東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

関税収入を忘れていませんか

2019-09-02 07:25:34 | トランプ

 米中貿易摩擦の悪影響が云々されている。消費に対する悪影響だけが喧伝されているが一方では関税収入が増えて国庫に入る。その収入は財政収支の赤字を補填するだろうし、政府の消費者対策に投下されることもあるだろう。

  その辺の消息がマスコミには一切報道されない。常識的に考えれば(マスコミの知的レベルでは)消費に与える影響が関税収入の増加より比較にならないほど大きいと最初から検討もせずに、きめつけているのだろう。決めつけるのは勝手だが一応バランスシートを示してくれたまえ。それがジャーナリズムの責務というものだろう。

  関税10パーセントアップで消費が10パーセントダウンなら相殺される。関税10パーセントアップで消費が50パーセントダウンなら破滅的だ。しかしそんなことはありそうもない。

  前にも書いたが貿易戦争、関税合戦は我慢比べであり、短期的には絶対にどう転んでもウィンウィンの関係はありえない。長期的に見て、アメリカの国益の観点からみてアメリカが勝利すると見るからトランプは関税合戦をするのだろう。その考え方の是非を数量的に検討するのがジャーナリズムの責務ではないのか。

 


血と砂の条約

2019-06-27 08:16:15 | トランプ

 日米安保条約は血と砂の条約である。つまり日本防衛の為にアメリカの若い兵士は血を提供する。日本は基地を提供する。それは等価であるとの認識の下で条約は延長を重ねてきた。

 半テン狂で痴呆症の気味のあるトランプが一方的な片務協定であると言った、と報道されている。テレビのインタビューで言ったらしいからニュースはフェイクではなさそうだ。

 厳粛に認識すべきことは日本はこの70年間にわたって米軍基地への土地提供の犠牲を現実に、かつ忠実にはらってきた。普天間はその象徴の一つである。日本の負担は実質的つまり長期間にわたって実際に発生した犠牲である。

  アメリカは日本を守るためにこの70年間一滴、一ガロンのアメリカ兵士の血を流したか。否である。秤は日本側のほうが重く不公平である。

  アメリカ軍の基地は日本防衛のために使われたことはこの70年間一度もない。日本の米軍基地はアメリカのアジア政策と世界政策のためにのみ使用された。かっての朝鮮戦争やベトナム戦争の時には日本の基地は米軍の出撃基地として使用された。湾岸戦争、イラク戦争でも日本の基地はアメリカの死活的な後方兵站基地として使用された。アメリカがソ連との冷戦に勝利したのも在日米軍基地があったからである。

  血と砂の等価交換を否定し、アメリカの世界戦略をかってのモンロー主義に変換するなら日米安保を見直してもいいが、その 際にはこの70年間にわたる日本側の過重な負担を返済することが必要である。

  もし日本の基地が使えなかったらアメリカが朝鮮戦争で休戦に持ち込めたが疑問である。

  血と砂の換算率はフィクティシアスでもともと非常に人為的なものとなる。アメリカが見直そうというなら議論してもいいだろう。きちんと議論できる人が日本にいればだが。




為替相場と関税の関係

2018-10-12 08:07:02 | トランプ

 為替相場と関税の関係を示す式(経済学理論上の)はどうなっているのかな。相殺するような関係があるのではないか、と素人は思う。

  関税をかけられても為替レートを引き下げれば(具体的には元安)関税の効果はある程度相殺されるのではないか。中国はごく狭い範囲での為替の変動を認めるだけらしいから、政策として為替レートをそのうちに引き下げるだろう。もちろん影響は多国間にでるだろうから結果は流動的だろうが。ま、いずれにしてもカオスに向かうことは間違いない(中国を中心として)。

  問題はカオスで生き残るのは強者だけであるというこだ。トランプはアメリカだけが耐え抜くとという見通しでやっているのだろう。トランプは意外に計算高いのかも。北朝鮮に対する対応でもそうだ。あれは北をトリックスターにして中国を牽制しているように見える。案外計算高い利口な男かもしれない。本当はどっちに転んでもいいと思っているのだろう。トランプの相場師的感覚が当たるかどうか注目だ。

  ところで株が暴落したが、上げ相場での調整だろう。いささか乱暴な調整だが。二日目の下げは一日目より少なかった。これが日を追うごとに下げ幅がきつくなると調整ではなくて暴落と言うことになるのだろう。三日目の下げ幅に注目だ。二日目より小幅になれば調整ということがはっきりするだろう。

 


極秘情報へのアクセス権

2018-08-20 18:37:28 | トランプ

 アメリカでの話である。いま大変議論になっているという。辞任離職したCIA長官がもっている極秘情報へのアクセス権を次々とトランプ大統領が剥奪しているという。日本とは事情が違うのだろう。私は日本の事情も知らないが、情報機関のトップが職を離れれば極秘情報へのアクセスは出来なくなるというのが常識だと思うが、こう考えるのはおかしいのかな。ところがアメリカでは離職してもこういう権利を持っているらしい。それでトランプが自分に批判的な言動をする元長官に的を絞って個別に権利をはく奪しているらしい。

 (私の)常識では離職したら極秘情報からは隔離されるのが行政常識ではないのか。

 また、それを制度を改善して一律に禁止するなら分かるが、自分の気に入らない元長官だけを対象にするというのも理解できない。もっとも彼らがそれを不適切に利用したという理屈をつけてはいるようだが。

  日本では本当にどうなっているのかな。もちろん機密情報には長い経緯があるものもあるだろうから、従来の文書に残されていない経緯を知る必要がある場合もあるだろうが、その時は昔の担当者にその都度相談すればいい話で、その時には現在の情報も伝えるのだろうが。無条件に、自動的に常時、情報をながして(アクセスさせて)いいものだろうか。不思議な制度だ。

  トランプ大統領には精神病質的な不安を感じてはいるが、この件はそういう問題ではないだろう。

 

 


トランプ流ディール

2018-07-29 10:30:13 | トランプ

 北朝鮮との合意なるものの実態が分かってきたが、要するにトランプ流にいうと100円と売り出したバナナが5円で売れれば大成功という吹っ掛け方らしい。

  今度ライトハイザーとかいう通商代表が日本には攻撃的にやると議会で証言したらしいが、いらっしゃい、てなものだろう。

  ただ心配なのは安倍政権に気っぷのいい駆け引きが出来るかどうかだ。バナナのたたき売りトランプ相手に。大いなる不安を感じる。ま、うまくあしらえるかどうかが9月の総裁選挙の判断材料となるだろう。


イヴァンカ・ブランド

2017-07-10 08:56:06 | トランプ

G20でトランプが誰かと個別に会談している間娘のイヴァンカを出席させていたそうだ。どうも変だね。

 こういうこと、首脳が中座することは時々あるらしいが、留守中は担当大臣などが首脳の席に座るそうである。何を議論している時だったのかな。おおかた、保護主義か環境問題でトランプが妥協するつもりが全くない議題のときだろう。イヴァンカはテープレコーダーでいいわけだ。

 下手に閣僚を座らせると、トランプの意に反する発言をするかもしれないと危惧したのかな。もしそうなら政権のていをなしていない。

 ところでイヴァンカ・ブランドというのが衣料品であるらしい。しかもその工場は中国にあるという。こんな人物が対中交渉で強硬な姿勢が貫くことは無理だろう。安倍首相も用心しないといけない。勿論イヴァンカの商売はそう大規模なものではないだろうが、トランプの偏愛ぶりからするとイヴァンカに反対されたら対中政策は影響を受けることは間違いない。安倍さん、あんた、大丈夫なの。

 


フリン補佐官の辞表に疑問あり

2017-02-15 20:40:47 | トランプ

 マスコミ発表の理由ではよく分からない。政権発足前にフリンとロシア大使との間で制裁解除の話をしたのが理由らしい。しかしフリンの公表した辞表にはそんなことは書いていない(そんなことに責任を感じて辞任したとはかいていない)。マスコミはどこからあんな理屈を持って来たのだろう。

フリンの書いた辞表の理由は、会話の内容を不正確に副大統領にブリーフした責任を取るとしか読めない。会話そのものに問題を感じている形跡はない。

一体そんなことがあるのか、と思うのはフリン氏が情報作戦の最高のプロということになっているのに、盗聴されていることは明白なロシア大使と電話で機微に触れる会話をするほど不用心だろうか。これが例えば大使館の登録された電話ではなくて、潜りの携帯電話でCIAには知られていない筈と思った電話のやりとりなら、それは内容に関わらず疑念を抱かれるのは当たり前ではあるが。そういうことなのか。

その辺はCIAの調査も抜かりがないはずで、陸軍の情報部門のトップを勤めたフリンがそんなに脇が甘いとは考えにくい。

なにか公表されたのとは別の深刻な問題が彼の行動にあったのか、あるいは政権内の勢力争いで大使との電話を口実にされたのか、どちらかであろう。

昨夜の報道から一日待ったがまともな報道が無いので疑問を書いた。


トランプ・習電話会談をめぐる外的状況

2017-02-14 08:25:50 | トランプ

前日に続きトランプー習金ペイ電話会談の分析論である。

?電話はどちらがかけたか。

?ワンチャイナが会話の中で出て来た経緯は? つまり習金ペイの方から念押しして来たのか。そう考えるのが普通だが。それに対するトランプの回答か。あるいは電話の前にこの問題を出すとシナ側から通告があったのか。それならトランプ側で文言を考える余裕があったことになる。

?次にこの電話会談の内容が公表された経緯である。すなわち会談前にお互いに公表することに同意していたのか。そうは考えにくいが。

?具体的な発表の経緯は、マスコミ報道を見ると中国が一方的に発表したととれる。それに対してトランプ政権は支那の発表を積極的に認めたのか。無言だったのか(暗黙の同意を与えたのか)

?マスコミさんよ、このくらいの情報は一緒に報道してもらいたいね。忙しい一般読者のために。それによって解釈は180度変わる。

前にトランプはビジネスマンではない、不動産屋だと書いた。そうなんだけど、不動産屋もビジネスマンなんだね。強調するためにああ書いたんだが。

新入社員だった頃、大分昔の話だが、電話の交渉で合意したことは必ず書簡で事後確認しろと先輩にしこまれたものだ。勿論重要な案件についてだが。これがビジネスの常道だとね。政治や外交でも同じだと思うんだね。

一般に交渉結果の公表には文書によるものと、口頭によるものがある。その中間には口頭だが、共同記者会見の様に世間に対してオープンな形で行うものがある。一番拘束力が強いのは勿論文書(双方の署名があるもの)である。公開の場での公表(共同記者会見)までが拘束力があるといえよう。

電話(つまり会話者だけしか内容を知らない)の内容を一方的にマスコミに発表したものには拘束力や権威はまったくないと考えるのが普通である。マスコミさん、本当の所を取材して報道してくれ給え。

 


『一つの中国』はいくつあるのか

2017-02-13 19:29:00 | トランプ

日米首脳会談の前日に習金ペイにトランプ大統領が電話して一つの中国を認めるといったという唐突なニュースが流れた。なんだ、なんだと思ったがどこかで英語では「our “one China policy”」になっているという報道も有ったが確認も出来ず正確な文言も分からなかったのでコメントしなかった。

今日の夕刊フジにやや具体的に文言が出ているのでそれについて若干、、

[to honor our “one China “policy] というのだそうだ。意図した、特定の解釈が出来るように作文したのか、ごく普通に出て来た文言だったのか分からないが、この文言はアヤを付けるとすれば少なくとも三種類以上の含意がある。

1:ourというのはtheというのと同じで「あの我々(双方が合意している)のワンチャイナ」というのがさらっと流し読みすれば一番平凡な解釈だろう。中国はこう受けとりたいだろう。

2:our というのは我々アメリカの解釈する(定義する)one China policyだよというもの。この場合アメリカの新政権トランプの解釈する一つの中国の定義だよということになろう。 

3:ourというのはアメリカのこれまでの解釈でも中国とは違うよ、という解釈もあり得るが、そうするとオバマも中国を手玉にとっていたことになり、ありそうもないが。

それとhonorという動詞をどう解釈するかだな。honorには手形等を

約束通り支払うという意味もないこともない。それ以外の動詞としての語釈にはしっくりするものがないようである。その場合にも額面については解釈の違いがあるよ、ということかもしれない。額面については割引率については委細交渉でということか。

ビジネスマンであったトランプの言葉とすれば、honorはわりと使う言葉かも知れない。ただし思い切り割り引くよということかな。もしここまで芸が細かいとトランプも見直さないといけない。

 トランプ・チームは意外に策士ぞろいなのかもね。ベニスの商人のシャイロックみたいなのがいるのかも知れない。全体の文言が分かるともう少し突っ込んだ解釈が出来るのだろうが。

 


フロリダの臨時記者会見

2017-02-13 09:37:09 | トランプ

短い発表だったが、おやと思う表現が二カ所あった。一つは安倍首相の発言で北鮮のミサイル発射は「断じて容認出来ない」と言ったところを英語では「intolerable」と訳していた所である。外交用語で使っているのかね。私は英語には詳しくないが非常に強く響いた。英語の翻訳文が世界にニュースとして流布される訳だから強い印象を伝播するのではないか。

口語的でもあるし「容認出来ない」(こういう場合の外交的決まり文句)と「我慢出来ない」では強烈さが違うような気がする。感情的な嫌悪感を直に表現している、またその効果を狙ったと思われる。

もう一つはトランプ大統領の発言で「stand behind Japan」という箇所であるが、普通はstand byとかstand with ではないか。どういう意図がこの選択にあったのか。日本を立てるという単純なことなのか。あるいはまず日本がアクションをとるように促したということなのか。一部の報道論評では外交安全保障問題ではまだトランプ大統領には自信がないので、あのような形の記者会見になったというのがあったが。