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映画感想―『LOFT』

2008年04月21日 | 映画感想

~あらすじ~
スランプに陥った女流作家・春名礼子は担当編集者・木島の勧めで、東京郊外の緑に囲まれた洋館に引越す。やがて彼女は、大学教授の吉岡が向かいの建物にミイラ化した1000年前の女性を極秘に保管していることを知るのだったが…。


~感想~
馬鹿ホラーここにきわまる。

監督から「実力の半分しか出さないように」と厳命されたとしか思えないほど酷い棒読みで繰り広げられる、ホラーの名を借りた喜劇である。
中谷美紀も豊川悦司も本当はもっとできる子のはずなのに。西島秀俊も……いや西島はどうだろう。
映像表現はとにかく美麗なのだが、脚本がはちゃめちゃで、怖がらせようとしているらしい場面で苦笑とツッコミばかり沸き起こってしまう。
特にクライマックスのミイラに説教する豊川悦司には悶絶。しかもミイラは説教に負けて成仏してしまうのだ。千年生きてきたくせにどんだけメンタル弱いんだお前は。
ラストシーンも豊川渾身の池落ちを含め、もはやただの一発ギャグにしか思えない。落ちたときの擬音は「ズコーー!」がぴったり。
また配役も明らかに失敗で、亡霊役の安達祐美がとにかくかわいい。あんな小柄で童顔じゃ、泥だらけで突然ぬっと現れても絶対怖くないって。馬乗りで首絞められても巴投げするって。

物語をホラーとして成立させるには、映像美よりも大切なものがあることを教えてくれる作品でしょう。


評価:0 なし
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