採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

きいちご摘みとジャム

2006-06-28 | +ジャム・ピール(果物系保存食)
6/27(火)、駐車場わきのやぶをふと見たら、何か赤いぽつぽつが。


(これは7/13に撮影)


ヘビイチゴかなあ、と思って近づいたらラズベリーみたいなものだった。
しゃんとしたヤブになっていなくて、よろよろと地面を這うような感じ。
早速試食。

すっぱいけれどちゃんと木イチゴの味がする。
もりもりと食べても、まだたくさんあるので、持って帰って煮てみようかと考えついた。

比較的きれいなものを摘んで、いちごパック1つ分くらい。
本当は、ほろりと木から外れるものがよく熟しているのだけれど、今回量をとろうと思って力まかせにむりやり摘んでしまったものもあった。


2006/6/27収穫 木イチゴ



濡らしたキッチンペーパーの上で転がすようにしてゴミや汚れを取り、どんぶりに入れて電子レンジで加熱。
甘みはフランスで買ったラズベリージャム(かなり甘かったので)でつけた。

あっというまにひとびん分の木イチゴジャムできあがり。
ラズベリーの常として種がぶつぶつしているけれどそれもまたよいものだ。

もっと沢山生えているところはないかなあ。
ノルウェイでは道ばたのヤブにラズベリーがわんさか成っていた。
また摘みに行きたいものだ。


2006/6/27作成 木イチゴジャム
(野性木イチゴ、フランス産ラズベリージャム)


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きのこのオイル漬け

2006-06-27 | +野菜系保存食


2006/6/26収穫



6/26(月)は思いがけなくきのこが大漁だった。しかも虫やカビのほとんどないもの。
普段は洗った後、生のまま冷凍していた。
または、炒めてしまって食べきれない分を冷凍したこともある。

冷凍してしまうと、よく炒めたとしても中心付近がどうしても水っぽくなってしまう。
今回は思い立ってオイル漬けを作ってみることにした。
オイル漬けという保存食は初挑戦。

インターネットで調べてみたのだけれど、作り方がみつからなかったので、自己流でやってみた。
実は本も持っていたのに見るのを忘れてしまった!
あとでじっくり調べてみなくては。
もう一度くらい作る機会があるかも。


ポルチーニのオイル漬け
(本当はヤマドリタケモドキとウツロイイグチだと思う)
写真は2006/11/12撮影。
白いのは冷蔵庫にしまったためオイルが固まっているところ。





■用意するもの
きのこ

にんにく
ハーブ類(胡椒、エルブ・ド・プロヴァンス、セージなどお好みで)
植物油、オリーブオイル

ガラスびん
フライパン
蒸し器

■作業手順
1)きのこを摘むときは、鋭利なナイフなどで根元から切り取る。
 このとき泥がついている部分は地面に残す。

2)出来れば摘みながら目につく枯れ葉などは取り去る
 きのこはあまり積み重ねず、平たい箱などに摘む。

3)家に持ち帰って、きのこの選別。
 保存用の上質なものと、すぐに食べる用の成長しすぎたもの、
 虫食いの可能性が高いものを分ける。
 このときも、肉眼でわかるゴミは逐次とる。


選別中



4)洗浄。これまでの段階でかなり綺麗になっているはずなので、
 さっとすすぐように洗う。水に漬けっぱなしにはしない。

5)竹笊にあげる。

6)スライスする。大きいものは軸を2~3枚に縦切り(斜めよりも縦切り
 の方が歯ごたえがよい)、傘は「+」に包丁をいれて4分割、または薄く
 「|||」とスライス。
 小さいものは軸と傘を分けて、軸は縦に2つに切る。
 小さくても軸はかならず切ってみる。外見からはわからないのに虫食いという
 ことがある。
 小さいきのこと大きいきのこはわけておく。(火の通りが違う)

7)鍋にニンニク、オイルを入れ弱火で加熱しニンニクの香りをつける。
 ニンニクは取り出す。

8)キノコを鍋に平に並べ、塩、胡椒をして比較的丁寧に両面を焼く。
 ここで十分火を通し、また水分を蒸発させる。(味見もする)
 (大量になべに入れて炒めると、水分が蒸発しきらず水っぽくなる気がする)
 なお、大きいきのこ、小さいきのこは火の通り方が違うので別々に炒める。

9)消毒したびんに、さきほど炒めたニンニクを入れ、さらにキノコも入れる。
 酸化防止のため、ワインビネガーを少々(今回は小さじ1~2程度)入れる。
 (効き目があるのか不明。味的には入れたくなかったのだけど。後から考えた
 ら、バルサミコビネガーにすればよかった。色がつくかな、と思ってやめた
 のだけれど酢は水だからオイルにはさほど色はつかないのではなかろうか。)
 エルブ・ド・プロヴァンス、セージもびんに入れる。

10)きのこがひたひたになるまで、オリーブオイル、植物油を注ぐ。
 エクストラヴァージンオリーブオイルだけだと、冷蔵庫に入れると固まって
 しまうのでほかの植物油(またはピュアオリーブオイル)をブレンドすると
 よいらしい。
 今回はエクストラヴァージンオリーブオイルと玄米油を使用した。
 割合は半々程度。ちょっとオリーブ油が多め。

11)蒸し器で加熱し、密閉する。


はてさて、うまくできたかどうか・・・。


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みりんかす入りBPパン

2006-06-22 | +パン
みりんかす入りBPパン、おおむねレシピがかたまってきた。
これならふくらむ。

(写真後日アップ)2006/6/21作成

■材料
みりんかす 150g
牛乳    150g~200g
卵     3個
オリーブオイル 大さじ2程度(なくてもよい)

粉     300g
BP     小さじ2
重曹    小さじ1
スパイス  好みで適宜

クルミ   適量
ドライフルーツ 適量

■作り方
1)液体類をバー状ミキサーで混ぜる
2)粉をふるう。
3)粉に液体の半量強を混ぜ、箸でさっくりまぜる。
4)そこにクルミ、ドライフルーツ(洋酒漬けの場合水気を切らなくていい)を放り込み、さっくりまぜる。
5)残りの液体をまぜる。
6)天板になまこ状に盛り上げる。表面に粉糖やポピーシードをふってもよい。
7)全部で50分くらい焼く。最初170度、後半温度を下げアルミをかぶせる。
8)焼き上がってスライスしてもう一度焼けばビスコッティに。
  ビスコッティにする場合は、ドライフルーツを入れすぎない方がよい。


なんでこんなにこだわっているかというと、冷凍庫にみりんかすが700g、酒粕(漬け物用でなく白い方)が約1kgあるから。
これらを片づけて、夏に向けて場所をあけておきたいのだ。
空間がないとイーストパンを焼いても、しまう場所にこまるし。
それに先日の空豆をみて以来、豆は買ったら冷凍庫で保存しようと思っているのだ。
めざせ、すっきりした冷蔵庫と冷凍庫!
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くるみ割り

2006-06-21 | +お菓子(西洋)
昨冬買ったくるみがやまほどある。
このままおいておくといくら殻(正しくは内果皮)つきとはいえ使えないものが多くなるし、おいしくなくなってしまう。

ある日思い立って割ってみた。

必要な道具:新聞紙(敷く)、金槌、煉瓦、掃除機(飛散した破片片づけ用)、
      お皿(くるみをのせる)

我が家にあったくるみは3種。
・茨城県産ヒメグルミ(写真右)
・長野県産ヒメグルミ(写真中)
・長野県産オニグルミ(写真左)






上記の順で(写真でいうと右から)割り易く、取り出し易い。
ヒメグルミは今回初めてだったのだが、ちょっと叩いただけで簡単にぱか、と割れて、実も取り出しやすい。すばらしい!

オニグルミは、まさに鬼のように割りにくい。
何度親指をひっぱたいたことか。

あまりの割りにくさに色々考えた。
オニグルミをお持ちの方、朗報ですよ!(もしかしてみんな知ってること?)
トースターで4分ほど焼くか、オーブンで10分ほど焼くと、殻のつなぎ目部分が乾燥するせいか、自然に細くすきまが開いてくる。
そうなったものを金槌で叩くと、比較的割りやすいのだ。

・・・でも取り出しにくさは一緒。勿体ないから無理にほじくっていると、粉状のものができてしまう。お菓子に混ぜ込もう・・・。


オニグルミは殻付きのままだとすごくかさばるけれど、実を取り出してみると(労力を考慮に入れなくても)がっかりするほどちょびっとになってしまう。
上の写真でも、殻が分厚いのが分かるだろうか。

横からみたところの写真はないが、オニグルミが丸っこく、ヒメグルミは扁平。
しかしオニグルミの殻は中空の構造になっており、実が詰まっている訳ではないのだ。

■オニグルミ豆知識
オニグルミの内果皮に空隙があるのは、かつて水流により遠方まで種子を散布し分布を広げてきたため。
300~110万年前ごろに繁栄していた種(オオバタグルミ)は、最大のもので長さ7.5cmと大きく、内果皮は現在よりもっと分厚く、表面は著しい突起があって被食を防いでいた。
しかし環境が変化し水散布が必ずしも有利ではなくなったため、110万年前頃には小動物に被食されることにより分布拡大する、平滑で小さいタイプである現在のオニグルミに交替してきたと推測されている。
ヒメグルミはオニグルミの変種で栽培用に植えられてきたもの。とはいっても縄文遺跡からも出土する。内果皮が割りやすくまた歩留まりがよい、という品種は当時からありがたがられていたのだろう。
(参考資料:古代の森研究舎ホームページくるみ博物館ホームページ


ヒメグルミは小さい殻のなかに、ぎっしり実がつまっている。


ヒメグルミは殻がうすくて実がぎっちり。しかもすぽっと取れる



大袋いっぱいのオニグルミは、例え値段が安くてもさほどお得ではない。





もう2度とオニグルミは買いません。
買うならヒメグルミ。
(アメリカ産ウォルナッツを製菓材料店で買うのが一番割安で手間も少ないんですけど~)
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梅収穫(2回目)とシロップ漬け

2006-06-20 | +ジャム・ピール(果物系保存食)
6/19、木の上の方にまだ梅の実が残っていたのでそれを収穫した。
ほかの実が早めに摘まれたせいか、それとも長めに樹上においておいたせいか、りんごのような(うそうそ)大玉。

それにしても、今年の実はヤニ果が多い。
黒星病が目立たないほど。
一体どうして!

ホウ素の不足によるという場合もあるし、虫(カメムシ)などに喰われて、その傷口からヤニが出てくる、という場合もあるとか。
どちらかな?茶色いぽつぽつがあって、そこからヤニがでている風だから、虫かな。
ホウ素不足の場合、3月ごろに撒いてやらなければいけないらしい。
うーむ。
剪定などを上手にやって、木の自然治癒力にまかせる、という訳にはいくまいか。


摘んで帰った梅は、種を抜いて(あまりの蒸し暑さに汗がたらたら流れてきて、とうとうエアコンの除湿をかけた。2時頃までかかった)、蜂蜜・果糖・梅酒・リンゴ酢を注いでシロップ漬けにした。

にがりを切らしていたし、やや青みが薄れてきた実のためカリカリになるかどうか不明だが、種さえ抜いてあれば実を食べるのも簡単のはず。
いざとなったらジャムにしてしまってもいいしね。


■ウメの種の抜き方:まず左右の中心から2mmくらい外れたところに包丁で切り目を入れて、包丁をひねるようにして種と実をはがれやすくする。
切り目の上下を持って、ひねるようにすると、中心から数ミリ分小さい方の半分が種から外れる。
種の周りに包丁で切り目を入れる。
薄手のスプーンで種をほじくり出す。

両側を、中心からずれたところに切り目を入れる、というやり方だともっと早いけれど、少量残るのが勿体ないと思ってこのやり方にしてみた。

全くの中心に包丁を入れてひねっても、なかなか片方がとれてこないので、まずちょっとずらしたところに切り込みを入れるのがコツのような気がする。


(写真はあとで)
2006/6/19作 梅シロップ漬け (特大びん1つ、大びん2つ、ちょい)
2006/6/20作 梅シロップ漬け (大びん3つ)


追記:
6/20にも同じくらい(いちご4パック用の箱にこんもり)摘んできた。
この日は小玉も多かったせいか梅割りは一晩では終わらず・・・。
残りは悪いところをけずって梅酒にしようかな。


2006/6/20収穫の梅。巨大な梅が!



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+ノンフィクション・伝記

2006-06-17 | ■本・動画
■■ノンフィクション・伝記

■ヘンリー・メイヒュー『ロンドン路地裏の生活誌―ヴィクトリア時代』(上・下)
当時の社会派ジャーナリストの雄ヘンリー・メイヒューが取材した職業別風俗誌。
これはたいへんに面白い。もう一度読みたくなってきた。
ヴィクトリア朝の小説をよむときは、いつもこれを読んでおいて本当によかったと思っている。一日中河に腰までつかって底をさらう仕事(河ひばり)とか、下水管の中をあるきまわってめぼしいものを探す仕事とか、『五輪の薔薇』を読んだとき参考になった。
当時、なんと犬のフンを拾って売る仕事があったんですよ!皮なめし屋が買い取るんだって。お金持ちの家の犬の糞のほうが品質が高いとか。なんと土やワラなどでニセのふんをつくる人もいたそうな。
資源のリサイクルについてもいろいろ考えさせられます。
翻訳では上下二巻組だが、原作は7巻(17巻?)にもなる大著だそうだ。
そのうち全訳がでないかなあ。
ところで、18,9世紀ロンドンに関する本は結構読んだけれど、数年前実際に訪れてみると、なんだか暑くて東京みたいに混雑していて、食べものはおいしくないのに物価はものすごく高くて、いい印象は持てませんでした。建物などは残されているのだから、注意深さが足りなかったのかな。江戸ファンは現代東京にもっと幻滅するでしょうね。

□クリスティン・ヒューズ『十九世紀イギリスの日常生活』(読んだかも)
□アネット・ホープ『ロンドン 食の歴史物語―中世から現代までの英国料理』
□新田潤美『階級にとりつかれた人びと―英国ミドル・クラスの生活と意見』
□新田潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』
□安達まみ『“食”で読むイギリス小説―欲望の変容』
□久守和子『“衣裳”で読むイギリス小説―装いの変容』
□益子政史『ロンドン悪の系譜―スコットランド・ヤード 』

■アナベル・ファージョン『エリナー・ファージョン伝―夜は明けそめた』

■エリナー・ファージョン『ファージョン自伝―わたしの子供時代』
両方の伝記を読んで、昔から愛読していた作者のことをはじめて知った。
ヴィクトリア朝の中・上流家庭では子供を学校に入れず、家庭教師に勉強をみさせた。そのせいか兄弟の絆が非常に強かった。
ファージョン自身は随分おくてで、どうやって子供をつくるのか30代にさしかかる頃まで知らなかった。
生涯自分の子供を持たなかった。
父、母、弟(戦死)、兄、夫を看取っている。
晩年(夫が健在のころから)ある若い作家を(自分の子供のように?)愛し励まして、一時期同居していた。(それとも恋人だったのかな?)


■エリナー・ファージョン『想い出のエドワード・トマス―最後の4年間』
彼女が20代の頃、心から愛した詩人が戦死するまでの4年間の想い出。

□アイリーン・コルウェル『エリナー・ファージョン―その人と作品』


■アン・クラーク・アモール『オスカー・ワイルドの妻―コンスタンス・メアリー・ワイルドの生涯』
ワイルドとアルフレッド・ダグラス卿に隠れてあまり日の当たらない存在だったワイルド夫人。しかし彼女は晩年の精神的、肉体的苦痛(ヘルニアでほとんど車椅子生活だったとか)によく耐えて子供たちを守ったのだ。常人には出来ない。
それにしてもワイルドは、「王女と侏儒」という童話で残酷な愛を見事に描いているにもかかわらず、自分はアルフレッド・ダグラス卿にその侏儒のように酷い扱いをうけている。何故。


■マイク・ダッシュ『難破船バタヴィア号の惨劇』
オランダ東インド会社の商船バタヴィア号がオーストラリア沖で難破した。生き残り340名のリーダーになった人物が今で言うサイコパスで、自分では手を下さないものの暴力的な人物を操って、150名になるまでに次々に殺し続ける、という信じられない実話を出来る限り淡々と、資料をもとに書きつづっている。
アマゾンのブックレビューではこの客観性がつまらない、という評もあったが、私は事実の羅列だけでも十分驚いた。本当に起こったこととは信じられない。心理描写などないから何度も数ページ遡って、行動原理・因果関係を読み取ろうと努力してみた(でも理解不能)。
そんじょそこらのサイコ・ホラーよりも怖い。おすすめ。


■村上春樹『シドニー!』
村上春樹のシドニーオリンピック報告。
村上春樹氏が走る人だとは知っていたがオリンピックと関連づけて考えたことはなかった。案の定、こんな機会(雑誌Numberの依頼)でもなければオリンピックなんていう壮大な無駄と退屈の現場に足を運ぶことはない、と言い切っている。
しかし、この本が退屈かと言われると、なんだかオリンピックの熱気をはらんで、つい一気に読ませる(夜更かししてしまいましたよ)。
この作家の旅行記・エッセイは個人主義的なところが好きだ。
オリンピックみたいな社会的事件だと、○○はこうすべきだ、こうあるべきではなかった、なんて熱く語る人間が増えてくるけれど、そういう人たちのことを、「××という社会状況に対して自分自身が深く傷つけられたと感じてしまう人々」と呼ぶ。
「義憤」という感情に敏感な個人主義者。

この作者の『遠い太鼓』は何度も読み返してきたし今後も読むだろうが、これはおそらく読み直さないだろう。けれど読んでよかった作品でもある。




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+英米文学(ミステリ)

2006-06-16 | ■本・動画
(■読んだもの、□読みたいもの)
(順不同)
(概要説明にはアマゾンから写したものもあります)

■■英米文学-ミステリ
■ジョン・ディクスン・カー『ヴードゥーの悪魔』
19世紀半ばのニューオーリンズを舞台にした歴史ロマン溢れる長編ミステリ。
奴隷がいて、女性がフープスカートをはいていたころのニューオリンズはのどかで優雅な雰囲気。アメリカ南部にはちょっと興味がある(イメージはまだあまり沸かないのだけれど)。


■ジョン・ディクスン・カー『グラン・ギニョール』
短篇全3篇にはさほど心ひかれなかったが、エッセイ「地上最高のゲーム」はミステリ好きには必読ではなかろうか。知らずに読んで大変得をした気分になった。

■ジョン・ディクスン・カー『月明かりの闇―フェル博士最後の事件』
ネタバレなのだが、登場する若い女性の恋人は一人目も二人目もかなり年上、という設定は、個人的には共感するのだが、小説の描写では説得力がない。あんまり描き込むと推理小説だからよくないのかな。殺人のトリックはなんだか無理がある気がする。

■ジョン・ディクスン・カー『仮面劇場の殺人』
最後のぎりぎりまで犯人があがくところが最近のハリウッド映画のよう。

■R.L.スタイン『迷信』
不思議な迷信や民話の数々を口にする、知的で魅力的な雰囲気を漂わせた、大学教授リアム。平和なはずの町「フリーウッド」で繰り広げられる、残虐な殺人事件の数々。最後に生き残るのは…。
という扉の説明を読んで読み始めたら、随分経ってから、モンスターの出てくるホラー小説だということが分かった。ずっと普通のサスペンスだと思ってて、どうオチがつくのかと期待してたのに。怪物が出てくるんだったら読み方も違ったのに。地道に「7並べ」してたら相手の持ち札が全部ジョーカーだったとわかったような気分。


■レックス・スタウト『手袋の中の手』
若き女性探偵ドル・ボナーに舞い込んだ依頼は富豪夫人をたぶらかす怪しげな宗教家の調査だったが…。名探偵ネロ・ウルフでお馴染みの巨匠が生んだミステリ史上初の自立した女性探偵、待望の本邦登場。
これはどうもシリーズ化しようとしてそうならなかったものらしい。自立した女性探偵というところが受けなかったのだろうか。


■マシュー・パール『ダンテ・クラブ』
1865年、ボストンとケンブリッジで猟奇殺人が続発する。犯行の手口が表わす意味に気づいたのは「ダンテ・クラブ」-文壇の重鎮たちだけだった。彼らに挑むかのように、犯人は「地獄篇」に描かれた劫罰を模していたのだ…。
アメリカ文壇の実在人物が大勢登場するが、誰一人として知らない。これでは架空の登場人物と同じことではないか。
おそらくアメリカ人であれば、日本人が漱石や鴎外を知っているようにそれぞれのキャラクターについて予備知識があるのだろう。
ハーバード大学英米文学科を主席で卒業した著者のデビュー作。


■E.L.ドクトロウ『ニューヨーク市貯水場』
19世紀後半のニューヨークの活気と混乱をリアルに蘇らせた傑作歴史サスペンス。
死んだはずの父親を見かけ、真相を探っていた書評記者が忽然と姿を消した。父親が生きているとすれば埋葬されたのは誰か。やがて事件の背後に、汚職政治家と不老長寿の薬を研究する悪魔的天才医師の存在が浮かび上がる。


■レイ・ブラッドベリ『バビロン行きの夜行列車』
短編集。
どれも面白かったけど、詳しいことが思い出せない・・・。
タイトルが「中国行きのスロウ・ボート」みたいでは?関連はないと思うけど。


■レイ・ブラッドベリ『死ぬときはひとりぼっち』
ハードボイルド3部作その1。夜霧に沈む港町、廃業寸前のサーカスを舞台に、名匠の静かな叙情が冴え渡る幻想探偵小説。
『たんぽぽのお酒』というタイトルが気になってはいたがこの作家の作品は読んだことがなかった。SFはそれほど好きなジャンルではないせいもある(カート・ヴォネガットは例外)。
この本はSFでないようなので借りてみた。
ふうん。こういう作家だったのね。たいへんに叙情的。村上春樹を思い出させる。
好きな作家になるかも。


□レイ・ブラッドベリ『黄泉からの旅人』(その2)
□レイ・ブラッドベリ『さよなら、コンスタンス』(その3)
□レイ・ブラッドベリ『監視者』(中編集)
□レイ・ブラッドベリ『二人がここにいる不思議』(短編集)

■アントニイ・バークリー『最上階の殺人』
本作で助手して雇ったロジャー・シェリンガムには勿体ない女性の、コックニー訛での名演シーンが秀逸。

■アントニイ・バークリー『絹靴下殺人事件』
タイトル通りの事件がおこるんだけど、ストーリーの詳細は思い出せず。

■アントニイ・バークリー『レイトン・コートの謎』
ミステリ読みなら犯人は途中で目星がつくのでしょうが、私は最後までだまされました。最後までわくわくできて得したかも。

■アントニイ・バークリー「ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』
『・・・ヴェインの謎」というタイトルは語呂はいいけど落ち着かない。

□アントニイ・バークリー『第二の銃声』
□アントニイ・バークリー『地下室の殺人』
□アントニイ・バークリー『ウィッチフォード毒殺事件』
□アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』
□アントニイ・バークリー『ジャンピング・ジェニイ』

■ジョン・フランクリン・バーディン『死を呼ぶペルシュロン』『殺意のシナリオ』『悪魔に食われろ青尾蠅』
精神の暗黒部を探究した心理ミステリの傑作。
バーディンはアメリカの作家。1940年代のこの3作は先鋭的すぎてほとんど評価されなかったとか。今読んでも大変に面白い。特に『死を呼ぶペルシュロン』。『悪魔に食われろ青尾蠅』は少々もたついた感じがする。


■ピーター・アクロイド『切り裂き魔ゴーレム』
ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした犯罪小説。実在する人物を織り込んでいる。ジョージ・ギッシングがこんな人物だったとは。
当時のロンドンの風俗も面白い。


■ピーター・アクロイド『オスカー・ワイルドの遺言』
オスカー・ワイルドの日記という形をとった小説。サマセット・モーム賞受賞作。
ワイルド夫人の伝記を読んでいたので分かりやすかった。
返却期限が来てしまって、最後まで読んでいない。もう一度かりようかな。

■ピーター・アクロイド『魔の聖堂』
18世紀と現在、神と悪魔が交錯する戦慄のゴシック・ホラー。
面白かったけど、ストーリーがよく思い出せない・・・・。 『大聖堂の悪霊』とごっちゃになっている・・・。


■ピーター・アクロイド『原初の光』
イングランド南部の村の古代遺跡。その発掘中に発生する不可解な出来事とは?天文学者が追求する宇宙の生成は?
この作家の作品の中では最も読み通すのが苦痛だった。最後まで読んで、がっかりした記憶がある。けどストーリーが思い出せない・・・。

□ピーター・アクロイド『チャタトン偽書』

■G.K.チェスタトン『四人の申し分なき重罪人』
罪なき罪人達「誤解された男のクラブ」会員の身の上話という形をとった中編集。
面白い。ブラウン神父シリーズより読み応えがある。


■パーシヴァル・ワイルド『悪党どものお楽しみ 』
元プロの賭博師ビル・パームリーが腕利きいかさま師たちと対決、巧妙なトリックを次々にあばいていく。エラリイ・クイーンも絶賛したユニークな連作短篇集。

■パーシヴァル・ワイルド『探偵術教えます 』
探偵術の通信教育講座を受講しているお屋敷付き運転手のP・モーラン。彼が(講師の許可なく)探偵法を実践してしまうたびにはちゃめちゃな事態が巻き起こる。爆笑ユーモア・ミステリ連作集。
大変おもしろい。主人公が無欲の勝利で事件を解決していくところがよい。『悪党ども・・・』よりこちらが好き。このひとの作品をもっと読みたいものだ。
(1887‐1953。アメリカの劇作家・小説家)



□J.L.ボルヘス『架空の町』
□オスカー・ワイルド『植物』
□エリス・ピーターズ『修道士カドフェルシリーズ』




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+フランス文学

2006-06-16 | ■本・動画
■■フランス文学

■ダニエル・ペナック『人喰い鬼のお愉しみ 』『カービン銃の妖精』『散文売りの少女』
フランスでベストセラーとなったユーモア・ミステリ。
主人公マロセーヌとその弟妹、母、恋人、同僚が非常に個性的。かつ可愛らしい。
映画も小説も、フランスの(悲劇でない)作品ってどれも「けたたましい」雰囲気を持っている。何故かな?
登場人物がよく動いて、よくしゃべる。伏線がたくさんあって、全部ちゃんとオチがつく、といったところだろうか。
ふむ。ということはシリアス・ミステリは個々人の心理描写、心象風景などに重きが置かれているということか。
それにしても、パリのアラブ人街(マロセーヌの地元)に行って、おいしいクスクスを食べたい。


■ジャン・フランソワ・ルメール『恐怖病棟』
精神病院を舞台にしたサイコ・スリラー+本格ミステリ。
本当のお医者さんが書いた作品。新作が読みたいものだ。



■ピエール・ヴェリー『サンタクロース殺人事件』
フランス的どたばたユーモア・ミステリ。「プロスペール・ルピック弁護士シリーズ」の珠玉の一編だそうだ。
ネタばれになるけれど、3組のすりかえが出てくるのだが、どれもいまひとつ納得いかないなあ。
家内制手工業でおもちゃを作っている町が雪に閉ざされて・・・、という風景はとても絵になる。警察が雪で延々とたどりつけない、という部分はよかった。


■ケニーゼ・ムラト『皇女セルマの遺言(上・下)』
オスマントルコ帝国の最後の皇女の波乱の一生をその遺児が描いた歴史小説。
身勝手なお姫様に共感出来る部分はほとんどないが、トルコ(生家)およびインド(お嫁入り先)の王侯の暮らしの描写が興味深い。


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桑の実ジャム

2006-06-15 | +ジャム・ピール(果物系保存食)
6/12に摘んできた実を13日にジャムにしました。
今回は3バッチ作成。あとB級品をどんぶり1杯分。

1)6/13作(びん12個)
  桑の実、ブルーベリー、レモン汁、果糖
2)6/13作(びん8個)
  桑の実、ブルーベリー(多め)、いちご(茂木)、レモン汁、果糖
3)6/13作(びん9個)
  桑の実、ブルーベリー(少なめ)、いちご(茂木)、レモン汁、果糖
4)6/13作(びん4個)
  (B級品)つぶれた桑、レモン汁、砂糖
  
全部で29個できました。(B品は密閉しなかったので数に入れない)

昨年摘んで冷凍しておいたブルーベリー(100g100円強)がすっかりなくなった。冷凍庫が開いてすっきり!
冷凍いちごはまだ少々残っている。
ブルーベリーを1年近くおいておくのではなく、桑(6月)をブルーベリーの季節(7月)まで冷凍する、というのはどうかな?
でもジャムにするときには桑の比率の方が圧倒的に大きいから、例え短期間でももっとかさばるか。

6時に始めて終わったのが10時半くらい。
4時間半か。1バッチ1時間強。
広口ロートを買ったのがちょっと効率化につながっただろうか。
(今までは小さいレンゲでちまちますくい入れていた)

昨年は2リットル×3+B級品1リットルだったのだけれど、今年は去年より少ないかも。
1回目2リットル強、2・3回目1リットル強くらいだった。
全部で5リットルくらいかな?

なんか、去年より少ないというのがすごく悔しいぞ。
(労働力を考慮せず事業拡大しすぎて倒産する会社みたいだ)

もう1回摘みに行こうかなあ。
でも、消費も大変だしなあ。冷蔵庫にしまう場所もない。

今後の製造方針として、量より質の向上を追求する、というのはどうだろうか。
例えば、ぴかぴかの大粒の桑しか摘まない、とか。

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悔しい気分のせいか、もう少々摘んできてしまいました。
いつも行っている場所(下妻)ではなく、もっと近い場所に、かなり摘みやすい桑の木があることが分かりました。(6/15,16はそこで摘んだ)
ある場所でハシゴに登って摘んでいたら、「ハシゴに乗らなくてもいっぱい摘めるところがあるよ」と通りすがりのおばさんが教えてくれたのでした。大感謝!

5)6/14,15摘み、6/16作成(8個)
  桑の実、いちご(茂木)、(市販の)ブルーベリージャム
  (市販の)いちごジャム、果糖、国産レモン果汁
6)6/16午後摘み、6/17作成(14個)
  桑の実、いちご(茂木)、果糖、国産レモン果汁

 
1回目       2回目
 
3回目       5回目

     6回目
2006年作桑ジャム






新しい場所の桑の実は、何本も並んでいて、どれもそこそこ大粒で甘い!


こんなに大粒


でも今年は日照が少なくて雨が多いせいか、鈴なりになってはいるものの、樹の上でカビてしまっているものも多かったようです。
もっと早い時期に行けばもっといい実があったのかな。
カラスにもずいぶん食べられてしまったとか(別の通りすがりの人が話していた)。

来年はここだ!

ブルーベリーも、多めに在庫しておかなくては。
最後のジャムを煮るとき、250g400円ちょっと、という冷凍ブルーベリーを買おうか悩んで、なんだか高い気がして、結局手持ちのいちごで間に合わせたのだけれど、味的にはブルーベリーが欲しかったなあ。
(折角作るのだからコスト関係なしでおいしいものを作らなくては、ねえ)
ジャムを煮終わってから別のスーパーに行ったら、冷凍食品半額セールが。ショック。

もうすぐブルーベリーのシーズンなので、摘みに行って冷凍しておこう。
あ、でも摘んだ場合250g300円弱位だから、スーパーの半額セールの方が安いか・・・。しかも労力を考えると・・・。
がーん。いま気づいた・・・。
摘むべきか摘まざるべきか。むむう。


2006/6/17 摘みたて桑でマチェドニア


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そらまめあんでおはぎ

2006-06-14 | +お菓子(各国)
以前熊本で買った乾燥そらまめがまだある。
もうすぐ(もう?)生の空豆の季節。なのにここには乾燥空豆が。

乾燥とはいえソラマメはいたみやすいから早く使ったほうがいい、というのを聞いたことがあるにも関わらず使いそびれていたのだ。

皮が黒いそらまめ。
実はすでに虫に喰われている。
びんに入れておいたら羽化してきた虫が沢山。豆にはきれいな丸い穴があいている。

とりあえず、穴の開いた豆をよりわけてみる。


豆選別中



そしてふやかしてみる。
翌日軽くゆでて、皮が柔らかくなったところで試しにに皮をむいてみる。
なんと! 穴あきでない豆でもほとんどが虫食い・・・。
羽化してはいないものの卵を産み付けられていたようだ・・・・。

本来だったら豆がはじけるまで煮て中身を煮とろかし、皮は漉して取り除くのだろうけれど、虫食い豆を取り除くため、一個一個豆の皮をむいていった。
そして虫に食われていない豆(部分)を救出。

・・・・気が遠くなるほどの時間が経過・・・

7割方チェックして、使える部分を選り分ける。ここで時間切れ。
翌日、水を加えて柔らかくなるまで、ぐつぐつ、ぐつぐつ、(沈黙)、しゅ~・・・(こんがりいいにおい)・・・きゃー。焦げてる!

折角の豆が!
あわてて無事な部分を救出(えらく救出づいた豆だ)。
量も減ってしまったし(こんがりした香りを弱めるためにも)、以前煮て冷凍しておいた小豆を投入。空豆:小豆は1:2くらいかな。

普段はつぶあん派なのだけれど、今回はこしあんにしてみることにした。
といっても裏漉すのではなく、バー状ミキサーで粉砕。

空豆の粉っぽい感じのせいか、さらっとしておいしいこしあんになりました。
市販のこしあんは、小豆をさらしてしまっているので豆の味がほとんどしないが、こうやって作ると小豆らしい味がする。(空豆の味は私にはよくわからなかった)焦げ風味もほとんど分からなくなったし・・・。

無計画にあんこを作ったものの、どうしたものか?
ぜんざいを食べるには暑い気がしたのでおはぎに。
豆をゆでた日にふやかしておいたもち米2:白米1を、炊飯器で炊く(このとき水飴を大さじ1ほど入れたせいか、ごはんが固くなりにくかった気がする)。

ごはんで包むタイプのおはぎにしようと思って、ごはんをラップで包み、円盤状にのばしておく。もし翌日固くなっていたらこのままチンしようかと思って。
ここまででこの日はおしまい。

翌朝ごはんを調べたらまだやわらかかったので、あんことごはんの組み立て作業。
ごはんがぶ厚すぎて巨大なおはぎに!
ダンナサマにえらく評判が悪く、ごはん芯タイプに変更。


ごはんを芯に



折角のしておいたごはんを再度丸め直し、小さくちぎりなおしてあんこでくるむ。
なんと、あんこ芯タイプに比べると、3分の1のごはんで1個のおはぎができあがり。あんの量は勿論ごはん芯タイプの方が多い。

和菓子屋さんではどのタイプのおはぎも同じ値段だけれど、ごはん・あん比が違うのだから原価率もちがうのではなかろうか。(それともプロは同じ比率で両方作れるのかな)

あんこでごはんを包んでいたら、ダンナサマは空豆のにおいがする、だって。
びっくり。作っている私は、匂いも味も分からないなあ、と思っていたのに。



2006/6/10 おはぎできあがり

コメント (2)
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