北朝鮮の、テロ支援国家の解除が現実のものとなりつつある。アメリカは、北朝鮮が11の核施設の無力化作業が順調で、ほどなく1つが完了する。それを受けて、ヒル国務次官補がご機嫌のようである。任期切れになる頃になって、やっとブッシュの外交成果が一つ実を結びそうだからである。
韓米中露の4ヶ国が、共同して2億ドル相当の発電所改修への支援を行うようである。50万トンの重油支援の残りの半分を、石油価格の高騰を受けて、お金で賄うのであるが北朝鮮にとってはありがたいことである。
南北首脳会談の流れを受けて、南北朝鮮の国防相の会議がスケジュールに遡上している。和平への機運を高めている。
韓国出身の、潘基文国連事務総長の選出にあたって、日本は最終的に反対に動いていたと、アメリカが暴露した。
ソマリア沖で、北朝鮮船が海賊に襲撃され、アメリカ海軍がこれを救出した。北朝鮮は、「これは、反テロ闘争の米朝の国際的協力の象徴的事件である」、と絶賛した。米朝の雪解けの象徴的事件である。
要するに、核開発に始まる北朝鮮の外交的思惑は、ことごとく成果を見せているのである。拉致事件に固執する日本は、この中にいない。日本の経済制裁が、全く意味を持たないばかりか、逆に日本が取り残され、浮いた存在になっている。
6者協議は、中国の面子を立てた単なる建前の顔合わに過ぎず、実質的には米朝関係の話し合いの後を、なぞっているに過ぎない。
徐々にではあるが確実に、北朝鮮の外交成果が実を結び始めている。ここに日本は影も形もないのである。アメリカは日本を、日本が思うほど擁護はしないのである。