去る6日、箱根登山が3月のダイヤ改正を発表し、その内容が昨日のK奈川新聞に掲載されていました。それによると、かねてから昼間は全て小田急の車両で運行されていた小田原~箱根湯本間の列車について、早朝・夜間も含めて全ての列車を小田急車に置き換え、箱根湯本で完全に系統分断するとのことです。もともとこの区間では、特に朝のラッシュともなれば、小田原行きの箱根登山車は相当混雑していて乗降にも時間がかかっている雰囲気だったのに対し、小田急車で来れば余裕の空き具合であるのが一目瞭然でしたので、ラッシュアワーにおける運用も全部小田急車になったとしても全くおかしくないな、と思っていたのですが、早朝・深夜も含めて大ナタを振るうとは……。
そこでさらに読み進めてみると、小田急車と箱根登山車では軌間と車体の大きさ・ステップの有無など全く異なるために生じていたバリアフリー推進上の困難を解消することも、今回の改正の大きな目的のようです。この区間で小田急車に乗る際には、今どき珍しくなりつつあるホームと車体床面との激しい(?)高低差をクリヤしなければいけませんので、確かに言われてみればその通りでした。したがって、湯本を境に大きく性格が変わる路線の現状に合わせて、起点から自社車両を走らせることにこだわるのをスッパリと止める、ということなのでしょう。
しかし何というか……毎年1~2回、箱根にある親の勤め先の保養所 (=温泉 ^^) に行く際に箱根登山に乗るのを幼少時以来心から楽しみにしていた私にとっては、これでまた一つ思い出深い風景がなくなって行くようで寂しいです (-_-)。特に小田原駅では、果たしてボックスシート車が待っているか、それとも白熱灯装備のモハ111~115 (全て廃車) が待っているか、というワクワク感から始まり (特に白熱灯でボックスシートのモハ111なら超大当たり ^^)、80‰区間に比べれば超余裕というノリで釣掛サウンドを響かせながら結構豪快に飛ばして行くのを堪能するという楽しみがありました。それは言うまでもなく、80年代中頃まで小田急の箱根湯本直通車だった2400形では全然味わえないもので、「箱根湯本までは小田急が先に来るから」と言われたときには「せっかく箱根に来たのにぃ……」と泣きたい気分でした (あくまでガ●の頃の発想。今では「何で2400を1枚も撮っておかなかったんだろう、と激しく後悔 ^^;)。実際、40‰勾配と急カーブの連続ゆえに恐る恐る走る小田急車と比べると、箱根登山車の所要時間は微妙に短いような……。
そんな登山電車の風景も、残りあと1ヶ月少々。名物の三線レールも、保守コストを下げるべく、いずれ小田原~入生田間は撤去されるのでしょう。113系と箱根登山の旧型車という、私の鉄道趣味の原点にある大事なものが二つ同時に小田原駅から消えて行く3月になりそうです……。
しかしこれで沿線には名残乗車&撮影の大群が降って湧きそう (-_-)。昨年ふと思い立って撮りためておいて本当に良かった……と思っております。