地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

北京の秘境炭鉱鉄道 (5) 門頭溝駅に戻る

2005-12-23 14:41:30 | 中国の鉄道


 強烈な北風に包まれた極寒の終着駅・木城澗を9:16に発車した列車は、下りも変わらずノロノロ運転で進んで行きます。しかし往路との一番の違いは、南側の高い山の上から太陽が顔を出し始め、冷え冷えとした車内も少しづつ暖まって来たことでしょうか。そして私は、デジ一眼を出して駅や車内をウロウロしていたために、すっかり復路の車内の人気者 (?) になってしまいました (爆)。オッチャンに煙草を勧められたり (私は煙草はやりませんが、途上国では一般的に、初対面の人にイキナリ煙草を勧める行為は警戒感のなさと親愛の情の現れですので、絶対に断れないのがツラいところ @_@)、車掌オバチャンに「あれま~こんなしょうもない田舎列車もいつの間にか国際列車ねぇ!」と茶化されたり (^^;)、さらには「お前本当は新華社 (中国の国営通信社) の記者じゃないのか?」「最近の北京と中国の印象について詳しく語ってくれい」などなど……のんびり車窓を眺めるどころではありません (^^;
 とは言いつつも、途中から客が次々に乗ってきて、車掌は切符の販売に追われ、ヒマなオッサンは別のところで始まった賭けトランプ見物に移行したため、私は取り敢えず質問攻めから解放され (^^;)、のんびりと移ろいゆく絶景に集中することが出来たのでした (^^
 そして10:45頃、列車は再び門頭溝の街に戻って来ました。朝7時半の冷え切った空気がウソのようにカラッと晴れた空の下、客車から降りた買い物客がゾロゾロと出口に向かっておりますが、他の中国国鉄との大きな違いは、所詮近郊列車なので誰も巨大な荷物を抱えていないことでしょうか (^^;)。とにかく、中国の鉄道の旅ではなかなか味わえないまったりのんびりムードです。一部の客は、正しい出口から出るのではなくヤードを勝手に横断して、画面左側の街の中へと消えて行きました (誰も咎めないのがまた中国らしいというか……^^;)。



 ただ私はそこまでチャレンジャーではないので (^^;)、取り敢えず駅の北側にある踏切からヤードの光景を撮ろうと思い移動したところ……ちょうど折良く貨車の入換が始まりました (^^)。入換用DLと無蓋車の組み合わせというのは、中国では最もありふれた鉄道風景であり、別にこれといって面白みはないのかも知れませんが、まあ折角の機会なので何カットか撮影することによって、石炭輸送路線・京門線を訪問したひとつの記念としました。
 しかし……最後の最後にとんでもないおまけが……。このカットを撮影し、満足感にひたりながら望遠ズームを標準ズームに交換し、レンズを「カチッ」と回し終えた瞬間、「ドドォーン!」という大音声とともに砂利石が顔面に叩きつけるように飛んできました。気が付くと……目の前の店が爆発して真っ黒焦げ (汗)。もし怪我でもしたり、デジ一眼のミラーボックス内に大量のゴミでも入ろうものなら一大事でしたので、「とりあえず自分には何も起こらないで良かった……他の通行人にも怪我はないようだし、小さな爆発だったようだ。カメラとレンズも防塵仕様だから関係ないし、終わり良ければ全て良しだ!」ということでホッと一息。そこでタクシーを拾い、宿に戻った上で荷物を回収し、北京空港に向かったのでした。
 思えば、タクシーを飛ばして辛うじて駅の場所を発見し、列車にも間に合ったことから始まって、突然の爆発事故にも無傷で飛行機の時間にも間に合ったことに至るまで、全てが最高に偶然の連続だったのかも知れません (^^;;;

 というわけで、外国 (特に最近何かと問題な国) の最高にディープなローカル線の旅におつきあい頂きましてありがとうございました。m(_ _)m

秋の頂き物 (3) ぱれっとさんのバス探訪・高知編

2005-12-21 12:16:55 | 頂き物画像


 名鉄美濃町線から土佐電気鉄道 (以下土電と略) へ奇跡の移籍を果たした590形が、先日堂々デビューしたようです! しかも、塗装は名鉄時代そのまま! 複数のHPやブログで扱われている当日の模様を見ておりますと、実にのんびり和気藹々とした雰囲気の中で新天地での活躍の始まりを祝うという雰囲気が伝わってきまして、改めて未訪問の土電に行きたい!という思いが募ってきました (^^)。
 そんな土電は同時に、路線バス趣味の世界では懐かしいモノコックバスの宝庫としてつとに有名だそうで、普段はせいぜい地方都市で古いバスがやって来れば大喜びしているだけの私 (→詳しいバスの形式名は何も分かりません ^^;) でも、路面電車とともにこれも目当てに訪れてみたいものだと思っておりました。
 しかし、その土電バスもついに激変が迫っているそうで……そんな中、うどん県ご在住でいつもお世話になっているぱれっとさんが急遽ガラガラの特急「しまんと」に乗って高知を訪問され、感激モノのバス画像を頂きましたので、その中からいくつかご紹介してみます~!
 まずは↑こちら。この手の前面スタイルのバスは以前あちこちで当たり前のように目にしたものですが、だいぶ減ってしまいましたね……。特に、窓が小さい折り戸 (中扉も!) の雰囲気がたまりません (^^)。
 こんなバスに乗って小さな港町や、山奥にひっそりとたたずむ隠れ里に行ってみることを想像するだけでワクワクします。が……これらのモノコックバスは、主に高知近郊の朝夕のラッシュアワーに使用されており、昼間や休日は入庫していることが多いようです (-_-)。ただ、その分車庫では大量に目撃できるとのことで、大量出庫と大量入庫のどちらが良いかは微妙な問題ですね (^^;

 大都市での排ガス規制やバリアフリー化の結果玉突きで地方に移ったバスによって、これらモノコックバスの淘汰のスピードは今後ますます加速するのでしょうが (沖縄は東陽バスの馬天営業所を残して壊滅状態だそうですし……)、最後の輝きをこうしてネットを介して目にすることが出来るだけでも本当に貴重なことだと思います。(J●Bから出た昭和30年代バス風景カラー写真の豪華本、是非欲しいのですが、これの昭和40~50年代バージョンなども出てくれれば……^^;)
 というわけで、ご投稿どうもありがとうございました~! m(_ _)m

【おことわり】これらの画像はぱれっとさんが車庫の許可を取って撮影されたものです。これらの画像を見て無断で車庫に立ち入ることはお止め下さい。

瀬戸線オリジナル電車の危機

2005-12-19 12:19:07 | 都市民鉄 (中京圏)


 名鉄ファンには見逃せない内容がてんこ盛りのRP誌名鉄特集がついに刊行されましたが、先週末これの早売りを神保町で購入してパラパラめくってみますと、岐阜600Vや非電化区間の廃線などを中心に、近年如何に名鉄の車種が減ったかを痛感させられます。特に、手許にある86年のRP誌名鉄特集増刊と見比べてみると一目瞭然! 表紙がパノラマDXから青い2000系へと移り変わったのは名鉄をめぐる環境の激変を何よりも物語っているかのようです……。
 そして近いうちにまた新たな大変化が瀬戸線で起こることが発覚! 57頁にて、2007年度に完成予定の尾張旭検車区には塗装設備を設けないため、瀬戸線の全車をステンレスカーに置き換えるという記事がありました……。このうち、6000系は本線系に戻して7000系を廃車にするそうなのですが (T_T)、瀬戸線にしかない車両は今後どうなるのかという点には触れられておらず、極めて貴重な釣掛式電車・6750系 (↑) の命運は恐らくこれで尽きるものと思われます (ToT)。既に、6750系と同じくAL3850・3900系の車体更新車として小牧線や築港線で使われていた先代3300系が車齢15年ほどであっけなく廃車になってしまったことを考えれば、名鉄が6750系の今後の使い道に恋々とするとは到底思えませんので……。華やかな名古屋の中心・栄町駅の地下ホームにものすごい反響音を響かせながら釣掛式電車が発車して行くという、現代の奇跡そのものなシーンを味わうのであれば、まさに今のうちだと思われます。

 いっぽう、抵抗制御・カルダン駆動の瀬戸線専用車6600系は果たしてどうなるでしょうか。2両固定編成であることから、ワンマン改造などを経て、窓が小さくずんぐりとした車体を本線系でも楽しむことが出来るのか、それとも地方私鉄に転属するのにもってこいなスペックを生かして、富山地鉄かえちぜん鉄道、はたまた長野電鉄や大井川鉄道 (そして大穴として琴電) あたりに引っ越すのか……といういろいろな妄想が湧いてくるのですが (^^;)、如何せんクーラーが7000系のお下がりで古いことから、余り先行きが長くなさそうなのも否めません。それでも、ありふれた多数派6000系に比べれば非常に個性的な電車ですので、出来れば生き延びて欲しいものだと思っています。

北京の秘境炭鉱鉄道 (4) 終点・木城澗駅

2005-12-18 11:02:43 | 中国の鉄道


 北京西部の山峡奥深く分け入った小火車は、沿線最大の駅・大台を発車して石炭出荷施設のベルトコンベアの下をくぐって行きますと、いよいよ終点の木城澗 (Muchengjian ムーチョンジエン) へ向かってさらなる急勾配を登って行きます。その遅さたるや、4kmの距離 (96年版全国時刻表まで掲載されていたものによる) を走るのに15~6分! そしていよいよ険しい峰々が折り重なるように連なり、谷は深くなって行きますが、そこに広がるのは一層ディープな1960年代 (?) ワールド。新緑の季節は時間が止まった桃源郷のような夢の景色が広がるのかも知れませんし、逆にこれからの季節に雪が降ったらそれこそこの世の果てのような雰囲気になるのかも知れません。極寒の北○鮮潜入映像を思い出すような……そんな感じです (^^;)。
 そんな景色に圧倒されている間に、午前9時、列車はダラダラと減速して木城澗駅に到着しました。ここは、北京南からの直通列車が走っていた頃の名残で長いホームを持ち、石炭列車にも対応する長~い機回し線も持っていますが、当然客車1両の編成では持て余し状態です。
 さっそく駅構内で激写を開始したところ、私の姿に気付いた若い駅員が近づいてきて「こんにちは。旅行でお越しですか? ここはご覧の通り炭鉱施設しかないもので、外へ出るのはオススメできないんですけど……え? もうこの列車に乗ってお帰りで? なら良かった」と宣って再び事務室へ戻ってしまいました。中国のこの手の場所であちらから「ニーハオ」と言って近づいて来て、ミョーに丁重な物腰で話しかけてくるというのは普通まずあり得ないことなので (^^;;)「ななな何事だ!」と思ったのですが、首からぶら下げたデジ一眼、それに出張鉄の都合上着ていたスーツ+黒い革靴という私のカッコを目にして「高級幹部か記者か何かに違いないので失礼のないようにしなければ……(汗)」と思ったのかも知れません (^^;;)。
 それはさておき、ホームは事実上生活道路も同然で、ヤマから帰ってきた鉱夫のオッチャンたちが真っ黒な顔と手で「お前さんのカメラすごいねぇ~。いくら? ○元! うへぇ高い!」と言いながら私のカメラに触って楽しんでおりました (まあどうせカメラは屋外で使って汚れるためにあると思っていますので、良いのですけど)。
 彼らは如何にも暖かそうな服装をしているのですが、私は手袋を持って来るのを忘れましたので、とにかく寒さがツラい! 北京市内の最低気温が零下10度……ということは、山岳地帯では零下10数度以下なわけで、さらに北風が激しく吹いていましたので体感温度は零下30度近い状態でした。カメラを握る手は瞬く間に感覚を失って行き、機回し中のDLと客車が並ぶ決定的シーン (↑) を撮るときにはほぼ指先の感覚がなく、ただ力任せにシャッターボタンに圧力をかけるという感じでした (いや~凍傷寸前でアブナイ ^^;)。



 機回し線を通過したDLはいったん上り本線に入ったあと、ゆっくりと接近して客車と連結、いよいよ門頭溝への帰り支度が整いました。到着後この間約10分。いや~とにかく寒かった……。買ったばかりの手ぶれ補正レンズでなければ、手が凍えきって震えまくり、もう絶対失敗作になっていたと思います (@o@)。そして、大急ぎで客車内に戻ったところ、あれほど冷凍庫のようだと思っていた車内が安らぎの花園のように思えてくるから不思議です (^^;)。
 一応、すぐ後ろに見える施設が木城澗の貯炭施設で、画像からは分かりませんがこの中にも2本の線路が引き込まれています。そして、時折ホッパービンが開いて貨車に石炭を落とし込むごとに「ザザーッ」という音がして、黄色と灰色を混ぜたような塵がモウモウと舞い上がります (画面左上にうっすらと見えてます)。そういうときは風下にいないのが無難かも知れません。
 何はともあれ、実は生まれて初めて現役で出炭している炭鉱の鉄道に乗った私にとって、この木城澗までの道中は新鮮な発見……というか懐古趣味的なオドロキの連続でした。将来も北京に一番近い産業遺産鉄道として客扱いを続けてくれればなぁ……と思いつつ、小さなヤマの駅を後にしたのでした。

東武&東急ダイヤ改正発表!

2005-12-16 20:09:44 | 大手民鉄 (東武)


 かねてからどのような全貌になるのか並々ならぬ注目を集めていた東武の来春のダイヤ改正ですが、ついに先刻正式に発表されましたね~! 詳しくは公式HPのPDFファイルをご覧頂くことにしまして……個人的にはやはり、先月も書きました通り快速の激減・区間快速化が最大の衝撃です。日光・会津方面へ行くときにかねてから愛用している浅草6時20分発の列車は幸いにして快速のままですが (この列車、浅草発車時はガラガラですので本当に利用価値大なのです ^^)、午後~夜の帰りは軒並み区間快速になってしまい、30分以上余計にかかることが発覚! それならもう大人しく特急料金払って、鬼怒川から特急に乗りますです……。疲れた帰りに時間がかかるのはツラいので……(-_-)。
 それはさておき、準急という種別は完全半直化されるのに伴い、↑こういうシーンを目に出来るのもあと3ヶ月ほどですね。特に10000系の6連6パン編成を中心に、出来るだけ記録に励んだ方が良さそうです。特急に格上げされる「ゆのさと」も、定期列車は全廃のようで……浅草駅はだいぶ車種や行先が減って、凋落がいよいよ露わですね……。
 あと、半直の館林行は今回実現しなかったのが少々残念です (^^;)。

 いっぽう、田園都市線のダイヤ改正ニュースリリースでは、土曜休日の全急行南町田停車という記事に「何じゃそりゃ~!」と思わず唖然としてしまったのですが (中央林間ユーザーとしては、モーターが火を噴くのではないかと思うほど猛スピードで8500系がつきみ野~つくし野間を通過して行くのがたまらない快感だというのに…… -_-)、そのすぐ後に「土曜休日、中央林間発朝9時台に3本の大井町直通急行新設」という記事を発見し、余りの意外性にびっくり仰天 (^^;)。果たして、残り2本になった大井町線8000系がダイヤ改正後も存続し、うまい具合にこの運用に入るかどうかが見どころですね (是非撮りたい……!)。