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ミステリ感想-『龍臥亭幻想』島田荘司

2004年11月28日 | ミステリ感想
  

~あらすじ~
雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が再び集まった。
雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫女。
貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符合は、なにを意味するのか?
百年の時空を超えて伝説の魔王が甦るとき、御手洗潔と吉敷竹史の推理が、ついに交錯する!


~感想~
奇想。
伝説の謎。怪談さながらの事件。まるで幻想そのものの情景。有機的に組み合わされた、意図し意図せざる仕掛けが奇跡的な融合を見せるのは、もはやお家芸のおもむき。
龍臥亭が舞台であることが絶対必要条件だったか否かというと、かなり疑問は残るが……。
トリックやプロットの多少の強引さなどねじ伏せて余りある壮大な物語。引き込まれる語り口。
これぞ島田文学。ごちそうさま。

……でも肝心要のあの二人の競演は……。いや。
これから読む方のために、あえてこれ以上は言いますまい。


04.11.28~29
評価:★★★★☆ 9
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