そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

乳価の消費税を外税に

2010-06-19 | 政治と金

北海道の酪農家の牛乳の生産者価格、乳価はホクレンの一元集荷の名残がそのまま残っている。その乳価は毎年3月に交渉して決められていた。社会状況と、穀物価格や需給関係を見ながら決めることになる。消費の落ち込みから、今年は4円も値下げしてきた。前述のようにホクレンなどの関係者団体は、およそ商売とは言えないような価格決定をしている。

その一つに消費税がある。中曽根が首相を退く時だと思うが、選挙公約で大型売上税は導入しませんといって、消費税を導入した。そのおかげで、消費税はとにかく評判が悪い。この時の乳価交渉で、生産者団体は乳価の中に消費税を紛れ込ませてしまったのである。酪農家は乳価が上がったと思ったのである。

端的に言うと、内税にしただけであるある。このことは多くの酪農家はほとんど知らない。農協に任せているので、多くの酪農家はクミカンの帳尻しか興味がない。

生産者にとって消費税は極めて有利な税制である。何しろ販売するもの全てに、消費税を貰うことができるからである。しかし、多くの酪農家はこのことを余り信じてはいない。消費税は悪税と思っている。当初の印象が悪いのである。

肉牛農家などは、消費税を享受している。牛を売る度に消費税を徴収できるからである。ところが酪農家は、乳価のなかに消費税が含まれているのである。消費税など見たこともないはずである。

今回民主党が、税制のバッポン改正と言っているが、要するに消費税を自民党とともに上げようとするのである。自民党を抱き込むことで、論点をぼかすことを菅首相は考えた妙案である。困るのは一般サラリーマンである。給与には消費税はついてこないが、買うものには着いてくる。生産者には有利でも給与所得者や被雇用者には、累進課税のない消費税制度は不利である。何の恩典もない。

ともあれ、消費税は上がることになる。こうした情勢を見込んで、乳価の消費税が内税であることを見直すべき時に来ていると思われる。酪農家なそのことすら知らずにいる。

コメント (1)
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