東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

沿海州、オホーツク海の海上輸送路の安全確保は日ロ共通の関心事

2016-11-29 07:57:31 | プーチン来日

前回の記事大いに反発と誤解を招く可能性があるので補足しておこう。

これまでの報道で伝えられるところによると、日本は膨大な経済協力を極東ロシアの経済開発につぎ込むらしい。すなわちそれに伴って沿海州やオホーツク海の安全性の確保は日ロ双方の死活的関心事となる。軍事同盟がそれほど突飛なアイデアとは思えない。

問題は過去の第二次大戦週末時に前科のあるロシアが信用出来るかどうか、の見極めである。つまり日ロの共同権益となる極東ロシアの安全保障の見通しが立たない限り交渉は妥結すべきではない。

サハリン・北海道間の海上輸送路(地下トンネルで結ぶという案もあるようだが)の安全性確保は至上命題である。東アジアの無法国家が現在尖閣や南シナ海で行っている不法行為が将来日ロの海上輸送路の安全性を脅かす可能性は十分に予想される。

ロシアが信用出来る相手であるならば日ロ軍事協力の一つとして北方四島のロシア軍基地は残しても良い。条件は沖縄の米軍基地の有り様を若干改善したものなら許容されよう。

安倍プーチンの個人的信頼関係はあるようだが、国家は個人の信頼関係を超えて永続する。ロシアが将来にわたっても信用出来る国家であるかどうかの見極めが大切である。望ましいのは協定上制度的にしばりがかけられる妙案があれば一番良いのだが。

山県有朋の主戦論に破れた伊藤博文の日ロ協商の夢が実現するのかどうか。あと十五日あまりだ。

 


北方四島のロシア軍基地の問題

2016-11-27 08:58:49 | プーチン来日

日ロ山口会談せまる。

まとまる確率は50パーセントだろう。つまり分からない。会談を始めればすぐに分かるだろう。もし、やはり駄目だと思ったら、実のある交渉が無理だと察知したら過剰接待モードにうつればいい。歓待して歓待し抜くのである。実務交渉は打ち切るというシグナルになる。接待をエスカレートして相手の譲歩を期待するのではない。そのくらいの違いはプーチンには伝わるだろう。日本の田舎政治家ではないのだから。芸者を抱かせれば軟化するなんて手は使えない。 

もう一つ、日本が検討すべきは日ロ軍事同盟の可能性である。おそらくこれまでの会談では一度も出ていないだろう。しかし、顕在化していない可能性としてあるのではないか。四島の完全返還(主権確認)は必須だが、朝鮮半島政権*と中国の侵略進出の動きにそなえて、日本海、沿海州沿岸、オホーツク海に中国が不法に進出して来た場合には日ロが共同して軍事的に対応することに合意する。四島にロシアの基地を認めても良いだろう。そういう目的で合意できるなら。

戦後70年以上、日本の沖縄主権回復後も治外法権的な米軍基地は存在する。東京の近くでも横田基地なども治外法権だ。それ以外にも日本全国に同様の多数の米軍基地がある。四島にロシア基地の存続を認めるのがそれほど異常とも思われない。 

アメリカにトランプ大統領が誕生して米ロ関係の緊張が緩和されればこのような方向も出てくるのではないか。

 


トランプの安全保障案はお買い得

2016-11-26 21:22:35 | トランプ

トランプは安全保障で日本に無茶苦茶な要求をしない(筈)

選挙中もう一つ日本を批判していたのは駐留経費の負担だが、これ自体がトランプは大分値引きしているんだよね。本当の主張はアメリカがおそわれた時には日本が助けにこい(つまり血を流せ)という正論である。それをせめて駐留経費だけは全部持てというのだから、かなりディスカウントしている。日本にとってはお買い得であって、決して不利なディールではない。

 それに既に日本は75パーセント(?)位負担していて他の同盟国よりダントツに負担率が高い。そして仮に100パーセント負担しても2、3千億円というではないか。それほど深刻な負担ではない。

むしろ全額負担されるとアメリカは困るんじゃないかな。日本の完全な番犬になる。だって全部日本が出すんだから。もう少し刺激の少ない言葉でいえば日本の傭兵になるということだ。作戦の指揮も当然費用を全部まかなう日本側つまり自衛隊になる、理屈の上ではね。これはアメリカも困るだろう。

大体、現在の仕組みを作ったのはアメリカそれも共和党だ。トランプが強行すれば(当ブログの予想では強行する筈がないが)共和党議会の猛烈な反対にあうだろう。

TPP補足:TPPの仮想敵国は中国である。トランプが辞退してもいい。経済的措置(例えば為替操作国の認定など)をとってシナの経済力に打撃を与えればTPPを批准しなくても同じ効果が日米両国で得られる。

 


トランプがきった最初のカード

2016-11-26 10:19:57 | トランプ

 当選後初めてTPP脱退を宣言したというので日本の国会でも野党のフルート吹き党首がトンチンカンなことを喚いている。

このカードが一番自然じゃないかな。上下両院で多数を占めた共和党が反対している。批准される見込みはまったくない。トランプもこの壁に突っ込んで行くはずもない。それに選挙中も反対していたことだからね。ニューヨークの安倍トランプ会談がどうのこうのと言っているが安倍さんも少なくとも当座はこうなると思っているだろう。そうでなければ彼は夢見る人になってしまう。日本の国会で成立させようとするのもこれまた当然である。将来品を変えてマルチが復活したときの立場を確保することにもなる。

トランプ政権の滑り出しで注目点は二つある。

A:中国に対する有効な経済政策を実行するか;

B:経済政策の重点をどの分野に置くのか;

アメリカの産業で海外に生産拠点を置いていないのは軍需産業である。軍需産業に大規模な支援をすると報道されていなかったっけ。これは額も巨額だし経済効果は大きい。もっとも永続的な効果を確保するためには安全保障政策が大切だけどね。さあ、とうする集金ペイ。

二番目の産業分野は土木、建築である。勿論アメリカも海外に進出しているが産業の性格から海外進出は部分的である。今後米国内の公共事業やインフラ分野の政策を大々的に強化するって言ってなかったっけ。

株式市場は予見しているようだ。

 


白鵬の生き甲斐は記録更新だけ

2016-11-23 09:22:20 | 大相撲

白鵬(というおおとり)はあれだけ高く舞い上がったら、出来るだけ長い間、高高度水平飛行を続けたいと願うだろう。記録更新だけが彼の生き甲斐らしい。いわく、優勝回数更新、千勝達成など。

そのために衰えてくる体力を誤摩化すためにドラッグを使うのだろう。

昨日の稀勢の里戦では発汗はなかったね。稀勢の里戦はもともと苦手だったらしいがね。彼は左の肘にもやたらにサポーターを巻きだしたね。そのうちに安見錦みたいに包帯だらけになるのではないか。

相撲協会もはやく次の目玉商品を作りたいのだろうが、うまくいかないようだ。琴奨菊、稀勢の里、豪栄道とあっけにとられる(不自然な)優勝を一回したあとでこける。あれはなんだろうな。一回目の優勝に作為を感じないこともない。いずれも引退間近の力士だしね。二十代前半のタマに目星を付けないとうまくいかないだろう。

相撲協会の商品開発能力いやさ目玉商品売り出し能力に期待しよう。


ドラッグの切れた白鵬

2016-11-18 20:26:58 | 大相撲

今日の白鵬遠藤戦、遠藤の殊勲には違いないが昨日あたりから白鵬はドラッグを止めたんじゃないか。白鵬は初日から異常に発汗していた。昨日あたりから発汗が目立たなくなった。毎日ドラッグを続けるのはやばいと思ってセーブしたのだろう。途端に瞬発力が無くなった。過去の場所にもそう言う例がある。 

前に述べたことがあるが、スポーツ・ドーピングには3種有る。筋肉増強剤(ステロイドなど)、持久力アップ(マラソン長距離ランナー等が使う),瞬発力アップの覚醒剤(相撲、野球の打者など)。清原は傷の痛みのためと言っているが、年令と共に衰える瞬発力向上のために使用し始めたと考えるのが妥当だろう。

力士に効果があるのは筋肉増強剤と覚醒剤(瞬発力向上)である。覚醒剤の場合ドラッグ・テストをしなくても徴候が表面に出やすい。その代表的な症状が異常発汗である。過去にも絶好調だった白鵬がガタッと崩れる場合があったが、明らかにヤク切れと考えられる。

こんなことをいうのも日本相撲協会がドーピングテストを導入しないからである。テストを実施して白鵬がシロと結果が出ればこの記事は即座に削除します。

日本相撲協会は白鵬が勝ち続ければ客足が落ちないと思っているのだろう。サポーターを巻いた肘でのアンフェアなかち上げにもドーピングにも目をつぶっているのだろう。おっと、相撲協会だけではなくて、元横綱の解説者も右に同じである。

 


今日は勝てそうな気がした

2016-11-15 22:01:02 | ワールドカップ

サッカーのサウジアラビア戦である。試合前国歌演奏(斉唱)を聞いた時にそんな気がした。久しぶりにまともな国歌演奏を聴いたからだろう。最近では(はやりうた)の歌手に独唱させたり、名前を聞いたことの無いような声楽家が変な節を付けて独唱する。実に不愉快で嘔吐感に襲われる。国歌を冒涜するものである。 

今日の君が代演奏は平凡だが清々しい。合唱のボリュームもあった。何時もは歌っているのが選手、聴衆のうちの二、三人しかいないような寂しいものだが、今日は違った。それでかもしれない。

外国でも国歌というのは器楽演奏か、合唱を聞くことが多い。まえに職業歌手が米国国歌を独唱していたのを聴いたような記憶もあるが、非常に素直な歌い方だった。もっとも、国歌と認識出来るのは君が代と米国国歌だけだけどね。

勝ったけどワールドカップ出場は依然として難しそうだ。サウジに比べて圧倒的なシュート数で2点だけという決定力のなさは相変わらずだしね。

 

 


ドウェルテ比大統領がアメリカを軽蔑する理由

2016-11-12 09:39:01 | トランプ

アメリカが本気で「国際司法裁判所」の判決を有効にするガッツがないからである。航行の自由作戦という茶番で世界を誤摩化すそうとするからである。ドウェルテ大統領はアメリカが中国に有効な圧力をかける意志がないと見極めている。それなら小国フィリピンとしては判決を取引材料にして経済援助等極大化しようとする政策を取るのは自然の成り行きである。 

アメリカが中国に経済制裁を科せば彼もアメリカを見直すだろう。それを自らはフィリピンの植民地支配の前科があるにもかかわらず女学校の舎監のような説教をするから、激高するのである。当たり前である。

アメリカがここまで逃げ腰になっているから、トランプになってもいきなり経済制裁は難しい。まず中国が完全な変動相場性に移行することを要求する。しなければ超高率関税を課すと宣言することだ。第二段階として全面的経済制裁を課すことだ。

中国外務省報道官の記者会見等を見ると、アメリカはこれしか有効な手は打てないとたかをくくっている。そして、シナがアメリカ国債を大量に持っている事実を脅迫材料にしている。そんなことをすればアメリカ国債を売りに出すという脅しである。これに屈したらトランプは即座に張子の虎になる。

トランプ当選後のドウェルテ大統領の発言の変化はトランプならやるかも知れないとみているようだ。

考えてもみなさい、新宿歌舞伎町でヤクザのボッタクリバーに警察が奇麗ごとしか言えないなら、歌舞伎町の飲食店がヤクザに従うのは理の当然ではないか。或はヤクザと取引をする可能性があるなら、だれが警察を信用するか。

アメリカは常に歴史的に見ても日本等の諸国の見えない所で中国と商人的取引をする可能性がある。クリキントキが当選していたら間違いなくこうした行動をとっただろう。アメリカは、トランプ新大統領は世界に対して、この懸念を行動で払拭する必要がある。

 


「航行の自由」作戦は八百長である

2016-11-11 07:45:03 | トランプ

 アメリカの「航行の自由」作戦は出来レースである。シナとアメリカの談合である。あるいは「阿吽の呼吸」があったということだ。

ウクライナ問題でアメリカはロシアに躊躇すること無く経済制裁を行った。ロシアは苦境に陥っている。なぜ南シナ海でのシナの国際法を踏みにじる態度や侵略略奪を膨張させる行動に対して経済制裁を科さないのか。

アメリカの「グローバル企業」がシナに人質を取られているからである。国際政治というのは四半期ごとに辻褄を合わせるものではない。四半期ベースでは経済制裁はロス・ロス関係である。経済制裁は長期的観点でアメリカあるいは自由社会のビッグ・ウィンになる。そこを理解しないような政治家は無能である。

自由世界はかって東西冷戦という長い戦いの末にビッグ・ウィンを獲得したではないか。「航行の自由」はアメリカにとっては自由世界のリーダーであるということを示す(ふりをする)偽りに満ちたパーフォーマンスである。アリバイ作りに過ぎない。シナも抗議した振りをしているが、全然脅威も痛痒も感じていない。

圧力や挑発は本来摩擦を生じさせるはずである。またそうでなければ効果がない。実際は「航行の自由」作戦は南シナ海での「シナの平和」を裏書きしているという皮肉な逆効果を生んでいるにすぎない。トランプがどう出るか、まずこれで彼の評価が定まるであろう。

経済制裁以外にも有効な方法はある。中国が為替の自由化をしない限りアメリカへの輸入を認めないとすればいい。あるいはトランプが得意とする高率関税を課す政策をとれば、彼の主張によれば中国経済は三日で崩壊する。三日は無理としても半年でシナはなくなる。これくらいならトランプでも出来るだろう。

 


ペーパータイガーはグレートタイガーに戻れるか

2016-11-10 07:35:54 | トランプ

ペーパー・タイガーはトランプのもとでグレート・タイガーになれるか? 

可能性としてはあると思う。アメリカを張子の虎(ペーパー・タイガー)と呼んだのは毛沢東だったか鄧小平だったか、いずれにしてもシナ共産党の要人であった。皮肉なことにその当時アメリカは張子の虎ではなかった。バリバリの成獣であった。シナ人を鼓舞するために言った言葉であった。

現代ではアメリカは中国にとって、完全にペーパー・タイガーに成り下がっている。とくにクリキントキ、オバマ大統領のもとでは加速している。間に挟まったブッシュは一期しか続かなかったし、ぴりっとした所のない無策な政府であった。

中国に対して一番効果的なのは経済制裁である。もっと正確に言えば「経済制裁から入る」ことである。トランプはこれを断行しそうな気がする。中国経済をつぶしてしまえば問題は解決するだろう。しかも崩壊の兆しが濃厚な現在の中国経済の状態ではこれが一番有効な政策である。

勿論アメリカや西欧日本も相当な影響がある。だからしないのだが、長期的な戦略の観点から言えば中国政策は経済制裁しかない。最近のアメリカがだらしがないのは、経済関係を強化すればするほど、アメリカは骨がらみになって有効な中国政策が打てなくなるのは分かりきっているのに、中国に経済的に深入りして行くことだ。勿論短期的にはいわゆるアメリカのグローバル企業にとっては、これが一番美味しいからそうするのだが。>>