
毎年早秋に花が咲く西王母は、まだつぼみが固いのに、ピンクの獅子咲きの綺麗な椿の花が咲いた。
ネームカードをなくしてしまって、色々調べたが名前が分からないのが残念だが、紅荒獅子の仲間であろう。
私は、毎年最初に咲く椿の花を見ると、これから寒い冬を通して春を迎え初夏直前まで咲き続けるので、椿の栽培に力を入れ始めると、椿の季節と思ってあまり寒い冬を気にしなくなった。
木偏に春とは上手く作った漢字で、初秋から咲き始めて冬に耐え、春になると一挙に咲き乱れて初夏を迎えると花が消え、直ぐに新芽が萌え出でて新しい小枝に小さなつぼみを付ける。
今、しっかりした小さな蕾を沢山つけているが、黒椿は黒っぽく、白椿は何となく明るい色をした蕾であるのが面白い。
私の子供の頃、阪神間で見た椿は、殆ど、真っ赤な花弁に黄色い蘂の藪椿であった。
今では、門外不出だった椿や新種なども沢山出てきたりして園芸種が増え、それに、欧米で品種改良された椿が里帰りするなどして、色も形も多種多様で絢爛豪華になっている。
私の庭にも、自然に交配した椿の苗木があるので、案外新種かも知れない。
見慣れていた薮椿は、花が咲き始めると直ぐに花弁が落ちてしまうので、武士が嫌うのだと聞いてなるほどと思った記憶がある。
しかし、地面いっぱいに敷き詰めたような落ち椿は鮮やかで美しかった。
それに、薮椿の蜜は甘かった。
安達曈子さんは、父上が出会った「百椿図」絵巻を慕って、祝辞には紅白、お悔やみには白花の椿を選んで手紙や包みに添えて一輪贈るのだと言って、綺麗な漆塗りの文箱に添えて椿花が活けられていた。
贈る花は、三分から七分咲きで足元は水を含ませた脱脂綿を巻いて防水の上から慰斗包みにするのだと言う。
桧扇を器に見立てて挿した椿の優雅さ。扇の要の端下に小鉢を隠して足元に活けるのだと言うことだが、昔の趣味人の風雅さは、格別である。
安達さんの個展で、緑鮮やかな竹を割った花器に色とりどりの椿が活けられていたのを見たが、林や森の中では寂しい花だが、庭や路地に育てて、花の季節に短く摘んで数品種を籠に盛って間近に眺めると、目が覚めるほど華やぐと言っていたのが良く分かる。
京都の格式高い料亭や旅館のひっそりとした坪庭に咲く椿は実に優雅で美しい。
桧の湯船に満足したイギリスのアーキテクトが、日本酒を嗜みながら愛でた柊家の寒椿の鮮やかさが眼に浮かぶ。
椿を限りなく愛した麗しき花人はもう逝ってしまった。
ネームカードをなくしてしまって、色々調べたが名前が分からないのが残念だが、紅荒獅子の仲間であろう。
私は、毎年最初に咲く椿の花を見ると、これから寒い冬を通して春を迎え初夏直前まで咲き続けるので、椿の栽培に力を入れ始めると、椿の季節と思ってあまり寒い冬を気にしなくなった。
木偏に春とは上手く作った漢字で、初秋から咲き始めて冬に耐え、春になると一挙に咲き乱れて初夏を迎えると花が消え、直ぐに新芽が萌え出でて新しい小枝に小さなつぼみを付ける。
今、しっかりした小さな蕾を沢山つけているが、黒椿は黒っぽく、白椿は何となく明るい色をした蕾であるのが面白い。
私の子供の頃、阪神間で見た椿は、殆ど、真っ赤な花弁に黄色い蘂の藪椿であった。
今では、門外不出だった椿や新種なども沢山出てきたりして園芸種が増え、それに、欧米で品種改良された椿が里帰りするなどして、色も形も多種多様で絢爛豪華になっている。
私の庭にも、自然に交配した椿の苗木があるので、案外新種かも知れない。
見慣れていた薮椿は、花が咲き始めると直ぐに花弁が落ちてしまうので、武士が嫌うのだと聞いてなるほどと思った記憶がある。
しかし、地面いっぱいに敷き詰めたような落ち椿は鮮やかで美しかった。
それに、薮椿の蜜は甘かった。
安達曈子さんは、父上が出会った「百椿図」絵巻を慕って、祝辞には紅白、お悔やみには白花の椿を選んで手紙や包みに添えて一輪贈るのだと言って、綺麗な漆塗りの文箱に添えて椿花が活けられていた。
贈る花は、三分から七分咲きで足元は水を含ませた脱脂綿を巻いて防水の上から慰斗包みにするのだと言う。
桧扇を器に見立てて挿した椿の優雅さ。扇の要の端下に小鉢を隠して足元に活けるのだと言うことだが、昔の趣味人の風雅さは、格別である。
安達さんの個展で、緑鮮やかな竹を割った花器に色とりどりの椿が活けられていたのを見たが、林や森の中では寂しい花だが、庭や路地に育てて、花の季節に短く摘んで数品種を籠に盛って間近に眺めると、目が覚めるほど華やぐと言っていたのが良く分かる。
京都の格式高い料亭や旅館のひっそりとした坪庭に咲く椿は実に優雅で美しい。
桧の湯船に満足したイギリスのアーキテクトが、日本酒を嗜みながら愛でた柊家の寒椿の鮮やかさが眼に浮かぶ。
椿を限りなく愛した麗しき花人はもう逝ってしまった。