地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

重化学工業地帯の貨物 (3) 扇町駅

2005-05-23 20:07:20 | 貨物列車


 無機質でディープな工業地帯を行く貨物列車という点では、JR鶴見線も負けてはいません。いや、鶴見線は戦前「鶴見臨港鉄道 (つるりん)」という私鉄として開業し、戦時中に軍事物資や軍需工場工員輸送の見地から鉄道省 (→国鉄) に吸収されたという経緯がありますから、鶴見線こそ日本の工業地帯臨海鉄道の元祖だという見方もできますね (^^;)。
 そんな鶴見線の貨物列車も、昔はもっといろいろな種類を扱っていたようですが (例えば大川からの日清製粉ホッパ車)、最近はトラック輸送に押されて削減が続き、日常的に運行されているのは扇町からの石炭・化学薬品列車と、安善からの米軍用石油列車、そして週2回だけ大川に出入りする化学薬品列車だけになってしまいました (あとは、浜川崎構内扱いで、昭和駅横のヤードまで石油列車が一日数回)。貨物時刻表を見ると、本数も少ない……(T_T)。
 ただ、一旦入換を始めれば、いろいろ機関車の付け替えや押した引いたの繰り返しとなりますので、時刻表上では1本の列車に過ぎなくとも、結構見どころ満載です (^^;
 そんな鶴見線で、如何にも工業地帯らしい光景をバックに貨物シーンを楽しめる一番の名所といえるのは、やはり扇町駅でしょうか。特に、毎日午後2時に秩父セメントの工場との間を往復する石炭列車 (もはやJR唯一の石炭列車) が到着しますと、EF65とDE10による目まぐるしい入換が繰り広げられます。鶴見線の103系はついに最後の1編成を残すのみで絶滅寸前、最早乗ることも叶わない存在となってしまいましたが (号泣……)、貨物列車は今後も扇町を賑わせてくれることでしょう……。