東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

稀代の悪ゴーンと不浄役人の勝負

2019-04-27 10:46:33 | 街で拾った話題

 江戸時代に発した不浄役人という言葉は今日死語に近い。

 今日日(キョウビ)人に聞くと「贈収賄官僚のことですか」と言うだろう。そうではないのだ。不浄役人とは警察、検察官僚(江戸時代のそれに相当する役人)を罵った言葉である。

  自信のある証拠もないのに、ひっとらえてぶっ叩いて証拠をこしらえ上げようとする。犯罪、犯罪人は不浄であるから、彼らを扱う汚わい屋という意味ではないのだ。

  ところで起訴もせずにゴーン被告を長々と拘留したのはこの方法がうまくいかなかったからである。このブログでも前に書いたが、検察の「壮挙」はアメリカ司法当局からの情報を十分に得たうえで踏み切ったのだろうと推測した。マネーロンダリングなどの情報把握はアメリカがずば抜けているからね。ところがそういう情報はたいしてなかったらしい。また、日産の提供する内部情報が十分な証拠になると踏んだうえでの逮捕拘留だと、だれでも思うわな。ところがその後の検察の態度を見るとまったくの「あてこみ」でやったらしい。

  いつもは成功率ほぼ100パーセントという日本国民相手のぶっ叩き、恫喝、脅迫が世界をまたにかけるツワモノのゴーンに通用するわけがない。検察もこれ以上見苦しい真似はしないほうがいい。「証拠隠滅」など出来ないように証拠を固めてから出直すことだ。

 「証拠隠滅の恐れ」などと騒ぐのは証拠を握っていないことを白状するようなものである。

 

 


安倍宰相論

2019-04-11 09:53:39 | 街で拾った話題

 政治業としての「安部」屋は退化の歴史のようである。主義主張の善悪は歴史の審判に委ねなければならないが、力量というか力能は二代目三代目と劣化している。

  晋三氏は良家のお坊ちゃんであるからしっかりした守役が付いていれば安心である。最近は安全保障、外交分野を除いて良い守役(安倍ターミノロジーでいえば令なる家庭教師)がいなくなった。おそらくみな老齢で消えたのであろう。安倍晋三氏も、もう結構な年齢だから守役たちも高齢で一線から退いたと思われる。

  言うまでもなく強大な権限と広大な守備範囲を持つ国政はチームでなければできない。良き守役の去った彼の周りには、忖度茶坊主と恫喝屋ごろつきしかいないようである。政治家の力量は周りに集める人物や周りに寄ってくる人物の程度で判断できる。

  之によって此れを観るに、安倍政権の賞味期限は切れつつあるようである。

 


令和考贅言

2019-04-08 08:49:50 | 生前退位

 「巧言令色鮮し仁」とは論語にあるが、令の意味は「他人の気に入るように取り繕い飾った顔つき」という意味である。ようするに真心からの素朴な美しさではなく、老女の、芸人の、女役者の、厚化粧のようなものである。ポジティヴな意味はまったくない。政治家のパーフォーマンスのようなものである。良い意味は一つもない。

  これも贅言の贅言であるが、令月を良い月と解釈するのが通例らしいが(安倍首相の取り巻き学者によると)、「早春の令月」は前に述べたように「早春二月」と解釈すべきではなかろうか。注

  それにしても、よりによって酷い元号を選んだものだ。あとはひたすら凶運を呼び込まないように注意するしかない。

 注:いま気が付いたが序文に「天平二年正月十三日師老の宅にあつまりて宴会を申す也」とある。とすれば令月とは二月ではない。訂正します。しかし旧暦正月はだいたい今の二月である。月を愛でながら宴会というからには夜であろうが、厳寒の夜に宴会をするものであろうか。現在の三月末の夜桜見物でも相当に寒い夜がある。かりに屋内で宴会をしたとしても、ガラス戸の無い当時窓(障子?)を開け放さないと庭は見えない。寒さは野外と同じだ。

ところで最近はコンピューターで昔の月齢が計算できるソフトがある。天平二年正月十三日は満月だったか調べるのも一興だろう。正月十三日を太陽暦に変換することも忘れないように。

テレビでみると大宰府の博物館には問題の梅花の宴の模型(フィギュアというのか)があるが、どうも屋外、庭での宴会のようである。お月様が出ていたかどうかは確認できないが。お寒いことで。

さらに追加:令月の月はmoonではなくてmonthなんだ。令はgoodとかluckyとかで吉日の吉に当たるのが令で、つまり新春吉月ということなんだな。いずれにせよ極めてシナ的だ。やまと言葉ではない。

 

cky

 

 


私も浮かれてしまった、令和改元始末

2019-04-04 20:00:34 | 生前退位

 元号問題には特に興味があったわけではないのだが、世間やマスコミがものに憑かれたように騒ぐのでこちらまで浮かれて長々と書いてしまった。

  出典問題については漢籍であろうと日本の古典であろうと気にはならない。日本の教養人にとってシナの古典は欧米人にとってギリシャ・ラテンの古典と同様の関係にあり、国がどうだとかこうだとかいう問題とは関係がない。しかし、これまでの出典がほとんど(全部かな)漢籍からだし、選択の幅の厚さ(深さ)は漢籍のほうがはるかに豊富だから、漢籍のほうがいいかな、というくらい。ナショナリズムとは関係ない。この点では安倍首相や取り巻き似非右翼主義者の主張はピント外れである。

  古典時代(後漢までかな、歴史についての見識があるわけではないが)のシナ文化と現代大陸に蟠踞しているいわゆる中国人とは精神文化的には関係ないといってもいい。大体この二千年の間、シナ人がいわゆるシナ大陸全体を支配していた期間は千年にも満たない。唐、明,宋の三王朝くらいだろう、中国人の独立統一国家だったのは。残りの期間は外国人の支配下にあったか小国分裂の混乱時代である。いやらしい植民地根性に染まり古代とは精神的には全くの別人種になっているといっても過言ではない。

  ただ、これまでに書いたように、令和のようにむちゃくちゃなのはいけない。和書(国書)であれば何でもいいという乱暴な意見はいただけない。それも実は国書とは言えない性質の典拠を得意げにいうのは気持ちが悪いというだけのことだ。


無学の恥を内外に晒した元号制定

2019-04-04 09:54:13 | 生前退位

 まず前々回の補足;令には相手を尊敬する、良いという意味があるという。それは正しい。しかしそれは令の語釈としては下位に来る。それは漢和辞典に例示されている。漢和辞典に例示されているということは日本に入る前にシナで確立した語法であって、やまと言葉ではないことを示している。本居宣長なら日本の古語としては認めなかっただろう。

  万葉集から採ったというが、梅花の序文はよほどの専門的な書物でないと収録されていない。私も初めて知った。見ているのは久松潜一氏の編纂した講談社文庫全五冊である。したがって国民に広く受け入れられているとか浸透している文章とは言えない。

  また、だいぶ前の支那の文選からのコピペであると報道されている。日本の漢詩文、とくに古い時代のものはシナ古典のコピペばかりである。石を投げれば必ずシナ古典からの孫引きに当たると言っても過言ではない。

  それは現代風の意味での盗用ではない。故事古典に典拠して文章を書くというのはシナでも日本でも漢詩文作成の基本的作法である。むしろ典拠からのコピペが多いのは学識の深さを示す指標である。

  勿論コピペしながら自分独自の味を加えていくところが読みどころである。ところが今回の令和の二字はもろに文選からのコピペの部分にある。日本人の序文作者の独創部分からの引用あるいは典拠なら許せるが、よりによって孫引きの部分から採ってくるとは学識の無さをさらけ出している。

  今回の元号は無学の恥を内外に晒している。

  要するに日本の古典の序文とかいわゆる文章から採録するなら、必ずと言ってもいいほどシナ古典にさかのぼることになる。和歌の部分のやまとことばから採録するならそのようなことはあるまいが。

 


オレもしつこいね

2019-04-04 08:30:01 | 生前退位

 あんなに安っぽい政治ショーにしなければ私もスルーしたかもしれない。

 それにしても安倍首相の無学ぶりにはあきれる。毎度のことではあるが。よきプロンプターが

いないと,ああもひどくなるものか。

  首相をとりまく有識者(すなわち無識者)の無学、無定見、気骨の無さにも呆れるが。

 


令和はシナと日本の雑婚的ひびきあり

2019-04-03 23:41:48 | 生前退位

 語感あるいは語の感触からすると、令という言葉にはやまとことば的な手触りはない。いかにもシナ的な響きである。和は大和の感触がある。要するに令和という組み合わせはシナ人と日本人の雑婚のような印象である。

  むしろシナ人にはしっくりとくる造語ではなかろうか。二字を組み合わせたのだから全体として無理のないつながり、あるいはまとまりが必要だが、それもない。

 令和とはOrder and Harmonyなのか、あるいはOrder for Harmonyなのか、はたまた

Harmony through Orderなのか。令というのはシナ語の助辞としては「せしむ」という使役の使いかたがある。つまり和を強制する(もちろん権力、強制によって)というふうにもとれる。ようするに反論を許さずというわけである。シナ人ならこの解釈が一番自然ではないのか。なんだか北朝鮮的だね。

  ところが産経新聞によると外国マスコミの訳は誤訳だというのだな。ずいぶん滑稽な記事が今朝の朝刊に出ている。シャカリキに誤訳誤訳と騒ぎ立てている。産経は110円と安いこともあって贔屓にしているのだが、どうも企業ご用達の「産業経済新聞」時代に戻ったようである。

「欧米メディアの一部誤解?」という記事は一読憫笑の価値がある。

 日本の外務省は安倍首相の怒りを忖度して、大慌てで

Beautiful Harmonyだと宣伝しているというのだな。どうもどうも、ご苦労さまでした。

 


令和偶感2

2019-04-02 07:46:56 | 生前退位

 令和をBBCの報道ではどう訳したか。Order and Harmonyと伝えた。これが素直であり正調であろう。文字にはたいていの場合多義的な意味があるが安倍総理談話のように解釈するのはかなりの無理筋である。

  辞書を見ると令の語釈は

1;命令 2;法規 3;府県の長官などであり、それに類似する役職や条令が乗っているだけである。

 漢和辞典で調べると、1;神のお告げ、君主などのいいつけ、2;おきて 3;よい清らかで美しい、相手を尊敬して言う言葉、たとえば令夫人、とある。ようやく三番目の語釈に出てくる。

 ちなみに古語辞典(大修館)には令という言葉は収録されていない。

  昨日引用された文章には「初春の令月」云々とある。令月とは旧暦の二月を言う。それなら「梅花の開く初春の二月」と読めば極めて自然である。良い月とは相当な無理筋である。

  典拠なるものをむりやりこじつけるのはよくない。受け手(国民各層)がどうとるかが、その印象も大切(一番大切)である。典拠の小難しい屁理屈よりも文字から受ける第一印象がなにより大切である。普通の感覚で言えば英国BBCの訳(Order and Harmony)であろう。

  最初に聞いた時に私もそのように受け取った。世の中(国の内外)でまず国内法規、国際法規を守りましょうね、そうすれば平和になりますよ、というつもりだろうと考えた。こうなると国際法規を無視放擲する中国や南朝鮮向けなのかな、というのが第一印象。それにしては視野が狭いなと感じた。

  あるいはOrderすなわち法律やきまりをまずしっかり定めてということだから、安部さんだから、念願の憲法改正を新元号時代に実現するぞ、という決意表明かなとも推測したのである。

  いずれいせよ、令という言葉は国民と皇室の伝統的関係からみても全然そぐわない。248代の改元で令の字が一回も使われていないことも当然であったような気がする。

 どうも、この改元は凶とでる可能性がある。

 


令和偶感1

2019-04-01 20:20:14 | 生前退位

 第一印象はどこかのテレビの「街頭録音」で女子中学生が言っていた「ダサイ」に右に同じである。

  出典が初めて和書であるという説明にも違和感がある。シナの古典で一向にかまわないではないか。かえって劣等感を感じる。和書であるという説明にも違和感がある。引用されている文章は漢文である。勿論日本人が書いた漢文だからいいというのだろうが。

  現代のイギリス人が古代ローマの詩人の名句を引用したからと言って、現代イタリア人に劣等感、引け目を感じるだろうか。そんなバカなことは無い。あるいはアリストテレスの文章を引用したからと言って現代ギリシャ人に劣等感を感じるだろうか。そう思うなら、相当にバカである。

  すくなくとも和歌ではない。短歌ではなくて長歌かと思ったが、調べてみても該当する文章はない。テレビの解説も早いうちは何を言っているのかわからなかったが。

  夕方当たりの報道だと、梅を読んだ和歌についての解説文だそうだ。実は私も最初はそのたぐいの序文かなと思って調べたがない。古事記なんかには編纂の経緯を記した序文のようなものがあったと記憶していたので そういうものかな、と思ったのだが。

  この文章は万葉集編纂当初からあったのか。相当後代になってからの解説書、注釈書の類ではないのか。そうすると古典ともいえないが。