何日か前の産經新聞に石原氏が寄稿していた。趣旨ははっきりしないが、近代から始まったキリスト教国とイスラム教国の戦いはこれから本格化するということらしい。
らしい、というのはこの文章意味が捉えがたい。私は石原慎太郎のファンである。といっても「しゃべくり」専門であるが。彼の文章は昔からなじめない。衒いがあるというのかな。といっても政治的な文章だけである。彼の小説は全く読んだことがない。
彼の小説を読まないというのは単なる巡り合わせなんだろう。嫌いとか好きというのではない。興味が持てないというのかな。手に取る気がなんとなく起こらないとしかいえない。彼の「太陽の季節」が芥川賞をとったあとで文藝春秋にのったときにはたしか読んだ。それしかない。随分昔の話だ。内容もほとんど記憶していない。
さて、頭書の産経の寄稿に戻るが、趣旨がどこにあるか漫然としているのは、難しい現下のトピックに関係するので、意図的に韜晦しているのか。あるいは書いていた時に問題を整理しないまま書いたのか判断出来ない。
ここまでがマクラである。イスラム国の人質の件に関連して、おそらく石原氏もそれに触発された寄稿だとおもうので、別の角度から感じていることを書く。
陰徳という言葉がある。善行は隠れてするものである。今回の安倍首相の一連のプレゼンテーションは彼に同調する人たちから見ても宣伝臭が強かった。ま、税金を使うのであるから国民に説明する義務は有る。しかし、それは帰国してからしかるべき方法で国会に報告すればよろしかろう。
つぎはイスラエルとの関係である。安倍さんや側近の意図はアメリカを牽制するものであったろう。日本もイスラエルも最近のアメリカに強い不満を持っている。
イスラエルもアメリカの最近の態度は「裏切り」だと捉えている。両国は接近する理由が十分にある。
建国以来イスラエルはイスラム諸国から目の敵にされている。日本はイスラム諸国とは長いこと友好関係に有る。またいくつかの国とは石油の供給国として死活的に重要な関係にある。したがって、イスラエルと直接に接近することは避けていた。
もともと、イスラエルが建国される前は日本とユダヤ(イスラエル)との関係は非常に良好であった。同祖論まである(あった)。紀元前600年頃ユダヤが亡国の憂き目に遭い、ユダヤ12部族のいくつかが東へ東へと流浪して日本に来たという説まで有る。
この同祖論というのは日本よりユダヤ人の方に信奉者が多い。かって天皇が西日本としてユダヤを治めれば良いといった人もいた。アインシュタインじゃなかったかな。
戦前には満州にユダヤ国家を建設させるという案まで日本軍部にはあった。連合軍が勝利したからパレスチナにユダヤは建国させてもらった訳である。
当時ヒトラーが日本軍の支配下にあった中国在住のユダヤ人をドイツに送還してくれ、と要求したことがあったが、東条英機内閣は日本の民族政策に反するとして閣議でヒトラーの要求を拒否している。一外交官である杉原千畝のことばかり喧伝されるが片手落ちでおかしなことだ。歴史を認識するとはこういうことではないか。
ドイツ軍の占領下にあったフランスがフランス国内のユダヤ人を見つけてドイツの強制収容所に送るための組織まで作って協力していたことと比較してみるが良い。戦争に勝つということ、負けるということはこういうことなのだ。勝つということは「勝手に正義を振り回す権力を得る」ということと同義である。
どうも脇道に逸れて長くなったが、安倍さんがアメリカを牽制するためにイスラエルと接近するのはいいアイデアではあるが、プレゼンテーションにも側近は気をつけないと行けない。日本はイスラム諸国とも良好な関係を保持する必要があるのだから。
らしい、というのはこの文章意味が捉えがたい。私は石原慎太郎のファンである。といっても「しゃべくり」専門であるが。彼の文章は昔からなじめない。衒いがあるというのかな。といっても政治的な文章だけである。彼の小説は全く読んだことがない。
彼の小説を読まないというのは単なる巡り合わせなんだろう。嫌いとか好きというのではない。興味が持てないというのかな。手に取る気がなんとなく起こらないとしかいえない。彼の「太陽の季節」が芥川賞をとったあとで文藝春秋にのったときにはたしか読んだ。それしかない。随分昔の話だ。内容もほとんど記憶していない。
さて、頭書の産経の寄稿に戻るが、趣旨がどこにあるか漫然としているのは、難しい現下のトピックに関係するので、意図的に韜晦しているのか。あるいは書いていた時に問題を整理しないまま書いたのか判断出来ない。
ここまでがマクラである。イスラム国の人質の件に関連して、おそらく石原氏もそれに触発された寄稿だとおもうので、別の角度から感じていることを書く。
陰徳という言葉がある。善行は隠れてするものである。今回の安倍首相の一連のプレゼンテーションは彼に同調する人たちから見ても宣伝臭が強かった。ま、税金を使うのであるから国民に説明する義務は有る。しかし、それは帰国してからしかるべき方法で国会に報告すればよろしかろう。
つぎはイスラエルとの関係である。安倍さんや側近の意図はアメリカを牽制するものであったろう。日本もイスラエルも最近のアメリカに強い不満を持っている。
イスラエルもアメリカの最近の態度は「裏切り」だと捉えている。両国は接近する理由が十分にある。
建国以来イスラエルはイスラム諸国から目の敵にされている。日本はイスラム諸国とは長いこと友好関係に有る。またいくつかの国とは石油の供給国として死活的に重要な関係にある。したがって、イスラエルと直接に接近することは避けていた。
もともと、イスラエルが建国される前は日本とユダヤ(イスラエル)との関係は非常に良好であった。同祖論まである(あった)。紀元前600年頃ユダヤが亡国の憂き目に遭い、ユダヤ12部族のいくつかが東へ東へと流浪して日本に来たという説まで有る。
この同祖論というのは日本よりユダヤ人の方に信奉者が多い。かって天皇が西日本としてユダヤを治めれば良いといった人もいた。アインシュタインじゃなかったかな。
戦前には満州にユダヤ国家を建設させるという案まで日本軍部にはあった。連合軍が勝利したからパレスチナにユダヤは建国させてもらった訳である。
当時ヒトラーが日本軍の支配下にあった中国在住のユダヤ人をドイツに送還してくれ、と要求したことがあったが、東条英機内閣は日本の民族政策に反するとして閣議でヒトラーの要求を拒否している。一外交官である杉原千畝のことばかり喧伝されるが片手落ちでおかしなことだ。歴史を認識するとはこういうことではないか。
ドイツ軍の占領下にあったフランスがフランス国内のユダヤ人を見つけてドイツの強制収容所に送るための組織まで作って協力していたことと比較してみるが良い。戦争に勝つということ、負けるということはこういうことなのだ。勝つということは「勝手に正義を振り回す権力を得る」ということと同義である。
どうも脇道に逸れて長くなったが、安倍さんがアメリカを牽制するためにイスラエルと接近するのはいいアイデアではあるが、プレゼンテーションにも側近は気をつけないと行けない。日本はイスラム諸国とも良好な関係を保持する必要があるのだから。