東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

維新後最大の国賊(3)

2007-06-27 07:00:05 | 社会・経済

直木の南国太平記が新聞の連載だったことは大きい。昔は学生が小説を読むと軟弱だと言われて、学校で見つかれば今で言ういじめ、制裁を受けた。家庭で小説を読んでいるところを見つかれば親にこっぴどく叱られたものである。一般の学校でもそうであるから軍関係の学校でエログロ小説を読んでいるところを見つかったら大変なことになる。

新聞の連載小説なら新聞記事を読むついでに毎日読んでもチェックが周囲から入らない。一日分の分量もわずかだからすぐに読み終えてしまう。タリバンや北朝鮮ではないから、新聞を読むぶんには文句をいわれない。

陸軍士官学校や幼年学校の生徒が寄宿舎から親の家に週末に帰って新聞小説を一週間分読むわけだ。部隊勤務の若い士官だって新聞は毎日読む。どうも困ったもんだ。

この小説の読者に与える影響はいかん。皇室に対する尊崇、敬愛の念を心の奥底から揺るがすものだ。とくに若い読者の無意識領域を侵食することははなはだしいものがある。

そこに大正デモクラシーだ。昭和初期の退廃的な風潮だ。モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール)、エログロ・ナンセンスだ。銀座の肉弾カフェである。若い士官が影響されないほうがどうかしている。

それに昔から日本の野心家の習性である、玉(ギョク)を握る、錦の御旗をおったてる、つまりミカドの権威を大衆操縦に利用するということがある。この二つが合体するのは自然の勢いである。

ここで年表を披露しよう。

南国太平記の連載が昭和5年6月から昭和6年10月まで

満州事変勃発が昭和6年9月18日

二二六事件発生が昭和11年2月26日

一連の軍クーデターの後始末ということで皇軍派の粛清を通して統制派といわれる東条英機らがクーデターの実質的果実を享受する(軍部支配の完成)。

二二六事件で銃殺刑を宣告されたある大尉だったか中尉だったかが、次のような趣旨のことを言った。われわれのいうことが天皇には分からないのか、天皇の発言はなんだ、天皇をお叱り申し上げる、そういうことなら、昭和天皇に退位してもらって秩父宮(三笠宮ではなかったと思うが)に即位してもらう、と叫んだというが、この将校の言動はまさに天皇を軽んじ、一方では利用しようという気持ちを示している。

南国太平記は戦後もまだ天皇制批判が強かったころ、たしか昭和30年代だったと思うが、どこかの出版社から再版されたようだ。しかし、その後は絶版になったのか、本屋の店頭では見かけない。文芸春秋社も恐れはばかってお倉入りにしているのかもしれない。

もっとも、直木三十五の小説そのものがほかの小説でも最近は出版されることがないようだ。たまに見かけて読んでみても(物好きに)、拙劣にして砂をかむように興味索漠としたものだ。これで直木賞を廃止せよという意味がわかったかな。

もっとも、これでオマンマを食っている物書きは困るだろうがね。


維新後最大の国賊(2)

2007-06-26 08:11:51 | 社会・経済

は誰であろうが。まず頭に浮かぶのは西郷隆盛である。日本歴史最後の内戦である西南戦争の首魁である。靖国神社にも祀られていない。しかし、彼は私の遠縁なんだよね。そういうことで扱いにくい。パスする。

そこでだ。明治維新の大業を烏有に帰せしめた昭和軍閥の台頭を許した珍書「南国太平記」の著者である直木三十五を指名する。今回のテーマは直木賞を廃止せよ、だ。この結論に持っていくには相当な腕力を必要とする。うまくいきましたら拍手喝采をたまわりますよう。

書誌:

南国太平記は昭和5年6月12日から6年10月16日まで「大阪毎日新聞」と「東京日日新聞」に連載された小説である。好評につき連載中の昭和6年4月に単行本として前編が、同年6月に中篇が誠文堂から出版された。後編は連載が完結した翌月には出版された。後編は番町書房からだそうだ。前中編と後編で出版社が違うのはどういうわけかな。印税の取り分ででももめたのかな。

解題:

種本は大正3年に雑誌「日本および日本人」に三田村鳶魚が発表した「島津家お油羅騒動」である。情報源は元島津藩士加治木常樹である(聞き書き)。さらにその元は幕末に島津久光の反対派西郷隆盛らが流布した政治パンフレットであると思われる。

内容は昭和天皇后の実家薩摩島津家のお家騒動を島津斉彬側、西郷隆盛側から描いている。現代にたとえれば昭和天皇后の美智子さまの実家を悪し様にののしるエログロ扇情小説である。雅子皇太子妃の実家のことを面白おかしく暴露する悪意に満ちた小説である。現代であれば市井の一個人であろうと直ちに名誉毀損、損害賠償の裁判をおこされるであろう。

昭和初期というのは面白い時代である。こういう小説が大新聞に一年半に渡って連載された時代である。しかも連載中にはやくも好評につき単行本が出るという盛況であった。そして爆発的な売れ行きからか、出版社で版権の奪い合いとなる。今からは想像も出来ない。今ではスキャンダルが売りの週刊誌でもこんな小説は連載できないだろう。

このような当時の世相は永井荷風の日記を読むとよく分かる。それが満州事変、515、226など一連の軍クーデター騒ぎでガラッと暗転する。

以下次号


ミートホープに見る疎外

2007-06-25 19:56:01 | 社会・経済

ミートホープのひき肉偽装表示のニュースを見ていて丸ちゃんの言う疎外という言葉を思い出した。注:丸ちゃん=カール・マルクス

たかだか従業員100人の小企業らしい。それも大した技術も必要ないらしいほとんど一次産業のような業態らしい。しかし、加工度があれだけになると、つまり肉がひき肉になっただけで、人間性との「疎外」の度合いが幾何級数的にあがるわけだ。

はたしてあの会社だけの問題なのだろうか。さらに言えば日本人のモラルが特別他国に比べて低いわけでもなかろう。外国はどうなんだろうなんて考えちゃう。今問題になっている中国の毒食品は別格としても、アメリカやヨーロッパは大丈夫なのかいな、と思っちゃう。

アメリカの企業文化のモラルが日本より高いなどということはまったくありえないのだからね。


維新後最大の国賊(1)

2007-06-25 05:37:41 | 社会・経済

行政改革法案(続き)、あるいは第二次東京裁判(続き)

&5 リストラの反動を警戒せよ、あるいは源氏の皆殺し作戦を参考にせよ

大正末から昭和はじめにかけての軍縮が軍事官僚を恐怖させた。軍縮が生半可に終わったので彼らの逆襲を許した。はじめは満州事変である。天皇陛下のお叱りも馬の耳に念仏、シナ事変、太平洋戦争へとパイの拡大にまっしぐら。

勲章ほしさ、(つまり軍人恩給に反映する)に軍事官僚は戦争を拡大する。軍人は海外出征の記録が恩給に直に反映する。今の役人がせっせと天下り先を増やしていくのとおなじ効果がある。

わたしの曽祖父は陸軍大学の受験に二度失敗した。あっさりとした性格で利益に恬淡とした性格だったので、たいていの軍人は三度、四度と受験を繰り返すのにあきらめてしまった。実家が家作を多く持っていて豊かだったこともあろう。人格者だったからね。

大佐を最後にさっさと退役して田舎に引っ込んでしまった。それでも、海外出征記録はこまかく記録していた。北清事変で見習士官として北京に進駐したときから、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦のチンタオ(青島)のドイツ要塞攻略戦まで日本出港から帰国までの日時を記した詳細な記録を持っていた。

安倍首相が行政改革法案の成立を目指しているが、よほどしっかりとしていないと、役人に逆襲されて昭和初期のようにかえって病状を悪化させる。腹をすえてかからなければならない。かって源氏が平家の残党を過酷に根絶やしにしたように非情な覚悟で望まなければならない。


精密機械を作るつもりが暴走ロボットに

2007-06-24 06:44:24 | 社会・経済

## 第二次東京裁判を提案する(2) ##

&3 精密機械を作るつもりが暴走ロボットに

維新政府は明治初年から軍事官僚育成の制度を作り上げてきた。例を陸軍にとる。維新80年を通して何回か変更を加えられたが、基本は陸軍幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学の流れである。

維新政治家の手足となる軍事精密機械が不可欠であり、欧州の、主としてプロイセン(ドイツ)の軍事官僚養成制度を参考としてきた。

さて、陸軍幼年学校は今で言うと中学二年生程度から高校低学年程度の年齢を対象としている。その上の陸軍士官学校は高校から大学教養課程程度、陸軍大学校は隊付の経験をした大尉以下の将校から試験で選抜する。もちろん幼年学校も士官学校も試験がある。

陸軍大学校を卒業したものが今で言う上級国家公務員である。軍官僚機構の要職を独占する。したがって野心のある将校は受験に失敗しても三回でも四回でも受験する。これに失敗すると終生部隊勤務で大佐どまり、連隊長どまりで退役する。

陸軍士官学校には二通りのコースがあり、一般の中学を卒業したものが受験することも出来る。もうひとつは陸軍幼年学校の卒業生である。のちに陸軍大学校を卒業しても幼年学校卒業生がキャリアでも優待された。つまり、こどものころから軍学校で純粋培養されてシャバの空気にふれたことのない連中が重用されるわけである。

皮肉なことに明治日本を指導してきた維新の元勲たちが次々と世を去っていく大正年代になって、軍の官僚機構が整備され、軍学校で純粋培養された連中が幅をきかすようになった。軍事バカ、軍事オタク、戦術バカの政治知らず、世界知らず、世間知らずの連中が暴走ロボットと化して維新の志士たちが苦心して作り上げた偉業をぶち壊したのである。

次回:官僚をリストラするときに情け容赦は無用、大正軍縮の反省


大宮のJR架線切断事故

2007-06-23 07:11:50 | 社会・経済

昨日の京浜東北線の事故だが、ニュースというのは分からないことを知るためにあると思うのだが、例によってニュースを見ると新しい疑問がどっと出てくる。私の先生が新しい質問が出てくるのが良い解答だとおっしゃたが、日本のマスコミもなかなかだね。

エアセクションとかいうところで電車が止まったので過剰電流が流れて架線が溶けてしまったというのだが、このエアセクションというのは3キロから4キロおきにあり、長さが50メートルから100メートルだそうだ。テレビで見た数字を下記サイトで念のため確認した。http://www3.nhk.or.jp/news/syoten/

これを見るとよほど運転に注意していても、うっかりとエアセクションのしたに停車することがありそうだ。電車そのものも首都圏では長さが2,300メートルはあるだろう。こんな危なっかしい架線の張り方をなぜしているかが知りたいわけよ。

純粋に電気工学的、鉄道工学的なものでほかにオプションがないのか、あるいは主としてコスト削減的な意味で今の方式が取られているのか。JRは溶けにくい架線に変えることを検討すると今頃言っている。昨日のような事故は全国のJRで時々起きているらしい。昨日の事故は首都圏でラッシュアワーに起きたこと、復旧に長時間かかり、乗客誘導に不手際があったために大きな影響が出たということだろう。

私鉄でもおなじ方式なのか。似たような事故も起きているのか、その辺も調べて報道しないといけない。もっともテレビの第一報は速報だからしょうがないかもしれないが。それにしたって各社には鉄道記者がいるだろう。もそっと気のきいた報道をセイ。


有識者という馬鹿の一つ覚え

2007-06-21 19:43:36 | 社会・経済

このごろ何かあると「有識者の委員会を作って検討してもらう」なんていうことを言う。てめえたちは何で給金をもらっているのだ。

大体役人が政策つくりに参加するのが問題ナンダがね。作って問題が出てくると有識者に、という遁辞だ。ふざけるな。

もっとも一応政治家ということになっている総理、官房長官、大臣も自らの無能をさらけだし、恥も外聞もなく、やたらと有識者会議を作る。いい加減にしろ。

マスコミも国民もそういわれとなんとなく納得しちゃうから情けない話だ。責任のない有識者が政策立案に関与してどうする !!


やっぱ、パチンコ

2007-06-20 21:09:15 | 社会・経済

週刊現代ばかりほめるな、とお叱りをいただいたので、今回は週刊ポスト。

6月29日号に「朝鮮総連借金逃れに手を貸した公安元長官の裏家業」という記事がある。それによると、緒方元公安調査庁長官はパチンコ関連のICFとか梁山泊グループの監査役をしていたそうだ。

検察畑だとせいぜい公証人くらいかなと素人考えで考えていたら企業の社外監査役というのも多いようだ。緒方氏は検察出身でも公安調査庁にいたので在日産業であるパチンコ関連に警察OBと同じように天下ったようだ。

ミイラ取りがミイラにならないといいがね


ふるさと納税大賛成

2007-06-17 08:28:22 | 社会・経済

大賛成である。かねてから東京が、大阪などの大都会もそうだろうが、田舎ものの運動場になっていることを苦々しく思っていた。田舎ものが東京に入り込んで飛んだりはねたり荒らしまわっている。困ったものだ。

大賛成という意味は実質的な運動場使用料金を高く設定するという意味合いでなら賛成ということである。その一案として東京入場のハードルを高くするなら結構だ。いってみれば東京ディズニーランド入場料だね

自動車の渋滞を緩和するために、ナンバーコントロールとかいうのを実施している都市があるだろう。ロンドンなんかだったかな。たとえば月水金は自動車番号の末尾が偶数しか郊外から都市部に入れない。火木土は奇数番号しか入れないとか云うアレサ。

したがって、ふるさと納税は現在払う税金は一銭もまからない。その上で出身地の自治体にも税金を払うというならきわめて正当性がある税制だ。これなら石原慎太郎君も賛成してくれるだろう。都市政策にも、環境対策にもなる。ふるさと納税ってそういう意味だろう。


朝鮮総連本部土地建物の架空売買事件

2007-06-14 18:56:56 | 社会・経済

&& その後の報道を見ると、緒方というのは完全に欲ぼけの老人に成り下がったというところが本当らしい。段々とつまらない話になってきた。

& 今日18日朝鮮総連敗訴の判決があった。緒方元公安調査庁長官と土屋元日弁連会長の記者会見があった。今日の進展や記者会見の両人の表情を見ていると、下記のプロット5の可能性が高いようだ。

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奇奇怪怪だね。小説に仕組んでやろうかな。いくつかプロットを考えた。皆様の座興に供する。

1・元公安調査庁長官や総連の代理人という土屋弁護士が根っからの在日シンパで差し押さえから守るのにひと肌脱いでやろうと考えた。緒方元長官や土屋弁護士の記者会見での公式発言をそのまま受け取るとこうなる。

さらにひねって、両人が実は学生時代から秘密共産党員であった、あるいは北朝鮮のインプリントした秘密労働党員であったとすると、かなりスケールの大きいスパイ小説になる。つまり50年以上も、いわゆる、スリーパーであったとする。

2・緒方、土屋両人が弱みを握られて脅迫されてやっている。女性スキャンダルかもしれないし、金銭的なスキャンダルかもしれない。

3・両人の家族が誘拐拉致されて人質になっているのかもしれない。半島人得意に手だからかなりリアリティのある小説になるだろう。

4・両人が買収されている可能性

5・

六月18日の判決で敗訴し、資金回収機構に差し押さえられる可能性を回避するために、朝鮮総連が買い手を捜してあせりまくっていたというのは本当らしい。そして実際に買い手がついたのではないか。しかもそれが外国人、アメリカ人かもしれない。ヒル国務次官のあたふたした行動に象徴されるようにアメリカ人はいまや北朝鮮利権に狂奔している。数年前にアメリカが中国にべったりし始めたときのように。あるいはフランス人とか欧州の金融機関などが買い手としていたのかもしれない。たとえば20億円くらいのディールでまとまりかけた。

問題の不動産が所有者を変え,しかもそれが外国人だった場合、日本政府はほとんど手が出せなくなる。そこで緒方、土屋は、少なくとも緒方は日本政府の意を受けて20億円を上回る35億円をオファーして契約を横取りする。両人の聴取や家宅捜索はこの場合、当局との八百長だったことになる。

そして、疑惑の売買契約が報道されて、結局出資者がオファーを引っ込めたという形にして、6月18日前の所有権移転を阻止する。

もっと面白くするためには、アメリカ人やフランス人などの買い手も日本政府によるおとりだったとすることだろう。

6・いまだに日朝国交回復の見果てぬ夢を追うという小泉純一郎前首相が一枚かんでいる可能性もある。いずれにせよ、緒方元公安調査庁長官は一介の官僚あがりである。小心な元官僚には今回のような大胆な絵図を自分のイニシャティブで描けるような度胸はない。

さて皆さんはどれを買いますか。もっと面白いプロットがあればコメントでリライトしてみてください。

& ところで、公安調査庁長官はどんなところに天下りするンだろうか。緒方氏は年齢からして退職してから10年以上たつのではないだろうか。その間どんな生活をしていたのかね。

もともと検察畑らしいが、あまり天下りが多くないところのようだ。せいぜい各地の公証人役場くらいかな。マスコミもこの辺を調べて欲しい。投資顧問会社の社長なんか縁がなさそうだけどね。今の会社の社長には今年になって、取引の直前になったという。前の社長とは面識もないそうだ。察するに、この取引のためのペーパー・カンパニーで、休眠中の会社を買収したのではないかな。

今度の取引はかなり特殊なようだ。代金が契約時に払われていないというのも異例だが、そのほかに、新聞報道によれば朝鮮総連の建物の使用権はそのまま認めている。また5年後には総連が買い戻す権利があるという。かなり特殊な取引だが緒方氏は専門知識があるのかね。スレスレ・ビジネスに精通したエキスパートのブレーンがいる感じだ。