東方のあけぼの

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沖縄の本土復帰の日におもう

2016-05-15 06:52:29 | 沖縄
テレビによると今日は沖縄が本土復帰をはたした日だそうである。おりしもアメリカではトランプが米軍の撤退をほのめかしている。

日本の安全保障戦略上、米軍と自衛隊の役割分担について、もっとも重要かつ基本的な考え方がある。言うまでもないが、東西冷戦時代でアメリカがソ連と世界覇権を争っていた時代に出来た戦略である。

戦場は北海道が想定されていた。ソ連はまず北海道に上陸し占領する。それに対して自衛隊の最精鋭部隊がまず応戦して数日あるいは1、2週間持ちこたえる。その後米軍が援軍として参戦する。この方針で北海道には自衛隊の精鋭部隊が駐屯したのである。この時機が長かったが、冷戦がソ連の敗北で終わりこの戦略は見直されなければならなかった。

一方沖縄の米軍は日本防衛のためではなかったし、いまでもそうではない。歴史上沖縄は一貫してアメリカの世界戦略の基地である。チャイナの台頭、露骨な覇権主義の脅威が始まったのは2000年以降で昨今は深刻な脅威となっている。

それにつれて、自衛隊の配置も変えなければならない。事実すこしづつ、自衛隊戦力は南方にシフトしているが、きわめて戦略上不徹底な状態にある。冷戦時代のソ連の脅威に対応したようにチャイナの侵略に対してまず応戦しなければならないのは自衛隊であり、その後米軍が応援に駆けつけるという戦略を沖縄南方で取らざるを得なくなっている。

沖縄が過重な基地負担を強いられて来たのはアメリカの世界戦略のためであり、アメリカの世界戦略が変化するなら(それはアメリカが決定することである)、日本の安全保障政策も作り直す必要がある。

沖縄県民に理解してもらわなければいけないのは、米軍のかわりに自衛隊が全面的に配備されるということである。ただ、自衛隊の駐屯は世界戦略のためではないから、量的には基地負担は軽減されよう。しかし沖縄の戦略的位置から又中国の侵略目標であるかぎり沖縄の基地はなくならない。

北海道でのソ連侵略に対応する二段階戦略にかわる沖縄防衛戦略について早急に日米当局は策定すべきである。いまのまま、漫然と時を過ごせば有事の際に混乱を招くであろう。

沖縄の基地反対闘争に熱心な左翼『平和?』勢力に申し上げる。お友達甲斐に(あなた方は中国のお友達でしょう、すくなくともチャイナのエイジェントではないと思いたい)、大陸の友人達に日本を侵略するな、と忠告してもらいたい。そうすれば沖縄の基地は要らなくなる。