東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

鳥インフルエンザ

2005-11-05 11:00:36 | 健康・病気

古より、洋の東西においてバードウオッチングが重要なる未来予測の手段であった。

古代ギリシャにおいては、飛ぶ鳥を見て戦争、政治の帰趨をうらなった。2600有余年の昔、わが国においては恐れ多くも神武天皇東征のみぎり、吉野山中でヤタのカラスが道案内をしたという故事もある。平家物語には鶏の鳴き声で吉凶をうらない、闘鶏によって吉凶を判断したという記録がある。

二十一世紀のいま、渡り鳥が黙示録のさきがけになるやも知れぬ。いわずとしれた鳥インフルエンザである。シナの家禽に発生したこの黙示録的、ハルマゲドンを告げる疫病はシナのあひるや豚などの他の家禽や渡り鳥を通して欧州に、アメリカに、アジア各地に広がりつつある。それは各地の留鳥を通して家禽業者から一般大衆へと広がっていく。なかんずく人間にもっともずうずうしく接近して餌をねだる鳩を通してまず幼児に広まるだろう。石原都知事もカラスが一段落したらはと対策を早急にたてる必要がある。かってシナに発生したペストが中世から近世にかけて欧州でショウケツを極め、人口を半減させたことが再現するかもしれない。

最近のわたしのバードウオッチングをふたつ。

夜なくからすの気味悪さ。このごろ深夜妙な声で鳴くカラスが増えた。一夜、二夜だけのことでなく、大分前から聞く。鳥目というが夜、鳥が飛ばないということはない。また鳴かないということもない。ふくろうのようには行かないが夜でも少しは目がみえるらしい。まして、最近の都会は一晩中街灯やらなにやらで薄明かりが絶える事はないが、それにしても最近は深夜のカラスの鳴き声が恒常化している。異変のきざしなりや。

この間東京に出てきたとき、街路樹の上がいきなり騒々しくなったので見上げると、街路樹の枝葉に鳩が群がって騒いでいる。それが大木ではない。あれはキンモクセイではないかと思ったが、一瞬のことなので確認しなかった。普通キンモクセイは今頃はまだ、あの甘ったるい香りを撒き散らしているはずだ。まったくニオイはしなかったからあるいは別の木かもしれない。しかし街路樹であの高さ、しかも金色の小さな花があるのはキンモクセイくらいしかないだろう。金色のものは花が終わって実だったのか。それを食べに鳩が群がったのだろうか。枝も鳩が止まれるほど太くないからホバリングしながら実に群がっていたので騒々しいこと。小さな一本の木に十羽近くが群がっている異様な風景だった。暗くて分からなかったが後で考えると近頃街中で増えているムクドリかもしれない。

最初は花の蜜か、実を食べに来たのかなと思ったがそうではないかもしれない。動物は病気になると本能的に病気に効く成分を含んだ土を舐めたり植物を食べたりするという。つぎに考えたのはひょっとしてこの鳩たちは鳥インフルエンザに感染していてキンモクセイの成分になにか効果のあるものが含まれていたのかなと、再考した次第。そこで植物図鑑を見ると薬効は出ていない。本草学の本でも見ないといけないか。