地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第八ジャカルタ炎鉄録 (42) メトロ05-104F

2018-03-13 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 インフラ建設の加速によって次期大統領選での二選を狙うジョコウィ政権にとって、KCICの空回りが余りにも明らかな中、ジャカルタの交通渋滞緩和に明確な効果をもたらす数少ない成果ととして、地下鉄MRTJはこれから大々的に喧伝されてゆくことになりそうですが、そんなMRTJはこのたび車両が日車で落成し、なかなか美しく乗ってみたくなるデザインが眼を惹きます。そして、MRTJ車両の第1・2編成が豊橋港へ送られるシーンを、いつもお世話になっております『西船junctionどっと混む』様が、渾身の中の渾身という感じでレポートされています。既にご覧になった方も多いでしょうが、まだの方は是非、インドネシアの電車史における歴史的な一瞬をアツく切り取った画像の数々をどうぞ!



 それにしてもMRTJの電車、日本の官民がアジア諸国の都市鉄道向けに描いた規格「STRASYA」に従った仕様となっているとのことですが、前回約20年前にインドネシアに輸出された電車であるHITACHIと比べますと、本当に隔世の感があります。20年間を隔てたこのデザイン面での洗練こそ、インドネシア、そしてアジアの経済発展の何たるかを雄弁に物語るようです。 
 なお、車番はインドネシア運輸省が定めた共通の付番ルールに従っているのが面白いところです。すると、当面KCIが導入する次期増備車は武蔵野線205系が内定しているようですが、このあと仮に完全に新造車増備へと移行し、KCIもMRTJの車両に興味を抱くとなりますと (1067mm/直流1500Vは共通)、ひょっとするとMRTJとKCIの車両が並行して増備された際、全く入り乱れた付番になる可能性もあるのでしょうか?
 しかしまぁ、MRTJの新車がここまで見映えしますと、KCIの日本中古車で最もモダンなスタイルと思われるメトロ05系の存在が霞むように思えるのは私だけでしょうか。しかも性能的にはチョッパ制御ということで、KCIでますます増え行くVVVF車と比べて見劣りすることになります。というわけで、いずれはメトロ05系の置き換え用として、新造車またはメトロ7000系VVVF車が入ることになるのでしょうが、個人的にはメトロ8000系を是非……(←要するに言いたいことはこれだけ。椅子に何が何でも7人座らせるためのポールが完備されて以来、メトロ8000に当たると苦痛で苦痛で……)。