実は今、愛知県半田市では「ごんぎつね」や「手袋を買いに」で著名な、新美南吉の生誕100周年の記念行事が行われています。この記事を目にした子は、これをきっかけにして、この夏休み中に新美南吉の本を1冊読みましょう。きっと一生の記憶に残るはずです。私が日帰り弾丸ツアーで半田市に行った時の写真集がありますからクリックしてみてください。
「ごんぎつね」の故郷
さて、半田市にある新美南吉記念館の一室には「森信三」氏を紹介するスペースもあるのです。森信三氏は1896年(明治29年)9月23日 から 1992年(平成4年)11月21日)を生きた有名な哲学者であり教育者です。この方が「教育実践の再建三原則」として残した言葉があります。
「場を浄める」
「時を守る」
「礼を正す」
これ現実界における再建の三大原理にして、いかなる時・処にも当てはまるべし。
辰巳ジャンプもこの三原則を徹底していきます。
「場を浄める」
このことは昨日の記事に書きましたが、大切なことなので再掲載します。
【辰巳ジャンプトイレの伝統】
(1)辰巳ジャンプのメンバーは、子供も大人も体育館を使わせてもらうことに感謝し、体育館のトイレを使う前よりもきれいにして帰ることとする。
(2)強いチームや選手はトイレを必ずきれいに使うことを知っておくこと。
(3)「トイレの神様」という話があるが、辰巳ジャンプのメンバーはトイレをきれいにすることで、自分自身の心をピカピカ、キラキラ輝くものにすること。
(4)トイレをきれいにすることは、辰巳ジャンプが心がけている「3%成功法則」にピタリと当てはまる行動となる。(世の中で成功する人は全体の3%である。どんなことでもいいから、3%以内の人しかやっていない良いことに挑戦すること。良い習慣を身につけること。)
(5)このことはトイレだけに限らず、すべてに当てはまる。体育館もきれいにするし、自分の持ち物もきれいにする。家に帰ってもこのことは同じ。親に言われなくても「場を清める」こと。
「時を守る」
当然、練習開始時刻に遅れないようにします。練習中はキャプテンを中心に、時間を考えながら行動します。練習時間が少ないチームなので、1分1秒を大切にして、他チームの3倍濃い内容の練習をするつもりで努力します。さらに次のことを重要視しているのが辰巳ジャンプです。
森信三氏は、その著書の中で「人に見られていないところで、いかに真面目に努力できるかで、その人の価値が決まる」と主張しています。これは日頃から辰巳ジャンプで徹底してきた考え方です。練習時間ではないところで「時」を見つけて、バレーボールがうまくなるように人知れず努力をする。こういう姿の中に「自律の心」=「自分に厳しくできる心」を育んでいきたいと思っています。
「礼を正す」
辰巳ジャンプはあらゆる場面で礼を正していきたいです。先日、このような話を子供たちにしました。
「挨拶をしたり、礼儀正しくしたりすることをいつも教えている。ところが昨日、君たちが練習を終えて校庭から校外へ出ていく時に、校庭で練習をしているテニスの大人たちに何も挨拶できなかった。これは大きな間違いである。君たちは練習の合間で通路で休んでいる方々の前を、何も言わずに通っていった。そんなことをしてはいけない。人の前を通るときは、『前を失礼します』と言いながら、頭を下げて通らなくてはいけない。後ろを通る時にも同じだ。『後ろを通していただきます』と伝えて通るべきだ。練習の合間だから『お疲れ様です』と一言あってもよい。いつも人のことを考えて、挨拶をすることができる人間に成長していくのが辰巳ジャンプの子供だ。」
辰巳ジャンプの子供たちは、この3つとも素直に真面目に取り組んでいます。
そうそう、森信三氏は「真面目」ということについても論述しています。真面目とは「真の面目(めんぼく)」という意味を持たせたいという考え方です。なるほどそういう考え方は力になると私も思いました。何事も真面目に取り組める背筋の通った生き方ができる子は、「真の面目」が立っていることになります。
「面目」とは「世間や周囲に対する体面・立場・名誉。」「世間からの評価。」「おおもとになるもの。おきて。」という意味があります。真に世間からの評価を受けるような行動をしているかどうか。自分の行動が周りの人たちを勇気づけているのか。そういう人間として高みの中に、辰巳ジャンプの子供たちを進ませたいと考えています。