ちょっと前ですが、ダイダイを加工しました。
ダイダイって、日本だとポン酢に使うとか、お正月のお飾りにするくらいしか用途がないように思われて、かなりマイナーな柑橘です。
でも、ほんの2.3年前に知ったのですが、イギリスのブランド品ママレードにある「セヴィルオレンジ」(ビターオレンジ)がこのダイダイに近い品種なのですって。
ずーっとセヴィルオレンジって何だろうなーと思っていましたが(ネーブルオレンジみたいな感じかなと)、フルーツとしては食べられない類のものだったとは。
中近東あたりでも、このオレンジの加工は盛んなようですが、イギリスでは特に柑橘はみな輸入品で貴重なので、フルーツとして食べるオレンジを加工してしまうのでは勿体ないのでこちらのママレードが発達したのかも?
イギリスではセヴィルオレンジはみんなママレード用かしらん。
それとも、酢的なもの(ドレッシング)としての用途もあるのかな。
セヴィルオレンジが何かと分かってから、洋書の保存食の本(アメリカや中近東)をみると、セヴィルこのオレンジに1項目割いてあります。
昔は気づかずに読み流していました。
日本でも、「ダイダイ(セヴィルオレンジ)」という名前売り出すと、ジャムづくり好きの人には売れるんじゃないかなー。
さてうちのダイダイ。お友達から頂いたものです。
(天子さん、楽子さん、ありがとうございました!)
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オレンジ色のもののほか、珍しいシマシマのものも。シマダイダイというのだそうです。
今回は、ママレード、ピールを同時に進めていきました。
ママレードは、表面に太い針で穴をあけ、まるごと茹でます。
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で、今回は、表面のツルツル部分を少し削ってみました。 この削った部分は、天日乾燥。お菓子やクッキー、料理などに使えます。 (中近東の保存食の本にあった)
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そのあと4等分にカット。
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果肉も袋もまとめて刻んでしまうという手もありますが、今回は、果肉は掻き出し、袋はむしって種と一緒に茹でてペクチンをとることにしました。 (袋のみ、圧力鍋で湯煎煮にしてみてもよかったなー。後から思いつきました)
「ママレードといえばウィスキーだよね☆」とダンナサマ。 「これをね☆」と。
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Ardbegというスコッチウィスキー。 これ、ものすごく正露丸ぽい風味なんですけど、いいのかしらん。(我々はこのウイスキー好きだけれど、おすそ分けするときに・・・) 一応、ちょっとだけママレードを取り出して数滴混ぜて味見してみて、いい感じだったので混ぜてみました。
半量はダイダイのみ、後半はショウガ入りにしてみました。
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お砂糖はグラニュー糖を使ったので、オレンジ色のきれいなママレードになりました。 (茶色いお砂糖を使うと、その風味もあってそれはそれで美味しくなります)
さてピール。 ピールの方は、最初に表面を削ります。
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この削った皮も天日乾燥。
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縦半割にして芯をとった状態にして、シトラスジューサーで果汁を絞ります。 この果汁は、半分強はピールを煮るための酸味に、残りはママレードに使いました。
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煮詰めるとき、毎年焦がしたりして苦労するので、今年はホットプレートの保温モードを使ってみました。 でも、ゼリー化していない糖度の足りない液体を、適当な低温で蒸発させ続けても、ゼリー化はしない! で、ゼリー化していないと、それを干してもカチカチになるばかり。 もっちりゼリー化していないとピールとはいえません・・・。
低温で乾燥させる方法は、思いつきとしては悪くはないようでしたが、ある程度ゼリー化してからがよさそうです。
この写真では表面テカテカして割といいように見えますが、裏返しにしたらこのゼリーはとけてしまって、結局液体がなくなるまで放置してもゼリー化しませんでした。 しまったー、と思いつつ、もう煮る液体は残っていないので、ひとまずそのまま、パックして冷凍。 使う際、瓶詰のシロップ入りピールのシロップを使って煮直すことにします。 パックには、「ゼリー化していない」と書いておきました。 (バターケーキに少量刻んで入れる分にはこのままでもいいかな?)
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あと、また別の話ですが、ヨーロッパの水や果物は日本のものよりカルシウム含有量が多くてしっかりゼリー化しやすいのでは?、と最近思っています。
果物は替えられないので、煮るときの水をミネラルウォーターの硬水にしてみたらどうなるだろう?
今シーズン、何かの果物でピールを作るならば試してみようと思っていたのですが、ダイダイ加工を始めたときはぽろりと忘れていました。
次の機会にはやってみよう。
普通のドラッグストアに海外製ミネラルウォーターって売ってましたっけ。