細やかな少数株主だが、人並みに株を持っているので、株主総会招集通知が送られてくる。
以前は、興味を持って、株主総会にも出て、このブログでも経営雑感を書いていたが、最近では、招集通知さえ見ないし、勿論、総会にも行かなくなった。
私も、一部上場企業の監査役を務めていたので、株主総会が何たるかは、曲がりなりにも知っているつもりだが、株主総会を取り巻く経営環境の大変化には驚いている。
今日の日経一面には、「株主提案、最多の32社 セコムなど 還元・統治改善求める」
株主は資本効率の改善や脱酸素への取り組みなどはば広く改善を迫る。機関投資家は、株主提案であっても内容次第で賛成投票を投じるようになっており、企業価値向上を巡る攻防が激しくなっている。テーマは資本効率だ。と言う。
一方、先行するアメリカでは、
「株主提案最高水準 両派が「乱発」米社総会、ESG是非争う」
企業に気候変動や人種格差などへの対応を求めるESG関連の提案が隆盛を極めて企業に経営改善を迫っていると思っていたら、今や、逆に、米国社会で広がる社会の価値観の対立「文化戦争」の流れが株主総会にも反映されて、「反ESG」の提案が出てきたと言うのである。
SEC委員長が交代して、株主提案のハードルを低くして、かっては、企業が社会的影響などが小さいと判断した提案については委任状から除外できたが、今年から基本的に企業は提出された提案を総べて株主の投票にかける必要がでた。乱発される株主提案に迫られる企業の「株主提案疲れ」が出ており、「提案の内容を審査し、対応を協議するなど、取締役会や経営陣は多くの時間とコストを費やすこととなる」と言うことである。
私が、株主総会を取り巻く経営環境の大変化だと言うのは、私が現役であった頃、すなわち、世紀末から21世紀初年頃にかけては、株主対策は、「総会屋対策」が、その殆どであった。と言うことである。
どんなに優秀な企業でも、叩けば埃が出ることもあれば、不祥事に見舞われることもあるのだが、そんな企業の弱点を論って、時には、あることないことお構いなしにスキャンダルをでっち上げて、株主総会を大混乱させる。ある大企業など、朝10時にスタートした総会が深夜になっても終らないこともあった。
普通は、脅し揺すり専門の総会屋が主体であったが、多少経営知識がありバランスシートの初歩くらい分かるインテリ(?)総会屋に荒らされると手が付けられない。私など、米国製MBAの知識で論破すればと思っても、そんな次元の話ではない。
それ以前は、事前に裏側で各企業とも総会屋対策を講じて収めていたが法制度が厳しくなり、金づるを絶たれたので、総会の場での熾烈な闘いとなった。
弁護士事務所や信託銀行のベテランの指導を仰いで、想定問答集を一生懸命勉強して、何度もリハーサルを続けた。
まったく、ナンセンスであった当時の総会対策を思えば、まだ、理論的にも正論であり納得のいく株主提案も出ており、今の方が、少し進歩したのではないかと思っている。
プロの高度な経営理論によって企業に迫る機関投資家などの存在は貴重であって、経営効率の向上に資すれば、社会の進歩発展にも繋がる。
以前は、興味を持って、株主総会にも出て、このブログでも経営雑感を書いていたが、最近では、招集通知さえ見ないし、勿論、総会にも行かなくなった。
私も、一部上場企業の監査役を務めていたので、株主総会が何たるかは、曲がりなりにも知っているつもりだが、株主総会を取り巻く経営環境の大変化には驚いている。
今日の日経一面には、「株主提案、最多の32社 セコムなど 還元・統治改善求める」
株主は資本効率の改善や脱酸素への取り組みなどはば広く改善を迫る。機関投資家は、株主提案であっても内容次第で賛成投票を投じるようになっており、企業価値向上を巡る攻防が激しくなっている。テーマは資本効率だ。と言う。
一方、先行するアメリカでは、
「株主提案最高水準 両派が「乱発」米社総会、ESG是非争う」
企業に気候変動や人種格差などへの対応を求めるESG関連の提案が隆盛を極めて企業に経営改善を迫っていると思っていたら、今や、逆に、米国社会で広がる社会の価値観の対立「文化戦争」の流れが株主総会にも反映されて、「反ESG」の提案が出てきたと言うのである。
SEC委員長が交代して、株主提案のハードルを低くして、かっては、企業が社会的影響などが小さいと判断した提案については委任状から除外できたが、今年から基本的に企業は提出された提案を総べて株主の投票にかける必要がでた。乱発される株主提案に迫られる企業の「株主提案疲れ」が出ており、「提案の内容を審査し、対応を協議するなど、取締役会や経営陣は多くの時間とコストを費やすこととなる」と言うことである。
私が、株主総会を取り巻く経営環境の大変化だと言うのは、私が現役であった頃、すなわち、世紀末から21世紀初年頃にかけては、株主対策は、「総会屋対策」が、その殆どであった。と言うことである。
どんなに優秀な企業でも、叩けば埃が出ることもあれば、不祥事に見舞われることもあるのだが、そんな企業の弱点を論って、時には、あることないことお構いなしにスキャンダルをでっち上げて、株主総会を大混乱させる。ある大企業など、朝10時にスタートした総会が深夜になっても終らないこともあった。
普通は、脅し揺すり専門の総会屋が主体であったが、多少経営知識がありバランスシートの初歩くらい分かるインテリ(?)総会屋に荒らされると手が付けられない。私など、米国製MBAの知識で論破すればと思っても、そんな次元の話ではない。
それ以前は、事前に裏側で各企業とも総会屋対策を講じて収めていたが法制度が厳しくなり、金づるを絶たれたので、総会の場での熾烈な闘いとなった。
弁護士事務所や信託銀行のベテランの指導を仰いで、想定問答集を一生懸命勉強して、何度もリハーサルを続けた。
まったく、ナンセンスであった当時の総会対策を思えば、まだ、理論的にも正論であり納得のいく株主提案も出ており、今の方が、少し進歩したのではないかと思っている。
プロの高度な経営理論によって企業に迫る機関投資家などの存在は貴重であって、経営効率の向上に資すれば、社会の進歩発展にも繋がる。