3月の東武新ダイヤによって、館林地区のローカル運用のほとんどが8000系の3両バージョンである800・850系のワンマン電車になりますが、これは全国レベルで見ても釣掛式電車最後の牙城の一つが一気に大崩落することを意味しますので、釣掛式電車党にとっては悲しむべき大打撃となります……。特に東武5000シリーズ (ついに残るは5050系のみ) は、7800系譲りの大出力モーター、それにまさに鉄の塊という言葉がふさわしいFS10台車を装備し、釣掛式電車の良き時代を今に伝える貴重な存在でした。
その5050系が、ダイヤ改正よりも1ヶ月早く、佐野線の運用から撤退することになりました……(T_T)。一応前々から、これといった大きな用事がなかった昨17日を休みにして、残り時間僅かになった館林ローカルの5050系を訪ねて回ろうという予定を立てていたのですが、直前になってネットで見かけたところによると、新ダイヤをちょうど1ヶ月後に控えた今日18日から、佐野線の5050系運用を800・850系に置き換えるという情報が……! そこで、永らく続いた佐野線の釣掛式電車時代のまさに最期の一日を見届けるという偶然が重なり、「もう後はない」という緊張とともに訪ねたのでした (※実際には、出入庫の関係で今日の昼間までは運用に入っているようです)。
↑この画像は、葛生の一つ手前・多田にて。かつての石灰石・セメント輸送華やかなりし頃をしのばせる広い駅構内も今では中線が撤去され、昼間につき誰も乗客がいない下りホームに、これまた本当にガラ空きの5158Fが低く重々しい唸りと共にゆっくりと到着する……という光景は、永い間通勤輸送の第一線を担って走り続けた7800→5000系の時代の終焉を心から感じさせるものでした。余りにも明るくまぶしい日射しと、去りゆく者が漂わせる哀感との落差も余りにも大きく、いっそう胸に迫るものがあります……(t_t)。
こうして5050系が消えていった佐野線、一応東武側の予告では最終日ということで、恐らくかなりの撮り鉄で混み合うのだろう……と思いきや、意外や意外、私が訪れた午前中は他に撮り鉄・乗り鉄を全く見かけませんでした。まあ、野田線5070系のときとは違って、このように静かな最後こそ、地味な役回りに徹した7800→5000系列にはふさわしいのかも知れず、そんなひとときに巡り会い、たった一人別れを惜しむことが出来たのは幸せでした。