地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第六ジャカルタ炎鉄録 (4) KFW

2014-11-29 07:00:00 | インドネシアの鉄道


 この夏のインドネシア遠征にあたって撮影したネタのアップがしばらく途切れてしまいましたが、いろいろ仕事や別の野暮用で忙しく、レタッチや駄文書きをするヒマがなかなかなかったということで御容赦願います。そして、その間にまぁ、ホント様々な濃いぃ話題がインドネシアから飛び込んで来るというものです。
 まず、先日の『じゃかるた新聞』では、散々造る造ると言いつつ先延ばしとなっていたスカルノハッタ空港鉄道がついに着工となり、しかも既に分かっていたタンゲラン方面への線路だけでなく(タンゲランの手前でタンゲラン線に直通。これが一番早く完成するでしょう)、空港から東進してプルイットに至り、さらにアンケかドゥリあたりで環状線に合流する本格的な新線も造るとは! さらに、最近民用空港としての再供用が始まったハリム空港にも新線を延ばし、スカルノハッタ~ドゥリ~マンガライ~ハリムというルートで空港特急を走らせるとな?! 
 一方、去る水曜日のNHK BS夜10時の『国際報道』では、ジャカルタのエキナカ事業が急成長する陰で、UI駅をはじめ各駅に存在した伝統的な商店が無理矢理追放され、UIの学生さんの支援を受けながら商店主が救済を求める……という話題が、実際の打ち壊しシーンやら日本中古電車の大写しやらを伴いつつ、それなりにたっぷりと (?) 流されておりました。エキナカ問題もあって駅構内での撮り鉄がしづらくなったというのに、NHKはダークな面も含めてたっぷりと報道出来ているということは……やはりKCJ・KAIとしては「既に勝ったも同然」という立場で、さらに日本の視聴者に向けて「JRE的なサービスを目指すKCJ・KAIをどうぞよろしく!」とアピールする目的があるのでしょうなぁ……。



 というわけで、そんなジャカルタの電車シーンでは、圧倒的に日本中古冷房車が幅を効かせる一方で、ドイツの融資を受けてINKA社が製造したKFWが昨年来活躍を始めたわけですが、8月の遠征から帰国したのち、いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログを通じて飛び込んで来たブッ飛びの情報は……KFWとHolec AC (次回扱い予定) が全車離脱し、ジャカルタが完全日本中古冷房車ワールドになったとな?! もちろん仮説として、今後中部ジャワにおける冷房電車サービス開始に備えたもの云々……ということもすぐに思い浮かぶのですが、やはりKFWは「行く行くは電車も国産化したい」というインドネシア運輸省の思惑の産物であるといわれるだけに、そう簡単に全車離脱するというのも不可思議な話だ……と思ったものでした。しかもこの電車、運用入りまでは散々試運転と微調整の繰り返しであり、「ダメだこりゃ」という印象も無きにしもあらずでしたが、昨年落花生。様とご一緒してタンゲラン線で初めて乗った際の印象は、フツーに走れば極めて快適な電車であり、デザインもインドネシアらしい遊びゴコロとスタンダードさを組み合わせたもので好ましい(少なくとも、あざといデザインで諸国の都市鉄道を食い荒らしたウリナラ・ロテム車両よりは全然好き♪→個人的には、長い目で見て日本の商売敵になる中国製車両の方が、デザイン的にはロテムよりも百倍マシだと思う……って、どんどん脱線しまくりなので以下略)というものであっただけに、何だか残念な気分も……。
 と思ったら、結局は制御機器関連のバグを修正するための一時離脱だったようで、日本車に混じってたまに来るスパイスとしてのKFWの復活をまったり祝いたいと思います♪ それにまぁそもそも、KAIも空港特急用の車両としては出来れば国産車を走らせたいでしょうから、ここでKFWを完全に失敗作にするわけには行かないのではないかと……(KAI社長改め運輸大臣となった城南氏がJRE大好き人間と伝えられる中、E259のインドネシア版を日本から輸入する可能性もありそうですが ^^;)。