東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

# 丸山穂高発言は対話篇でいけ 

2019-05-19 19:43:47 | プーチン来日

 筆者は新聞を読まない。ラジオはない。テレビは人寂しい時にバックグラウンドの雑音として流している。そんなわけで正確な全貌は分からない。もちろん一日中鉛筆片手にテレビをみていても、なにも分からないだろうが。

  # 丸山穂高発言 なるものがマスコミ、政界をヒステリー状態に落とし込んでいるらしい。公明党が除名するのはいい。「いい」というのは「しょうがない」という意味である。公明党には問題の案件に党是という明文化されたものがあるのだろう。と推測する、でなければ除名などというアクションは女のヒステリーとかわらない(差別発言でごめん)。

  滑稽なのは落語家のコメンテイタが憲法違反だといったことである。もっと驚いたのはテレビ出演の常連らしい「弁護士」なるものがおなじことを言ったことだ。専門家だろう、しっかりしなさいよ。

  国会議員というのは法律を作る連中である。それが憲法違反だという理由で発現を批判されるのはともかく、発言を封殺しようとするのには驚いた。法律を遵守しなければいけないのは立法府の人間である。役人である。

  国会議員と言えども日常生活では法律に従う。当たり前だ。しかし政治、あるいは政策の話では現行法規に違反するからとか、憲法に違反するからなどと言って除名勧告決議案を出すなどというのは狂人か痴呆とかわらない。

  政治家でも外交交渉の場でこういう啖呵を切るのはまずありえないだろうが、場合によってはありうる。トランプ流とでもいうのかな。

  安部首相がチンタラチンタラとプーチンとやっているのはなにか思惑があるのだろう、いいか悪いかは分からないが。しかし、ロシアのやり方は結婚詐欺だと思っている日本人はおおいだろう。返還になびくと見せかけて経済協力、援助だけをだまし取ろうとしているとしか見えない。

 冒頭にも書いたが、丸山議員の発言報道がよく分からないものの、乱暴で感心しない発言だろうと思うのは普通だろうが、除名勧告決議を本気で考えているなら喧嘩両成敗だ。

 ここはプラトンの対話篇をまねようではないか。丸山穂高議員にたいして言論で意見や批判をぶつける。それにまた丸山議員が反論するといったやり取りを繰り返すうちに、お題目のように盲目的に唱えてきた問題点があぶりだされてくる。それが政治ではないのか。

 

 


安倍首相の運気は下降しはじめたようだ

2016-12-19 07:49:24 | プーチン来日

 前の記事で「曖昧に期待を持たせるような」発表をしてはいけないと書いた。その後の日ロの関係者、マスコミの論調をみると、言っていることがまったく正反対である。

共同宣言もなく、お互いにチェックし合った合意議事録も作成されていない(ようである)。完全な失敗であろう。これも前に書いたが今回の会談はこれまでロシア内や海外で行われた顔合わせの一環という位置づけにしておくのが正直な態度である。

何回もロシアに来てくれて有り難う、今回は一度日本に行きますよというのがプーチンの気持ちだろう。前回までの会談で共同記者会見等ロシアがアレンジしたかね。今回も日本側の希望通り問題を解決しようとする意志は全くない。それを焦って国民に無駄な期待を抱かせた。これは政治的に不誠実な態度である。

プーチンが騙したのか。それほどややこしい話ではなかろう。門外漢が見ていてもそう思うのだから。実現もしない大穴に国民の未来をそっくり賭けたのなら、政治家として許されないことだ。

今度真珠湾に行くが今回の会談の惨めさを吹き飛ばすほどのイベントになるかな、なりそうもない。むしろ惨めさの上塗りになるような気がする。

最後に具体的な疑問を述べておこう。今度八十にものぼる経済協力の協定を締結したというが、この協定は国会の承認を必要とする性質の物かな。融資案件なら国家間の協定など必要ないはずである。マスコミが馬鹿だからその協定の性格や内容を追求報道しない。大体経済協力というか日本資本の誘致というなら国家間の協定は必要ない。なにかとんでもない義務を日本政府に追わせる内容ではないか。

面白いのは朝日だか毎日系のテレビの雇い人であるジャーナリストが今度の協定を評価していることだ。分かっていて言っているのか。旧共産圏のソ連、シナ、北朝鮮崇拝者だからロシアのやることは皆正しいと思っているのか。

 


日ロ会談報道で抜けているところ

2016-12-17 10:04:22 | プーチン来日

日ロ会談は予想通りの結果になった。マスコミは会談会見で表になったことだけを報道していてはいけない。ましてそれに解説(いかがわしい)をするだけで事足れりとしていてはいけない。箇条書きになるがいくつか疑問を挙げておこう。 

& 経済協力というのはユーラシア大陸の極東地方(サハリンを含む)で行われるものに限定されると理解していいか。つまり北方四島は含まれない。

それは純然たる経済活動で日本側の援助という意味合いは全くないと考えても宜しいな。

したがって、日本の民間企業が利益を見込めない場合は手を出さないと考えて宜しいな。これがウィンウィンということだが。日本企業が利益を見込めないとして手を引いた場合、ロシアは信頼醸成を妨げるとか寝言を言うまいな。

北方四島での経済協力は新しい枠組みが今後合意できれば開始するということで宜しいな。

& 安全保障問題 今回の会談の裏でアメリカとの調整はあったのか。発表されたところでは全く分からない。ま、こう言うことは秘密裏に行われるが日本側が何らかの説得をアメリカにしたのか。或は逆にアメリから横やり、脅しが背後であったのか。マスコミさん、この辺の情報報道があんた達のキモなんだよ。

 


プーチン来日は返礼の意味しかない

2016-12-13 08:01:08 | プーチン来日

 安倍首相はウラジオストックでプーチンと何回もあっている。またソチでも。モスクワなどでも会談しているのかも知れない。思い出せないが。

それなのに日ロ首脳が日本国内で会談するのは今回が初めてである。この経緯を見るとまるで安倍さんの「朝貢」であると揶揄されてもしょうがない。プーチンもそれじゃ一回日本で会談してやるか、という気分ではないか。そう考えるのが素直だが、日本のマスコミはパカだから、プーチンが日本に来るから問題が解決する(可能性がある)とあおり立てている。馬鹿じゃなかろうか。

安倍首相も(その側近も)最近はどうも間違いに気が付いたらしい。失敗するであろうプーチン来日で今年を締めくくるのは印象が悪いと気が付いた。それでそのネガティブ効果を打ち消すために安倍首相の真珠湾訪問を画策したのだろう。とにかく、世界的にフォトジェニックなイベントになるだろうから、プーチン訪問の失敗等吹っ飛ばしてしまう。この考えは悪くはない。

 


日ロ山口会談の帰趨を占う

2016-12-05 22:02:08 | プーチン来日

プーチンの言っていたウィンウィンの解決策は肝心のロシア側から俎上に挙げていないようだ。すくなくとも新聞報道によると一度もない。じゃによって、交渉がまとまる確率は五分五分もっと的確に表現すると分からない。

まえにも触れたが、安倍さんは両方の場合を考えてシナリオを考えておく必要が有る。成功する場合、これは比較的簡単だ。両方がニコニコして手打ちをするだけでいい。 

問題はうまくいかなかった場合だ。曖昧に決着した振りをすることがが一番いけない。日本人の悪い癖で腰砕けになって譲歩するようなことはなおいけない。

交渉が成功しなかった場合、全世界にハッキリとわかるように決裂することだ。まちがっても意味不明なニタニタ笑いで誤摩化してはいけない。その場合のシナリオはもう完成していると考えたい。

最近の安倍首相の動向を見ると(といっても諸兄と同様マスコミ報道だけだが)備えは出来ているようだ。

プーチンは日本観光をして手ぶらで帰ることまで考えておく必要があるだろう。

 


沿海州帰属の歴史的経緯

2016-12-01 10:54:05 | プーチン来日

前回の記事の補足である。

正確に言うと沿海州は清国の領土からロシアの領土になった、19世紀に。そして清朝は満州族の王朝であったから、沿海州が漢民族の領土であったことは歴史上一回もない。歴史的経緯をたてに此の地の主権を主張することはできない。 

大体満州(現中国東北地方)も歴史的に中国領土だったことはない。清朝時代には漢民族を支配した満州族の出身地であり聖地であった。漢民族は満州への入国は許されていなかった。

わずか100年前、清朝が滅亡するとシナ人の無秩序な移民の流入が始まった。そして日本が満州族の廃帝溥儀を擁立して満州国を建国して、経済的にめざましく発展しだすと漢民族の満州への流入は爆発的増加した。 

この歴史的事実を補足しておく。

 


北方地域の安全保障

2016-12-01 09:48:57 | プーチン来日

強い相手には向わない、弱い相手には屁理屈をこねて脅し付けごり押しする、これがシナ流である。沿海州は19世紀にロシアが清国から奪った土地であるのは周知の歴史的事実であるのに、ロシアには強く出ない。勝てないからである。 

南シナ海や東シナ海では歴史的根拠も無いのに関係国が新興の弱小国か「戦争出来ない」という特殊な国内事情の「しばり」がある日本であるから無理無体を押し通す。大体南シナ海を実質清国が占有していた事実は全くない。だいたい、清国は日本と同様鎖国を国是としていた。さらに言えば清国は満州族が漢民族を植民地支配していた国である。したがって清国が勢力を伸ばしたチベットは満州族の植民地ではあったが、漢民族の支配が及んだことはない。 

清国の前は自前の漢民族政権の明朝であった。この王朝は海洋進出に積極的ではあったが、海外進出の目的は通商であった。シナ人の通弊として交易相手にも形式的には朝貢という形を取ったことが有るかも知れないが、領土支配の証拠にはならない。当時日本も東南アジア諸国に交易船(ご朱印船)を多数繰り出していたが、文化的に朝貢という形式を取らなかっただけで、シナと同じことをやっていた。これがシナ固有の領土の証拠などというのは強盗の屁理屈である。日本が東南アジアに歴史的主権があるなどという恥ずかしい「寝言」を国際社会で主張したことはない。

さて北方の沿海州であるが、今後の国際情勢の風向きによっては日ロの経済協力によって発展するであろうこの地域に、中国がまたぞろ歴史的にシナの領土であると主張して南シナ海と同様の侵略を試みる可能性は高い。シナ人はヤクザと同じで利益の上がらないシマは無視するが、日ロ経済協力で目覚ましく北方地域が豊かに繁栄する地域になると南シナ海と同じ行動をする可能性は高い。そのためにも日ロの安全保障協力は不可欠である。

 


沿海州、オホーツク海の海上輸送路の安全確保は日ロ共通の関心事

2016-11-29 07:57:31 | プーチン来日

前回の記事大いに反発と誤解を招く可能性があるので補足しておこう。

これまでの報道で伝えられるところによると、日本は膨大な経済協力を極東ロシアの経済開発につぎ込むらしい。すなわちそれに伴って沿海州やオホーツク海の安全性の確保は日ロ双方の死活的関心事となる。軍事同盟がそれほど突飛なアイデアとは思えない。

問題は過去の第二次大戦週末時に前科のあるロシアが信用出来るかどうか、の見極めである。つまり日ロの共同権益となる極東ロシアの安全保障の見通しが立たない限り交渉は妥結すべきではない。

サハリン・北海道間の海上輸送路(地下トンネルで結ぶという案もあるようだが)の安全性確保は至上命題である。東アジアの無法国家が現在尖閣や南シナ海で行っている不法行為が将来日ロの海上輸送路の安全性を脅かす可能性は十分に予想される。

ロシアが信用出来る相手であるならば日ロ軍事協力の一つとして北方四島のロシア軍基地は残しても良い。条件は沖縄の米軍基地の有り様を若干改善したものなら許容されよう。

安倍プーチンの個人的信頼関係はあるようだが、国家は個人の信頼関係を超えて永続する。ロシアが将来にわたっても信用出来る国家であるかどうかの見極めが大切である。望ましいのは協定上制度的にしばりがかけられる妙案があれば一番良いのだが。

山県有朋の主戦論に破れた伊藤博文の日ロ協商の夢が実現するのかどうか。あと十五日あまりだ。

 


北方四島のロシア軍基地の問題

2016-11-27 08:58:49 | プーチン来日

日ロ山口会談せまる。

まとまる確率は50パーセントだろう。つまり分からない。会談を始めればすぐに分かるだろう。もし、やはり駄目だと思ったら、実のある交渉が無理だと察知したら過剰接待モードにうつればいい。歓待して歓待し抜くのである。実務交渉は打ち切るというシグナルになる。接待をエスカレートして相手の譲歩を期待するのではない。そのくらいの違いはプーチンには伝わるだろう。日本の田舎政治家ではないのだから。芸者を抱かせれば軟化するなんて手は使えない。 

もう一つ、日本が検討すべきは日ロ軍事同盟の可能性である。おそらくこれまでの会談では一度も出ていないだろう。しかし、顕在化していない可能性としてあるのではないか。四島の完全返還(主権確認)は必須だが、朝鮮半島政権*と中国の侵略進出の動きにそなえて、日本海、沿海州沿岸、オホーツク海に中国が不法に進出して来た場合には日ロが共同して軍事的に対応することに合意する。四島にロシアの基地を認めても良いだろう。そういう目的で合意できるなら。

戦後70年以上、日本の沖縄主権回復後も治外法権的な米軍基地は存在する。東京の近くでも横田基地なども治外法権だ。それ以外にも日本全国に同様の多数の米軍基地がある。四島にロシア基地の存続を認めるのがそれほど異常とも思われない。 

アメリカにトランプ大統領が誕生して米ロ関係の緊張が緩和されればこのような方向も出てくるのではないか。

 


プーチン来日で日ロ協議はまとまるか

2016-10-19 07:08:51 | プーチン来日

 12月にプーチンが来日する。今度はひょっとするとまとまるかも知れないという雰囲気を政府は演出しているようだ。ロシアが相手ではいかなる確定的な予測も出来ない。

ロシア側のアルゴリズム:1956年の歯舞色丹を返すという宣言も要するに日本をアメリカから引き離したいための餌であった。当時の熾烈きわまる冷戦下において少しでも日米の間にくさびを打ち込みたかった。結局それが成功せず、ソ連は約束を反古にした。

翻って現下の状況を見ると米ロは第二次ミニ冷戦の様相を呈している。したがって基本的な構図としては日本にアメリカから距離をとらせることが彼らの狙いだろう。経済協力なんていっているが、一方的かつ日本の実質的な贈与に近いかたちの大々的な経済協力でなければロシアは歩み寄らないと考えるのが常識である。

そしてまず経済援助を、といつもの二段階方式で引き延ばし返還は反古にする。

日本側の手品:ところで日米関係に距離を置くことは可能だろうか。日米協力は防衛上の切実なニーズがある。日本が国防上の脅威をシナ、北朝鮮それに南朝鮮から排除出来れば現在の日米軍事同盟は変化しうる。つまりロシアの希望する様に。ロシアはこれに対応出来るか。

これは一見隘路にはまったようである。しかし隘路からアクロバティックにぬけだすのが大政治家である。その方策はあるのか。山口で日本側からその手の仕掛けが用意されているのか。

以上はまるで非現実的な妄想であるが、大政治家なら妄想を現実化する可能性もある。日米関係をロシアが望む様に変化させたいなら、ロシアも譲歩しなければならない。いつまでも「経済協力の強化」なんて口車に乗せられていると尻の毛までむしり取られてしまう。

つまり大陸の蛮族国家との軍事的有事の際にはロシアは日本側に立つという譲歩確約が必要である。これなら日米関係にも一定の変化をもたらすだろう。一種の日ロ軍事同盟に踏みきらせることが出来るか。可能性は全くない様に思われる。そこに段取りをつけるのが外交であり大政治家の創造性である。経済協力や文化交流を拡大しても全く意味がない。過去の無数の例が証明しているではないか。