小金沢ライブラリー

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映画感想-『モンスター・トーナメント 世界最強怪物決定戦』

2015年01月25日 | 映画感想
~あらすじ~
サイクロプス、ウィッチビッチ、レディ・ヴァンパイア、マミー、スワンプ・ガット、ウェアウルフ、フランケンシュタイン、ゾンビマン……世界中から集められた8体の怪物がリングの上で雌雄を決する!


~感想~
B級を志した全力のダメ映画なので遠慮なく以下↓ネタバレ

設定は適当だ。世界に散らばる怪物をどうやって見つけ出したのかは特に語られず、モンスターらがわざわざ命を賭けてまで戦う理由も特にない。
トーナメントと銘打ちながら実際にトーナメント戦を行うのはヘビー級の4体だけで、ミドル級の4体はタイトル戦と冠されながらもベルトは無いし勝ち上がった2体で戦うこともない。
WWFでマネージャーとして活躍したジミー・ハートが本人役でリングアナを務め、UFCのレフェリーであるハーブ・ディーンが試合を裁き(※ただし1試合目で死ぬ)、B級テイストあふれる雑な選手紹介でリングに上ったモンスターらが、特殊能力を駆使するわけでもないプロレス技で戦うさまはインディー団体のハロウィン興行さながら。そういえばWWE版のECWも初期はヴァンパイアとかゾンビが戦ってたっけ。

ざっと試合内容を振り返ると、第一試合は無能なセコンドに「黒魔術を捨ててファイターになれ」とアドバイスされたためただのババアになったウィッチ・ビッチが、サイクロプス(なんでお前がミドル級なんだ)のオプティックブラストで焼き殺される。未来視もできるしたぶんこいつが一番強い。
二試合目はレディ・ヴァンパイアがマミーにヘル・アンド・ヘブンを浴びせて心臓をつかみ出す。(普通はミイラ化させる前に内蔵は摘出するなんて常識を知っているスタッフはいない
三試合目は一体だけドマイナーな沼の怪物スワンプ・ガットがウェアウルフのフライングボディプレスで圧殺され、四試合目は明らかにセコンドのケビン・ナッシュ(元WWFヘビー級王者)のほうが強そうなゾンビマンがフランケン(中の人は元レスラー)に軽くひねられる。

そして迎えた決勝戦、勝ち上がったウェアウルフとフランケンのどちらが栄冠に輝いたかはぜひみなさんの目で確かめて欲しい
5試合の中で最も盛り上がりに欠ける挙句、台無しな結末を迎えるけどな。
※ヒント:ラストはケビン・ナッシュがゾンビ化してチャンピオンに襲いかかる

西口プロレスのほうが百倍は面白い、着ぐるみ学生プロレス映画なので、よほどの物好きでなければ観るだけ時間の無駄である。


評価:★ 2
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映画感想-『チョコレート・バトラー』

2014年12月29日 | 映画感想
~あらすじ~
韓国からタイへ移住しテコンドー道場を営むムン一家。
タイ王国の秘宝を窃盗団から取り戻したことから、窃盗団につけ狙われる。
子供たちを友人のもとへ預けるがそこにも魔の手が忍び寄り……。
ジージャー・ヤーニン主演第三作!


~感想~
ジージャー脇役じゃねえか!!
主役はテコンドー一家でありジージャーは疎開先の友人の姪という役柄で、タイと合作だから向こうの有名なアクション女優でも出しとくか程度の、いてもいなくてもいいどころか明白にいらない子である。

アクション的にはよくあるカンフー映画のテコンドー版で普通に観られるものだが、ストーリーは一から十まで破綻しており、タイ王国の秘宝(時価3千万ドルの短剣)を狙う窃盗団は警備員は銃殺しておきながらテコンドー一家を相手にすると急に武道精神に目覚めて素手で戦ったり、盗んだ短剣をしまった箱を窃盗団のボスが小脇に抱えて急ぐでもなく徒歩で帰ったり、その途中にテコンドー一家の長男とぶつかってうっかり短剣を落としたところを目撃されたり、長男が帰宅してテレビでその短剣が盗まれたものだと気づきあわてて引き返したらボスがまだ悠長に帰宅中で余裕で追いついたり、白昼堂々長男とボスの格闘が始まったのに周囲の人々はほとんど無反応だったり、ボスは3千万ドルの短剣を武器として使い出したり、一方テコンドー一家の母親は窃盗団の車に偶然ぶつけられたら後ろに幼児が乗っているのに謝罪と賠償を要求するニダと追跡を始めたり、短剣を取り返された窃盗団は一家への復讐を狙うのだがいくらテコンドー一家だとはいえ婦女子に撃退される程度の刺客に素手で襲撃させたり、決死の覚悟で滝に飛び込んだけど間に合わなかったり、幼児が時限爆弾を解除したり、ラストバトルで窮地に駆けつけるのがジージャーではなく二頭の象だったり、長男は短剣で4回斬られてるのに全くのノーダメージで必殺トルネードを放ったりともう、ツッコミ不在で次から次へと繰り出されるボケの嵐に圧倒されるばかりだった。
いやもう本当にこの映画に限った話じゃないんだけど銃を使えよ銃を!!

それにしてもジージャーが中盤でザコキャラに敗北する役どころの映画に「チョコレート」を冠して主演第三作とうたう日本の配給元は、信頼その他もろもろを失ってでも目先の金が1円でも多く欲しいんだろうなと呆れ返ることしきりである。


評価:★☆ 3
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映画感想-『チョコレート・ソルジャー』

2014年12月26日 | 映画感想
~あらすじ~
ライブ中に浮気した彼氏につかみかかりバンドをクビにされたデュー。
ジャガー団に拉致されかかった所を救ってくれたサニムらに手ほどきを受け、酔拳・ムエタイ・ヒップホップを組み合わせた泥酔拳を身につけ、巨悪に挑む。


~感想~
華奢な体からは想像もつかない高速かつ容赦無くハードヒットする格闘を見せてくれた「チョコレート・ファイター」でデビューしたジージャー・ヤーニン主演の第二作。が、スティーブン・セガールの沈黙シリーズ同様に彼女の主演作の邦題には勝手に「チョコレート」が付くらしく、監督も別ならストーリー的なつながりもない。そして質的にも著しく落ちるので要注意。

まず「泥酔拳」というクソだせえ邦訳を付けられたオリジナルの格闘術だが、酔拳の要素があるのはデビュー戦だけで、それ以降は酒を飲まないどころか酔った素振りすら見せない。ムエタイはともかくヒップホップはいらないんじゃないかという予想も的中し、端的に言えば足技がカポエラっぽいムエタイに過ぎない。
スローモーションを駆使した演出は悪くないが、ラストバトル以外の打撃はさほどクリーンヒットせず、そもそもカポエラ風の泥酔拳の蹴り技は当たりが弱く、痛さのアピールが足りない。
またストーリーはきわめて単純ながら、無駄に暗く打ち沈んだもので、泥酔拳というおちゃらけた格闘術にはいかにもそぐわず、無駄に冗長なカメラワークで無駄に尺を取っているのもきつい。終盤の立体交差する三本の吊り橋上でのターザン格闘くらいしか見どころは無かったかな……。


評価:★☆ 3
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映画感想 目次

2014年04月06日 | 映画感想
・シリーズ作品は原則として五十音を無視して公開順に並べています
・気が向いた時に手動更新していますので直近の感想は反映していない場合があります
・リンク切れや間違いなどありましたらコメント等でお知らせください


あ行

 アイ・アム・レジェンド  ★★☆ 5
 アイアンマン  ★★★☆ 7
 アイアンマン 2  ★★★ 6
 アイデンティティー  ★★★★☆ 9
 アルティメット  ★★☆ 5
 アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ  ★★★☆ 7
 イーオン・フラックス  ★ 2
 イーグル・アイ  ★★☆ 5
 イレイザー  ★★★★ 8
 イングロリアス・バスターズ  ☆ 1
 インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国  ★★★★ 8
 インベージョン  ★ 2
 ヴィレッジ  ★★★☆ 7
 ヴォイス  ★★☆ 5
 ウォッチメン  ★★ 4
 宇宙戦争  ★★★★☆ 9
 ウルヴァリン:X-MEN ZERO  ★★★☆ 7
 エアベンダー  ★ 2
 X-MEN:ファイナル ディシジョン  ★★★☆ 7
 オーシャンズ11  ★★★☆ 7


か行

 キサラギ  ★★★★★ 10
 狐階段  ★★☆ 5
 CUBE  ★★★ 6
 96時間  ★★★ 6
 クローバーフィールド  ★★★★ 8
 K-20 怪人二十面相・伝  ★★★☆ 7
 ゲーム  ★★★☆ 7
 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル  ★★★☆ 7
 ゴールデンスランバー  ★★☆ 5(原作未読なら★★★★ 8)
 GOEMON  ★☆ 3


さ行

 ザ・ロック  ★★★☆ 7
 魁!クロマティ高校 THE MOVIE  ★★☆ 5
 サブウェイ123激突  ★★☆ 5
 サマータイムマシンブルース  ★★★★ 8
 サロゲート  ★★ 4
 G.I.ジョー  ★★★★☆ 9
 七人のマッハ!!!!!!!  ★★ 4
 60セカンズ  ★★☆ 5
 16ブロック  ★★★☆ 7
 シャーロック・ホームズ  ★★★★ 8
 シャッター  ★★☆ 5
 シャッターアイランド  ★★☆ 5
 ジャンパー  ★★ 4
 呪怨 黒い少女  問題外
 呪怨 白い老女  0 なし
 ショーン・オブ・ザ・デッド  ★★☆ 5
 スーパーマン・リターンズ  ★★★ 6
 SUKIYAKI WESTERN ジャンゴ  ★★☆ 5
 スパイダーマン 3  ★☆ 3
 スピードレーサー  ★★★★ 8
 スペル  ★ 2
 スラムドッグ$ミリオネア  ★★★☆ 7
 300(スリーハンドレッド)  ★★★☆ 7
 1303号室  ☆ 1
 SAW  ★★★★☆ 9
 SAW 2  ★★★ 6
 SAW 3  ★★★★ 8
 SAW 4  ★★☆ 5
 SAW 5  ★★☆ 5
 SAW 6  ★★☆ 5
 ソルト  問題外
 ゾンビーノ  ★★☆ 5


た行

 ターミネーター 4  ★★☆ 5
 ダイアナの選択  ★★★☆ 7
 第9地区  ★★☆ 5
 タイタンの戦い  ★★★ 6
 ダイハード 4.0  ★★★★☆ 9
 タキシード  ★★★☆ 7
 OO7 カジノロワイヤル  ★★★ 6
 OO7 慰めの報酬  ★★★ 6
 チーム・バチスタの栄光  ★★☆ 5
 チェンジリング  ★★ 4
 チョコレート・ファイター  ★★★☆ 7
 D-WARS  ★★ 4
 ディパーテッド  (★★ 4)
 デジャヴ  ★★☆ 5
 DEATH NOTE  ★★★☆ 7
 DEATH NOTE the Last name  ★★★★☆ 9
 デス・レース  ★★★ 6
 デッドコースター  ★★★☆ 7
 デビル  ★ 2
 デビルマン  問題外
 天使と悪魔  ★★★ 6
 トゥモロー・ワールド  ★★ 4
 特攻野郎AチームTHE MOVIE  ★★★★ 8
 トム・ヤム・クン!  ★★★☆ 7
 ドラゴン・キングダム  ★★★☆ 7
 ドラゴンボールEVOLUTION  なし 0
 トランスフォーマー  ★★★ 6
 トランスフォーマーリベンジ  ★★★★ 8


な行

 ナイトミュージアム  ★★☆ 5
 ナイトミュージアム 2  ★★☆ 5
 ナショナル・トレジャー  ★★★ 6
 ナショナル・トレジャー 2 リンカーン暗殺者の日記  ★★★☆ 7
 ナルニア国物語  ★★★★ 8
 20世紀少年 第1章 終わりの始まり  ★★☆ 5
 20世紀少年 第2章 最後の希望  ★★ 4
 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗  ★★ 4
 28日後...  ☆ 1
 28週後...  ★ 2
 2012  ★★★ 6
 人形霊  ★★☆ 5
 NEXT  ★★ 4
 ノウイング  ★★ 4
 ノロイ  ★★★☆ 7


は行

 パーフェクト・ストレンジャー  ★★ 4
 バイオハザードⅢ  ★★★ 6
 ハイキック・ガール!  ★★★ 6
 ハイド・アンド・シーク  ★ 2
 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト  ★★★☆ 7
 パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド  ★★★ 6
 バタフライ・エフェクト  ★★★★★ 10
 バックトゥザフューチャー  ★★★★★ 10
 ハプニング  なし 0
 ハムナプトラ/失われた砂漠の都  ★★★★ 8
 ハムナプトラ 2  ★★☆ 5
 パラノーマル・アクティビティ  ☆ 1
 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人  ★★★★ 8
 ハリー・ポッターと炎のゴブレット  ★★☆ 5
 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団  ★☆ 3
 ハリー・ポッターと謎のプリンス  ☆ 1
 パリより愛をこめて  ★★☆ 5
 ハンコック  ★☆ 3
 バンテージ・ポイント  ★★★★ 8
 ヒックとドラゴン  ★★★★☆ 9
 ビューティフル・マインド  ★★★☆ 7
 ファイナルデスティネーション  ★★★★ 8
 ファイナルデッドコースター  ★★★ 6
 ファイナルデッドサーキット  ★★★ 6
 フィフス・エレメント  問題外
 フォーンブース  ★★☆ 5
 ブラインドネス  ★ 2
 プリンス・オブ・ペルシャ  ★★★ 6
 プレステージ  ★★★★ 8
 プレデターズ  ★★☆ 5
 ベオウルフ 呪われし勇者  ★★☆ 5
 ベッドタイム・ストーリー  ★★★ 6
 ヘルボーイ  ★★ 4
 ヘルボーイ ゴールデン・アーミー  ★★★ 6
 ボーン・アイデンティティー  ★★★☆ 7
 ボーン・スプレマシー  ★★★★ 8
 ボーン・アルティメイタム  ★★★★ 8
 放送禁止  ★★☆ 5
 放送禁止 2 ある呪われた大家族  ★★ 4
 ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!  ★★★★★ 10


ま行

 マッハ!弐!!!  ☆ 1
 水霊  なし 0
 ミスト  ★★★ 6
 ミッション・インポッシブル  ★★★★☆ 9
 M:I-2  ★★★☆ 7
 ミュンヘン  ★☆ 3
 ミラーズ  ★☆ 3
 ミラーズ 2  ★★ 4
 モーテル  ★★☆ 5


や行

 予言  ★★ 4


ら行

 ライラの冒険 黄金の羅針盤  ★ 2
 ランボー 4 最後の戦場  ★★ 4
 霊 リョン  ★★★ 6
 輪廻  ★★★ 6
 レスラー  ★★★ 6
 [●REC] レック  ★★ 4
 REC 2  ★☆ 3
 レッド・クリフ PartⅠ  ★★☆ 5
 レッド・クリフ PartⅡ  ★★★ 6
 ローレライ  ★★☆ 5
 ロッキー・ザ・ファイナル  ★★☆ 5
 LOFT  0 なし


わ行

 笑う大天使(ミカエル)  ★★★ 6
 ワルキューレ  ★★★ 6
 ワン・ミス・コール  なし 0
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映画感想―『ヒックとドラゴン』

2011年02月11日 | 映画感想
~あらすじ~
バイキングの少年ヒックが出会った思いがけない友達、それは傷ついて飛べなくなったドラゴンのトゥースだった。
バイキングとドラゴンは昔から敵同士。しかしヒックとトゥースの間にはいつしか友情が芽生えていく。
それは、バイキングの世界をも変えてしまう奇跡の幕開けだった……。

~感想~
なにが優れているのかと問われれば悩んでしまうほど、取り立てて優れた面はない。
しかし欠点が一つでもあるかと問われれば、文化の違いによる「キャラがかわいくない」という一点さえ除けば、ただの一つも欠点はないと言い切れる。
話によると、人間は吉事が多いことよりも、凶事が少ないことをより幸福に思うそうで、欠点を決定的に排除していったことが、好印象につながったのだろうか。
などと小難しく考える必要はないほどに、王道を往くストーリーは単純明快にして、要所を押さえたものであり、子供から大人まで全年齢を満足させることうけあい。
躍動感あふれるバトル、魅力的なキャラ、卓越した世界観と全てがそろっており、全く飽きさせない。
すこしも話題になっていない、シリーズ物でもない海外CGアニメのため、よほどのことがなければ自発的に鑑賞することはないだろうが、一見の価値のある良作である。

~余談~
日本で流されたCMは、ドラゴンの名前にちなんでオードリーの春日が「トゥース!」を連呼するだけという、広報担当に焼き土下座を強いたくなるほど絶望的なもので、作品の宣伝に逆ベクトルで貢献したことは間違いない。いっぺん死んだほうがいいんじゃないだろうか。


評価:★★★★☆ 9
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映画感想―『ミラーズ2』

2011年01月26日 | 映画感想
~あらすじ~
父親の勧めでビルの夜間警備員として働くことになったマックス。ある夜、彼は勤務先で鏡に映る不気味な少女を目撃する。
以降、そのビルで働く社員が惨殺される事件が立て続けに発生。自分の家族に危険が迫っていることを知った彼は、謎の解明に奔走し、ビル設立の背後に隠された恐ろしい真実を知ることに……。

~感想~
前作はジャック・バウアー VS 悪魔というバカ要素と、必要以上にグロい描写で個性を出していたが、第二弾となる今作は起承転結をしっかりと付けたせいで、逆に個性のない映画になってしまった。
グロ描写だけは健在だが、ハリウッドホラーらしからぬ、原因があって結果があるきちんとした流れが、観終わってなんの印象も残さないのはネック。
どんでん返しのない韓流ホラーでも観ているような気分で、感想を書くことすら難しい。ハリウッドホラーがアジアに追いつくのはまだまだ先のことだろう。


評価:★★ 4
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映画感想―『プレデターズ』

2011年01月25日 | 映画感想


~あらすじ~
それぞれ異なる戦術を兼ね備えた戦闘のエリートたちが、どこともわからぬジャングルに“気がつけば落下していた”。
その顔ぶれは傭兵、死刑囚、特殊工作員とさまざまだが、なぜ今ここに自分がいるのかを理解できない。
実は彼らは、プレデターの獲物として集められたのだった……。


~感想~
アクション、SF、サバイバル、ホラーとあらゆる要素が詰め込まれた第一作と比ぶべくもないほど脚本は破綻しているが、『プレデター3』と冠さなかった英断、あるいは配慮を評価して、『プレデター外伝』として見るなら許せるレベルの映画ではある。
登場人物たちは特殊部隊、暗殺者、傭兵、囚人、医者、ヤクザと様々な肩書きを持ちながら、個性は持っている武器の種類くらいしかないほどキャラ付けが弱いため、誰がやられてもモブキャラが死んだ程度の印象しか受けない。
チームワークは皆無でなにかと衝突しているのに、突然ヤクザの人が「ここは俺に任せて先に行け」と犠牲精神を出すのはもしかして「日本人だから」という理由で片付けられてはいないだろうか。(どうでもいいがこいつの斬りかかる時の掛け声はおかしすぎる)
対するプレデターもいちおう4種類いて、それぞれ違う特色を持っているのだが、外見がほとんど変わらないため区別が付かないのも痛い。というか犬使いはどうして一度しか犬を使わなかったんだろうか。鳥使いもせっかくの鳥を戦いに使わないし。
と、キャラ設定だけに限っても細かい瑕疵をあげれば切りが無いが、激しいアクションとテンポの良さだけは評価できるため、プレデターシリーズだと変に気構えなければ、いちおう楽しめることだろう。

ちなみに予告編では12人以上のプレデターが登場することを示唆するシーンが流れていたが、どうも予告編制作会社の方で勝手に映像をいじったようである。予告編詐欺ってレベルじゃねーぞ!


評価:★★☆ 5
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映画感想―『特攻野郎AチームTHE MOVIE』

2011年01月24日 | 映画感想


~あらすじ~
1年前――特殊部隊のメンバーから結成されたAチームの面々が、何者かの謀略により無実の罪で逮捕された。
しかしリーダーのハンニバルは、まんまと刑務所からの脱獄し、部下のフェイス、B.A.、マードックと合流する。
かくして復活したAチームは、ハンニバルが編み出す荒唐無稽な作戦のもと、自分たちの名誉を汚した黒幕に迫っていく。


~感想~
原作ドラマは未見だが、噂通りに想像通りの徹頭徹尾アメリカンな展開におなかいっぱい。
アメリカンな野郎どもがアメリカンな会話を交わし、アメリカンな事件をアメリカンな腕力で解決する、むせ返るほどの漢のアクション。こうでなくては!
もう本当に他に何一つ言うべきことのない映画なので、アメリカンLOVEな向きは迷わず観ていただきたい。
それにしてもクイントン・ランペイジ・ジャクソンはいい役者だなあ。


評価:★★★★ 8
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映画感想―『SAW 6』

2011年01月12日 | 映画感想


~あらすじ~
前作ネタバレ防止のため無し。


~感想~
名物のどんでん返しと叙述トリックの扱いが、シリーズを追うごとにぞんざいになっていて、今回などはストーリーと密接に絡まず、観客をちょっと驚かせてみようかくらいの意図しか感じられないが、それでもなにかしら仕掛けてくれるのはうれしい限り。いちおう驚いたし。
一方でグロ描写は激しさを増していて、しかもCG技術が向上しているものだから、苦手な人なら吐き気を催しかねないほどのレベルに達している。
また今回のジグソウによるゲームはシリーズでも上位に入るドSっぷりで、それも好きな向きにはたまらない。私情が絡むとジグソウも人が変わるのか。
破格の第一弾と比較してはどうしても質は落ちるものの、一定の質を保ったシリーズはいよいよ次で最終作。最後はどうなるものか。


評価:★★☆ 5
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映画感想―『エアベンダー』

2011年01月11日 | 映画感想


~あらすじ~
気・水・土・火の4つの王国が支配する世界。各王国にはその国の「エレメント」を操る「ベンダー」と呼ばれる者がいた。
その中でも、4つの「エレメント」すべてを操る「アバター」は、世界に調和をもたらす唯一の選ばれた者だった。
だが、「アバター」として生まれた気の国の少年アンは、自分の重い宿命に耐えられずに逃げ出して氷の中に閉じ込められてしまう。
そして100年後、水の国の兄妹サカとカタラは氷の中で眠るアンを発見。眠りから目覚めたアンは気の国が火の国に滅ぼされたことを知り、今度こそ「アバター」の宿命を受け入れ、試練に立ち向かう決意をする……。


~感想~
誰だよシャマランにファンタジィ撮らせようと思ったバカは。

「シックスセンス」の大ヒット後、新作を出すごとに監督生命の危機にさらされているM・ナイト・シャマランによる、まさかのアニメ実写化は、危惧通りの大惨敗であった。
というかシャマランにはもう普通に脚本を書く力が残っていないらしい。かの「トランスフォーマー」や「D-WARS」に匹敵する無数のツッコミどころが画面狭しと暴れ回る始末で、しかも「トランスフォーマー」のような激しいアクションは描けず、自主制作映画のように酷い脚本の「D-WARS」よりは出来がいいという半端な仕上がりで、笑うことすらできないため、見どころが全然ない。
脚本の酷さの一例を挙げると、

・土のベンダーが7人がかりで手の平サイズの石を一個投げつける。(7人で7個手で投げたほうが強くね?)

・火のベンダーが自身の過去の逸話をそのへんのガキをつかまえて語らせる。

・水の国の王女と主人公グループの青年が恋に落ちる……ことがナレーションで語られる→次の場面ではもう水の国の人々に厚い信頼を受けている→しかも王女と結婚寸前にまで話が進んでいる。

・「アバターは誰も傷つけてはならない」という師の言葉を回想しながら次々と敵を吹っ飛ばしたり凍らせるアバター。

・味方の精霊が殺されるところを至近距離でぼーっと眺めている屈強のベンダーたち。

・その精霊を殺した悪の幹部が一般兵4人にボコられて死ぬ。

・精霊が復活し力を取り戻した兵士が真っ先に行ったのがタックルからのマウントパンチ

・新たなる敵幹部が登場したと同時に閉幕する打ち切りマンガみたいなラスト。

「二桁以上のIQを持つ人にはお勧めできない」とまで言われたこの映画。正直、続編が作られることはないと思うのだがどうか。


評価:★ 2
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