前回の記事大いに反発と誤解を招く可能性があるので補足しておこう。
これまでの報道で伝えられるところによると、日本は膨大な経済協力を極東ロシアの経済開発につぎ込むらしい。すなわちそれに伴って沿海州やオホーツク海の安全性の確保は日ロ双方の死活的関心事となる。軍事同盟がそれほど突飛なアイデアとは思えない。
問題は過去の第二次大戦週末時に前科のあるロシアが信用出来るかどうか、の見極めである。つまり日ロの共同権益となる極東ロシアの安全保障の見通しが立たない限り交渉は妥結すべきではない。
サハリン・北海道間の海上輸送路(地下トンネルで結ぶという案もあるようだが)の安全性確保は至上命題である。東アジアの無法国家が現在尖閣や南シナ海で行っている不法行為が将来日ロの海上輸送路の安全性を脅かす可能性は十分に予想される。
ロシアが信用出来る相手であるならば日ロ軍事協力の一つとして北方四島のロシア軍基地は残しても良い。条件は沖縄の米軍基地の有り様を若干改善したものなら許容されよう。
安倍プーチンの個人的信頼関係はあるようだが、国家は個人の信頼関係を超えて永続する。ロシアが将来にわたっても信用出来る国家であるかどうかの見極めが大切である。望ましいのは協定上制度的にしばりがかけられる妙案があれば一番良いのだが。
山県有朋の主戦論に破れた伊藤博文の日ロ協商の夢が実現するのかどうか。あと十五日あまりだ。