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ミステリ感想-『アイルランドの薔薇』石持浅海

2002年05月01日 | ミステリ感想
~あらすじ~
詩人イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。
その鍵を握る武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺された。
悲願のアイルランド和平実現を目前に控え、警察への通報はできない。
外部犯の可能性も消えて、泊まり合わせた客は、NCFの手によって拘束された。
誰が、なんのために――。日本人科学者・フジの推理が、一人ひとりの「嘘」と「真実」を暴く。
2002年、カッパワン登龍門。


~感想~
奇異な設定はいいものの、意外性のさっぱりないトリック&真相は淡泊。
論理よりも感覚を重点に置かれた推理は、納得させヒザを打たせるところまではいかない。
平易な文章は良いのだが、あまりに平易すぎて稚拙に見える。慣れの問題だが、本名と愛称の混在はややこしすぎる。人物造型はキャラに「それっぽさ」がなく、地味かつ印象薄。
せっかくの題材が「それらしく」描けなかったことでただの背景になりさがった。
面白いか面白くなかったかで言えば、「微妙」。次作を読む気にはなった。
なにもアイルランドくんだりまで来て日本人を探偵役にしなくてもええやん。


評価:★★☆ 5
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