アメリカの住宅金融の問題は、玄人の語らせてはならない。ここは素人の方が、冷静に距離を置いて全体像を捉えることができる。
経済学とは、うわさに翻弄される市場の動向を評価する学問である。今年2月に起きた、自称社会主義国の中国で起きた株安の始まる不安定な動きを、今年後半のアメリカのプライムローンの一斉破たんに原因を求めようとしいる。FRBの前議長であるグリーンスパンが指摘して、さらにその感が強くなっている。
不況や株安などの、経済界に何かパニックが起きると、犯人捜しに躍起になるのが金融機関の責任者や経済学者たちである。どこが始発かを突き止めることで、手直しをやろうとするのであるが、人の生活などそこには存在しない。
サブプライムローンとは、所得が低かったり不安定だったりする人たちへの、住宅金融のこと である。信用が低い分、利率が高く設定されている。しかも状況によって金利は高くなる仕組みになっている。ここが、信用をなくして、延滞が生じて焦げ付いたのである。
焦げ付きの原因は、サブプライムローンの不信用によるS&Pなどの大手が格下げ(金利を上げる)することでさらに悪化した。信用をなくすと利率に反映され、弱い者いじめが始まる。
これは、素人が離れてみると貧富の差が拡大していることによる現象と見ることができる。富裕者を背景とした市場を支配する連中が、貧乏人を締め出そうとすることで起きた現象に他ならない。
アメリカはもちろんのこと、世界中が格差社会に突入してるのである。世界中の紛争の原因の多くは、貧富の差によるものである。市場経済とは、お金は大きなところに集中するシステムのことである。お金の流れの偏在化が戦争の原因であると言える。これが健全な社会であるのだろうか。