東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

よく出来た消費税財務省案

2015-09-16 07:27:30 | 消費税
このブログをお読みの方は分かるであろうが、「よく出来ました」という場合は否定的な意味が多い。蛇足であるが。

おっと、がっかりしないで最後まで読んでください。

消費税に生活必需品だからといって特例を設けるのは姑息な手段であり、採るべきではない。欧州の様に消費税が30パーセントを超えるような場合に、通常の食料品などに特例を設けるのはまだ分かる。たかが(ここで反発を予想)8パーセントから10パーセントの値上げで煩瑣な制度を設けるのは消費税で期待していた効果を相殺するものである。

今回の財務省案ではすでに言われている様に制度を実施するための措置準備は現実的ではない、あるいは実現可能でないことは明白である。そして実施したら準備費用は増税分を相殺してしまうことも明瞭である。

財務省がこの案を臆面もなく提出した理由はシモ(下記)の諸理由によるものであろう。

* どうせ、実現不可能と世論に反対されて実現しない。つまり消費税特例措置は実施されない。増税効果がフルに期待できる。あるいは第三者が新しい案をつくれば消費税の目的を台無しにする制度を財務省が作ったという汚名、批判を免れる。

* たとえ、実施されたとしてもこの制度を利用して、煩瑣を避けず、プライバシー漏洩も顧慮せずに利用するケースは少ないだろう。つまり軽減税率による目減りは少ない。

* なお、ある新聞の予測記事によると、現下の経済情勢では10パーセントの値上げは難しい、財務省から再延期とは言いにくいので、この馬鹿げた案を出しておけば、世論が反対で沸騰してその内に増税予定時期を迎え、結局増税が再延期できる。
 
という記事であったが、これはあまり説得力がない観測記事である。記者も冗談で書いているようではあるが。