熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ベルリンの至宝展・・・そして、東京国立博物館

2005年04月30日 | 展覧会・展示会
   上野の東京国立博物館で、ベルリンの博物館島(旧東ベルリン)のコレクション「ベルリンの至宝展」が開かれている。第2次世界大戦で散逸したとは云え、やはりドイツで、久しぶりの大型展示会である。

   絵画は、やはり、ラファエロの「聖母子」、レンブラントの「天使と格闘するヤコブ」とウフィツィにある素晴らしいボッティチェリのヴィーナスの誕生の一部「ヴィーナス」であろうか。
   彫刻や浮彫り、壷・金銀器・陶器等の工芸、コインは、先史から近代、そして世界各地の幅広い作品が要領良く展示されていて興味深い。

   私の興味を引いたのは、前14世紀エジプトのアメンホテップ3世の妃のティイ王妃頭部。ほんの5~6センチ程の胡桃の木製の頭部だが、黒光りした彫りの深い如何にも精悍で聡明な容貌で、やや厚ぼったい唇に切れ長の鋭い眼光が印象的で、屈みこんで単眼鏡で下から見上げると更に特徴が際立つ。
   アメンホテップ4世の妃ネフェルトィティの優雅で優しい雰囲気と全く違う。同じベルリンのエジプト美術館にある彩色鮮やかなネフェルトィティ頭部像を何度見て何度カメラに収めたことか目に焼きついている。今回もネフェルトィティに似た頭部彫刻が展示されていたが、これは違う。
   もう一つ面白かったのは、クレオパトラの頭部彫刻。鼻はやや鷲鼻で高いが、男顔で冗談にも、才気煥発な美人とはどうしても思えない。
   兎に角、興味深い展示品が多く、新しい発見があり、愉しませて貰える。

   私は、ベルリンの壁が崩壊する前と後の2回これ等の博物館を訪れている。ブランデンブルグ門の背後には、フンボルト大学や国立オペラ劇場等も含めて文化・文明の香りがするものは東ベルリンにあった。
   ペルガモン博物館で、壮大なペルガモン大祭壇を仰ぎながら何時間も過ごした。今回ここから来ているのは、「ライオンの装飾煉瓦壁」他数点か。
   やはり東京博物館に来ているのは、ベルリンの博物館島の至宝の片鱗だけ、今回も、その博物館に行って実際に現地で鑑賞しなければと思った。

   (追記)東京国立博物館、他の常設展示も凄い。
○特別展覧 新指定国宝・重要文化財目録   
   平成17年に指定された新国宝・重要文化財が、新国宝の熊野速玉大社の大神像等4点を筆頭に相当数の重文が集められて展示されていて圧巻である。見る機会の少ない重文の考古資料や歴史資料も興味深い。
○国宝   国宝館には、雪舟の「秋冬山水図」
      鳥獣人物戯画巻 丁巻  有名な甲巻の鳥獣戯画と違った生活観溢れる戯画。
      重文の「麗子像」

   兎に角、歩くだけでも命の洗濯、それに、近年益々美しく便利になった上野文化村での余暇もまた楽しい。   
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