東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

騎虎の勢

2017-05-30 02:14:42 | 半島情勢

虎に乗って走るもの(虎を駆るもの)は勢いがつけば引き返したり途中で止めることは出来ないということである。

 アメリカはシビリアン・コントロールというが、程度問題であろう。軍事行動に関しては例外たり得ないであろう。一地域に空母三艘を展開するというのはあまり聞いたことがないが、ここまで勢いを付けてしまえばアメリカでも勢いを止められるものだろうか。

 記憶している所ではたしか二〇世紀の終わり頃、台湾の総統選挙を牽制するために支那が軍事演習をした時に、アメリカは空母二隻を派遣した。それで支那は挑発を中止した。イラク戦争の時にはアメリカは空母二隻を派遣したのではなかったか。三隻というのは聞いたことがない。

 ここで軍事作戦を中止することが可能なのだろうか。全速力で走行する新幹線を百メートルで止めようと無謀な急ブレーキをかけるようなものではないか。北が全面的に屈服しないかぎり軍事行動は必死と思われる。

 

 


安倍首相の漢語センス

2017-05-21 09:40:24 | 森友学園

このブログ二週間近くさぼっておりました。ブログはまめに更新することが大事です、特に弱小ブログでは。そこで多少埋め草的でありますが筆が乾かないうちにひとつ。

 安倍首相には加計学園問題というのが出てきましたね。加計というのに愛媛県というので妙だと思いましが、加計というのは地名ではなくて人の名前なんですね。安倍首相には森友もそうだけど、文教関係のトラブル(野党のしかけるという意味)が多いのも妙ですね。安倍さんは文教官僚に恨まれているのかな。天下り問題で大量粛正したからかな。いずれにしても彼らがリーク元らしい。

加計氏は安倍さんの「腹心の友」だそうです。たしか広辞苑の語釈その三には何事も腹蔵無く話せる長年の友という意味がある。古典に出典もあるようだ。しかし、あまり聞かない表現だ。だから知識をひけらかしたつもりかな。

 普通はこう言う時には莫逆の友という言葉が耳になじんでいる。安倍さんは「影のお師匠さん」に教えられてことさらに「腹心の友」という言葉をつかったのかな。あまり漢語の、少なくとも日本的使い方では、センスがない。

 腹心の友というと「何事も打ち明けて相談できる友」という意味であり、今回の場合は秘密裏に談合する仲とも取られかねないのではありませんか。注意しなければいけません。

 腹心の部下とはよく言いますけどね。秘密のはかりごとを打ち明けたり命令したりするときにね。ひょっとすると安倍さんは「腹心の部下官僚にやらせたのにどうして漏れたのだろう」と思ってつい「腹心」と言ったのかもしれませんね。

森友問題でも財務官僚を切り捨てると同じ事をされると恐れているのだろうか。

 

 


安倍首相の器を計量する問題;補足

2017-05-09 18:20:26 | 森友学園

& 財務官僚を切り捨てると彼らの復讐が怖いのか。

復讐のために暴露されてこまるような、脛に傷があるなら政治家の資格はない。

もしそうだとしたら、部下の官僚の仕返しを恐れる人間には大政治家の資格はない。

 

& 財務官僚の上のほうをまとめて切り捨てると財務行政に支障をきたすのか。

もしその程度の人材のプールしかないなら安倍首相にはまともな財務政策、行政を遂行する能力ははじめからない。


安倍首相へのリトマス試験紙

2017-05-09 11:15:02 | 森友学園

昨日国会でまたぞろ森友問題が取り上げられたようである。この問題は大きいのか、小さいのか。それは議論の立て方によって変わってくる。しかしこれが非常にわかりやすいリトマス試験紙であることは間違いない。

 安倍さんがこれをどう切り抜けるか、処理するかによって安倍首相の政治家としての器が推測できる。頬被りをしてこれまでののらりくらりの答弁を繰り返して財務官僚に丸投げするのも一つの方法ではある。しかし、これで彼の器量は底がわれたとみるべきであろう。来年の総裁選挙で無条件におせなくなる。

 私は安倍氏を首相として今しばらく日本には必要と考えるが、底割れを見せた彼を積極的に支持するつもりはない。前から言っていることであるが、この問題の切り抜け方は「財務官僚の損切り」しかない。当時の当事者(財務局長)や国会でああいう破廉恥な答弁をするのが親方大事のご奉公だと勘違いしている大学を卒業したばかりのような発育未熟のバカ面をした、佐川といったかな、名前を間違えたらごめん、は即刻罷免解雇すべきだ(更迭ではあますぎる)。

 公務員の身分保障と言い出すかな。だいたい政治家に準ずる高級公務員に身分保障などちゃんちゃらおかしい。政治家として責任をとらせるべきである。アメリカではあのレベルのポストは政治任用だし、政治家並みの責任を取らせている。

 高級公務員の忠義とはなにか。いうまでもなく政治家を補佐輔弼することである。それができなければ即刻解雇すべきである。親分の奥さんの名前が校長にあるから、なんでも意向を忖度するというのは補佐でも輔弼でもない。忠義とは親分に将来迷惑のかかりそうな案件かどうかは役人の権限を発揮して調査して危ないと思ったら親分に意見具申することである。今回の場合、籠池氏側に奇矯な言動や問題の多いことは調べればわかったことだろう。それが無理でした、というなら親分の役にはたっていない、ということだ。

 安倍首相の責任については(問題についての、であって、今後の問題の解決の、ではない)無理もない点があると考える。首相ともなると、有象無象がよってきていろんなことを言う。表面的に良さそうなら多忙な首相が細かいことで膨大な案件にいちいちケチをつけることは物理的にできない。そこを補佐するのが側近である、高級官僚であり、秘書である。その周りの防波堤に穴が開いていてはどうしようもない。

  事が起こった後では首相のような立場の人間がとりうる方法は一つしかない。勝手に忖度して輔弼の責任を果たせなかった財務官僚は切り捨てるしかない。江戸時代の言葉で言えば財務属僚たちに「切腹申しつくる」しかないのである。これが安倍首相にできるかどうかで来年以降続投できるかどうかが決まる。

 財務官僚を無慈悲に損切りすれば、これを機会に官僚たちも補佐輔弼とはどういうことか真剣に考えるようになるだろう。もし今彼らを切り捨てなければ安倍首相は亡国のきっかけを作った首相と後世非難されるだろう。

 


マクロン新大統領の目つき

2017-05-08 09:11:36 | 国際・政治

目は心の窓と申します。マクロン氏で気になることは追い詰められたとき、あるいは緊張したときに目つきがおかしくなることです。こういうことに気が付くのはテレビ観戦のメリットですね。選挙中ルペン氏に追われていた時にしばしば見せていました。

 今朝の大統領当選後は余裕ができたのでしょう、それほど彼の目つきは気になりませんでした。人によってはトランプ大統領やルペン候補の言うことを奇矯として反発や警戒することはあるでしょう。しかしトランプ、ルペン両氏の目つきに「異様さ」を感じることはありません。

 マクロン氏の目つきが気になるというのは些細なことでしょうか。これからの大統領の職務でプレッシャーのかかることが多くなると思いますが、そういうなかで彼の邪眼が出てくるのかどうか気になります。

余談をひとつ、今朝のルペンさんの映像、鼻のあたりが青く夜光虫のように光っていましたが、あれは特殊な化粧がああいう反射を呼んでいるのでしょうか。どうでもいいことですが。

 政治家ですから言動も重要な判断材料ですが、目つきは内面的、本質的な特徴を示すわけで注目することも大事です。

 トランプ大統領の言動は意識して相手の裏を読みながら発言している演技のように見えます。39歳のマクロン氏の場合、内面がもろに出ているようだと危険です。

 


主権在憲(法)

2017-05-04 08:27:59 | 憲法第九条

昨日は憲法記念日だったてね。日本は主権在民ではない。主権在憲(法)である。こんな国がほかにあるのかね。憲法が基本法であることに異議はない。現に国によっては「基本法」と称している。

 主権在民なら憲法は常に国民によるアップデート、ファインチューニングの対象でなければならない。

 基本法であるからには解釈に可能なかぎり恣意性、多義性の余地を残してはならない。現実の情勢を無視した女学生の作文であってはならない。つまり具体的、明確で現実に的確に対処出来るものでなければならない。

 曖昧で現実に対応しなくなっている憲法を唯一無二の聖典とあがめるのはドグマ主義である。しかも憲法の条文は幼稚で曖昧であるからつねに解釈者が必要となる。しかもその解釈者は民意を反映し、民意の批判に耐えうる政治家ではなくて内閣法制局、最高裁判事*など民意のスクリーニングを受けることのない(つまり解釈の責任を国民から問われることのない)官僚たちである。

*    最高裁判事には総選挙のとき等に添え物的にマル・バツ信任投票があるから民意の批判を受けるという意見があろうが、本当に信任を受けたいなら政治家同様選挙に立候補して国民の信任を受けるべきである。内閣法制局にいたっては役人にすぎない。*

 司法の行政、立法からの独立とは法律で明確に定められている(解釈の余地のない)法律の適用が行政や立法からの干渉でねじ曲げられるのを排除するということである、大津事件のように。

 司法の独立とは本来国民の判断、政治行政の判断によるべきものを司法が勝手にこっちだ、あっちだということではない。

 私は昭和22年の憲法は必然的だったと思っている(歴史的にはね)。当時の事情を考えなければならない。アメリカは日本人を根絶やしにするつもりであったし、日本の産業が永久に二度と立ち上がれない様にするのがアメリカ占領軍の明確な方針であった。

 そして日本人は敗戦で腰が抜けた状態であって極限的な飢餓状態にあった。この茫然自失状態がアメリカ占領軍民政局のお下げ渡しになる憲法を受け入れる素地であった。要するにだね、マルクス主義者流にいえば「歴史的必然」であった。

 東西冷戦の勃発、そして朝鮮動乱によって世界で唯一冷戦が熱戦となった極東でアメリカは対日政策を180度転換させた(世にこれを逆コースという)。そして昭和二十七年の一応の独立回復、所得倍増計画成功などにより日本人は抜けていた腰が据わり出したのだが、まともな憲法を持とうという機運が大勢とはならなかった。その理由は多く既に語られているとはいうもののまだ議論は練り込まれていない。

 


トランプ大統領の皮肉な賞賛(当てつけ)、もう一つのフェーク・ニュース

2017-05-02 19:32:49 | 半島情勢

前回アップしたトランプ大統領のkimジョンウン評。

インターネットで欧米の報道を二、三見たが、どこも例のスマート・クッキーを単純に賞賛の言葉ととっている。せめて皮肉な賞賛とか皮肉を込めた当てこすり(の褒め言葉)と書いてほしかったな。

 これはわたくしの英語力の貧弱なためか、欧米の新聞がトランプ大統領の言葉を正しく捉えていないのかどちらでしょう。わかりきっているって、そうかもしれませんね。

 こういう理解力だからトランプ大統領にフェーク・ニュースと言われるのではありませんか。


金ジョンウンはSmart Cookieである

2017-05-02 07:54:24 | 半島情勢

昨日からのニュースでトランプ大統領がインタビューで、金は「利口な男である」とか「頭が切れる」と言ったと報じられた(テレビ局によって訳し方が違う)。一体どういう表現をしたのか、きちんと適切に訳しているのか疑わしいと感じていた。

 今朝のNHKのニュースで字幕の他に音声も聞けた。該当する表現はsmart cookieだった。smartは利口な、と訳してもいいだろうが、cookieはちょっとニュアンスが違う。

 スラングでcookieは女性に対して「かわい子ちゃん」という意味がある。クッキーみたいに食べて美味しい、簡単に噛み砕ける(扱いやすい)といったことからきているのだろう。また、男性に対して言うときは「ひと、やつ、おとこ」という意味であるという。トランプ氏はいくら金がいきんでもぼりぼり食べちゃうぞと言っているともとれる。あるいはそのすごみ方が女性的で可愛いという皮肉か。

 英和辞典はしばしば意を尽くしていないことがあるので、英英辞典をみた。次のような例文が出ていた。

 Tough/smart cookie: someone who is smart and successful,

and knows how to get what they want.

 Kim is a smart cookie. He knows how to play politics.

 今朝見たトランプ大統領のインタビューはこの言葉が出る前に、こんなことを言っていた。「彼は若くして権力の座に付き、短期間で彼の地位を狙う政敵を粛正して地位を固めた」。だからスマート クッキーである、というのである。これを単に「頭がいい」と訳されちゃね。

 

 


北ミサイル工業水準

2017-05-01 08:13:01 | 半島情勢

こんなことは専門家には分かっているのだろうが素人向けの解説は見かけない。国民に情報を開示しないのは政策的意図的なのだろうがド素人として素朴な疑念があるので指摘(質問という意味です)したい。

 個別生産では相当高い水準のものを作って驚かせるという国がある。中国の有人宇宙船などがそれである。しかし、量産とまでは言わなくても、多数の同様の製品を生産ラインに乗せられる能力というのはまったく別のものである。つまり戦略的軍需品としての供給生産能力の有無が重要である。

 工作機械はもとより多種の部品も自国内で全部生産出来、きちんと品質管理が出来て均質の製品が量産出来るかどうか、である。重要な部品はすべて西欧から輸入(密輸)して賄うようでは品質管理は出来ない。まして厳しい国連制裁を誤摩化して密輸しているようでは求められた規格の優良部品を必要な量だけ調達出来るかどうか疑問である。

 それらの部品を寄せ集めてミサイルを組み立てるというのは、いってみれば秋葉原の電気屋であっちで少し、こっちで少しとバラバラにパソコンの部品を集めて来てDOSVマシンを組み立てるようなものである。

 相次ぐ北の発射失敗はそろそろ優良部品の密輸がうまく行かなくなっている証ではあるまいか。そう言う意味では制裁の強化、編み目を細かくすることは有効かも知れない。