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ミステリ感想-『火蛾』古泉迦十

2002年07月18日 | ミステリ感想
~あらすじ~
12世紀。
イスラム教徒であり作家のファリードは聖者たちの伝記を編纂すべく、各地をめぐっていた。
アリーと呼ばれる聖者から、彼と同じ名を持つ“アリー”の伝説が語られたとき、
世界はゆっくりと、色と形を変えていく……。

第17回メフィスト賞
本格ミステリ大賞 候補
このミス 14位
文春 10位
本格ミステリベスト10 2位


~感想~
すごい。ここまで完璧な、完璧と思わせる物語はひさびさに見た。
前代未聞・空前絶後の結実にはただ慄然とするばかり。
難解な語句と知識がいつしか溶融し、文章の霧の中へと引きずり込まれていく。
この驚嘆すべき才能、第2の京極夏彦を見いだした感すらある。
がぜん注目の第2作はいかなる舞台でいかにして語られるのか、決して目を離せない。(読了当時記す)

※しかしあれから丸13年……。いまだ新作の音沙汰はなしw


02.7.18
評価:★★★★★ 10
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