熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

鎌倉便り・・・覚園寺から来迎寺へ

2015年11月17日 | 鎌倉・湘南日記
   鎌倉の紅葉は、11月末から12月初旬と言うことで、まだ、秋色を楽しむためには早いのだが、天気が良いので、先回、ミスっているので、覚園寺に出かけて、帰り道に、荏柄天神に立ち寄って、大イチョウの紅葉具合でも見てみようと思って出かけた。
   何時ものバスルートで、鎌倉山から鎌倉駅に出て、鎌倉宮に向かい、そこから歩いても10分の距離である。
   3~4時間で歩こうと言う私の鎌倉散歩スケジュールなので、行き先は限定されているのだが、回を重ねると、結構、あっちこっち歩ける。

   鎌倉山からのバス道は、鎌倉山さくら道を通るので、桜の季節には渋滞するし、大仏前や長谷観音を通過するので、時によっては、大変な時間がかかる。
   それに、鎌倉宮へのバスも、若宮大路を通って鶴岡八幡宮前を通過するので、鎌倉でのバスでの移動は、時間が読めないところが、面白いのかも知れない。
   起伏が結構激しくて大変なこともあるが、歩いてみて分かったのは、鎌倉は、結構小さな街で、大体、歩いてめぼしいところへは行けると言う事である。

   鎌倉宮へは、かなりの人だが、参拝客であろう。
   覚園寺へは、この境内を右横に見て、閑静な住宅街が続く谷戸を上って行く。
   山が迫っていて、陽に輝くと、木々のグラジュエーションが美しい。
   
   
   
   
   谷戸の奥に覚園寺があり、山門がみえる。
   門前は開放的で明るいのだが、奥に入ると、境内には、樹齢800年のイヌマキを筆頭に巨大な大木など樹木が多く、自然環境が良く保持されていて、正に、鬱蒼とした林間の山寺の雰囲気である。
   しかし、自由に入れるのは、廃寺となった近くの大楽寺から移築した愛染堂の前の庭までである。この堂には、本尊の木造愛染明王坐像、鉄造不動明王坐像、木造阿閦如来坐像が安置されている。
   参拝者は、1時間毎に定められた時間に、寺側の案内者の先導で、順路にしたがって拝観することになっていて、境内での写真撮影は一切禁止されている。
   この方式は、永井路子の「私のかまくら道」を読むと、何十年も前からのようで、その所為もあってか、境内は実に美しくて静寂で、俗世間から隔離されて束の間とは言え、宗教心を醸し出してくれる荘厳な雰囲気が良い。
   それに、塔頭の中に誘われて、重文などの仏像を間近に鑑賞できるのが有難い。

   寄棟造、茅葺き、方五間の足利尊氏ゆかりの禅宗様式の薬師堂(本堂)には、重要文化財の木造の薬師如来と日光・月光の三尊坐像、そして、木造十二神将立像が安置されている。
   ほかに、鞘阿弥陀像が安置されていて、川端康成が愛して通っていたと言う。
   素晴らしい仏像ばかりだが、私は、右側の脇侍像の日光菩薩のお顔の優しさ美しさに引かれて、見上げ続けていた。罰当たりながら、私の仏像鑑賞行脚は、美しいお顔の御仏を探し続けて来たと言うことのような気がする。
   境内には、メタセコイヤや銀杏などの巨木、それに、立派な楓の林などがあるので、もう、1~2週間すると、紅葉が、素晴らしく色づいて、荘厳されるのであろう。
   この覚園寺の背後から山間の天園ハイキングコースが続いていて建長寺まで抜けられると言うので、いつか北鎌倉への道を辿ってみたいと思っている。
   
   
   
   

   荏柄天神の900年だと言う大イチョウは、まだ、緑一色であった。
   この銀杏は、先に倒壊した鶴岡八幡宮の大イチョウと同じほどの古木だが、ほうき状のきれいな形ではなく、風雪に耐えてきたのか、大分変形しているけれど、紅葉した姿を、下から見上げると壮観であろう。
   
   
   
   

   境内にある河童絵のレリーフだが、横山隆一と手塚治の作品があった。
   この神社の境内には、万両、千両、百両、南天などの実が、情趣を醸し出している。
   前には気付かなかったのだが、重要文化財の社殿は、入った正面の拝殿ではなく、奥にある写真左側の建物である。
   
   
   
   
   
   
   
   

   来迎寺への途中に、源頼朝の墓がある。
   住宅街の学校や公園に面した山側の斜面にある質素な墓で、手前には白旗神社などあり、この辺りが、鎌倉幕府のゆかりの地なのであろう。
   手前の公園のイチョウだけが、少し色づいてきていた。
   
   
   
   
   
   

   来迎寺は、住宅街の奥の高台にあり、本堂と境内一面に墓所があるだけの簡素な寺院。
   開山は、一遍上人で、如意輪観音像は、頼朝の持仏堂にあったものだと言う。
   
   
   
   鎌倉駅まで歩くのも何なので、鶴岡八幡宮前から、大船に向かうバスに乗って帰途に就いた。
   このバスルートは、建長寺、明月院、北鎌倉経由で、観光には便利なのである。
   八幡宮前は、相変わらず大変な賑わいである。
   段葛の工事は、進んでいるようであった。
   
   
コメント
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