもの」とは書いてありませんが、紅香という新品種が開発されたという情報もないです)

ただでさえ品種が多い柑橘なのに、こういう複数名称があるので、覚えるのは本当に大変です。
差別化したい気持は分かるけれど、知名度がどちらも中途半端になって共倒れになるような気もするんだけれど・・・。

あと、「紅香」って書いたらふつう「べにか」って読みたくなりますよね。
「べにかおり」と読ませたいならば「紅かおり」にすればいいのにな・・。
特別栽培で美味しいのだとは思いますが、名称に関してはちょっとザンネンな気がします。


天草は、先日紹介した紅まどんなの花粉親にあたる品種。
(清見×興津早生)N0.14に、ページを交配したもので、とろりとした果肉(砂じょう)が特徴。この性質は紅まどんなに受け継がれているようです。

今度、ブランドでなくていいので、天草を買ってみたいと思います。 




■参考情報
(1)紅香についての情報もとブログ

(2)果樹研究所の育成品種紹介による 天草 
紅まどんなの花粉親。
天草は、(清見×興津早生)N0.14に、ページを交配したもの。

(3)のま果樹園による 天草 (紅まどんなの花粉親)
解説を読む限り、紅まどんなとの味の違いはよくわかりません。
収穫時期は紅マドンナより遅く、1月下旬~2月下旬。 

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