たしか2or3年前に運行されはじめて以来、秩父路に梅雨明けの季節を告げる夏の風物詩となりつつある「秩父川瀬祭号」……この列車は、秩父鉄道が一年に一度だけ世に放つ「汽車」ならぬ「奇車」だと言えましょう (笑)! 何故なら、この列車は総パン上げをしたELのn重連が、パレオエクスプレス用の12系を牽引するという、とてつもない列車だからです。昨年までは4重連で、これだけでもビックリものでしたが、今年の運行は何と……5重連! 何と客車の数よりもELの方が多い! 本来でしたら、積車のヲキ20両を単機でラクラクと牽引出来る秩父のELのこと、客車4両を単機で牽引することすら全く大したことではないはずです。それでも、ふだんは世間的にSLの方が目立っている (?) 中、そこを敢えて5重連にして、地元の (夜祭に比べれば圧倒的に知名度が低い) 祭りを盛り上げつつ「EL王国秩父ここにあり!」と誇示することが秩父鉄道の狙いなのでしょう (貨物列車減少でELが余り気味だから可能だとも言えますが……-_-)。そこで、かねてから撮ってみたかったこの重連、平日休みが重なりましたので、ちょっと出かけてみました (^O^)。
この日の朝は、やや出遅れて八高線と西武秩父線経由で秩父へ直行。深い緑に霧が立ち上る奥武蔵の情景を、西武4000系のボックスシートに揺られて眺めるのは、うーん贅沢! そのうち西武4000系もまったりと撮影しなければいけません (^^
そんなこんなで西武秩父から御花畑へ向かい、さらに1000系に揺られていますと、さすが「奇車」の運行だけあって、平日にもかかわらず沿線には撮り鉄が多数! そこで、最初から狙いを定めていた大野原が既に人でいっぱいなのでは……と不安がよぎりましたが、幸いにして僅少! 何度もホイッスルを響かせたのち姿を現したパンタ10個編成に「どひゃー!!」と思いつつも、超低速で進入してくれたおかげで連写しまくり! それでも、日章旗がベストな雰囲気となったのは1枚だけでした (1枚目の画像)。
その後秩父で機回しや12系の留置シーンを撮影したのち (12系が秩父に留置されるのは滅多にないことです)、上りは黒谷で撮影しました。余りにも天気が悪く (ISO400でやっと1/250秒・f7.1)、前照灯が強烈な分だけ円状のゴーストが出まくっていますが (号泣)、まあカーブを行く雰囲気はじゅうぶんに出ているので良し、という感じです (なお、黒谷駅南側の簡易踏切には「何でこんな撮りにくいインカーブで撮ってるの?」としか思えない撮り鉄が1名おりましたが、レタッチで消しております -o-;)。
いやーそれにしても、こうして画像を眺めていてもパンタ10個ズラリシーンは夢に出てうなされそうですな (^^;)。鳴らしまくっていたホイッスル、そしてこの列車に遭遇した学校帰りの女子高生たちの「何これマジー?! (そのあとすかさずケータイ写真。笑)」という嬌声とともに、強烈な印象が残る列車でありました……。