熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

久しぶりに見る春爛漫のわが庭

2010年03月17日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   二週間留守をして久しぶりに帰宅して、真っ先に入ったのは、わが庭。
   やや西に傾きかけた春のやわらかい陽を浴びて、木々が輝いていて感激であった。
   今年は、早く咲き始めていたと思っていた椿も、殆どの種類が咲いていて、宝珠咲きの崑崙黒も満開で、先の尖った黒光りのする花姿は、やはり優雅で、背丈も3メートル以上となり、黒椿の貫禄十分で、いつの間にか、主木の一部を占めるようになっている。

   もう一つ目立って優雅なのは、ピンクの羽衣に少し遅れて咲いている白羽衣で、茶花としてポピュラーな加茂本阿弥の凛とした美しさとは違った華やかさが、何ともいえない魅力なのだが、雨風にあうと美しい白衣に傷が付いて見苦しくなるのが、一寸、可哀想である。
   この花にも増して豪華なのは、花富貴。
   曙は、一重のピンクの大輪だが、この花富貴は、黄色い綺麗な蘂を桃色の肉厚の花弁に取り囲まれた抱え咲きの八重の大輪で、完全に咲いた花は、実に優雅で美しい。

   白桃赤の入り混じった複色椿で、今咲き乱れているのは、四海波と岩根絞と孔雀椿などで、四海波は、木が大きくなると、枝によって、全く違った花が咲くのが面白い。

   私が好きなのは、玉の浦で、濃紅地に白複輪あるラッパ咲きの中輪椿である。
   赤い椿の花の周りが真っ白な輪郭で覆われているのだが、その形よりも、比較的か細くて弱い枝を左右に広げて垂れ下がるのだが、花弁が優雅に垂れ下がった枝葉から頭を覗かせている姿が、実に優雅で絵になるのであり、夕日が当たった逆光の花姿などは、本当に美しい。
   ところで、この玉の浦が、海外で人気が高くて、複輪など色々とバラのように品種改良されて里帰りし、タマ何とかと言う名前で売り出されており、私の庭にも、タマグリッターズと言う名前の蘂があっちこっちから出てくるピンクの八重椿の鉢があるのだが、私には、どこが美しいのか、良く分からない。
   椿については、書けばキリがないので止めるが、庭木と鉢を合わせれば、20種類以上の花が、私の庭で春を謳歌している。

   草花で、今、咲いているのは、クロッカス、スノードロップ、水仙、ムスカリ、ハナニラと言った所で、チューリップ、ヒヤシンス、ゆり、アイリス、ラナンキュラスなどの草丈が、ぐんと伸びた感じで、チューリップやヒヤシンスは、もうすぐに、花が咲く。
   牡丹の芽が大きく動き始め、芍薬が、地面からピンクの芽を伸ばし始めた。

   私の庭に二本の八重咲きの枝垂れ梅があるのだが、メインの方の一本は、遠くから見れば、満開のような風情なのだが、花の盛りを過ぎて写真にはならない。
   ところが、日当たりの悪い方の一本は、私の帰りを待ってくれていた。
   枝によっては、まだ、蕾が残っていて、夫々の花のピンクのコントラストを感じさせてくれて面白いのである。
   下木の風情で花が咲いているのは、ヒイラギ南天、馬酔木、沈丁花。

   嬉しいことに、今年、見る機会のなかったジョウビタキが、私の庭を飛びまわっており、遠いシベリアへの旅立ちの挨拶に来てくれたのであろうか。
   オレンジがかった褐色の美しい胸を見せたスマートな姿が何とも云えないほど魅力的な小鳥なのだが、この秋、再び返ってきて元気な姿を見せて欲しいと思いながら、じっと見ていた。
コメント
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