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ミステリ感想-『時の鳥籠』浦賀和宏

2003年02月14日 | ミステリ感想
~あらすじ~
私は、この子がそう遠くない未来に死んでしまうことを知っている。
初対面の少女の自殺を、なぜか「私」は知っていた。
「私」の生まれてきた理由は、その少女を救うためだから。
少女に出合った途端に、意識を失った「私」が過去を語りだすとき、日常が崩壊していく……。


~感想~
文章力は稚拙と言っていいほどに低い。だが読む者を引きつけてやまないなにかには、ただ驚かされる。
粗さは多々目につくものの、それがどうしたと言わんばかりの鮮烈な真相。
僕はSFをろくに読んだことがないので「これは前代未聞!」と断言はできないが、このトリックにはかつてない衝撃を受けた。前作とのリンク、そして前作をはるかに上回る破壊力。
浦賀和宏……その名にミステリ、ひいては文学の未来がたゆとうているのを感じた。


03.2.14
評価:★★★★ 8
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