昨日野田の行う、原発の新基準作成は単なるアリバイ工作だと断じたが、その通りとなり、新聞各紙は一斉に反発している。僅か2日で決めた新基準(安全性に関する判断基準)であるが、インフラに手を付けたわけではない。
原発に免震構造を付けたわけではないし、津波対策に新たな堤を作成したわけでもない。人員を増やしたわけではない。
早い話がほとんどが現状のままで、みんなよく頑張ってくれという類のものである。極めて強引な再稼働に向けた、野田の手法である。
昨日は、野田は時間稼ぎばかりをやって、反対意見には耳を貸すことはないと書いたが、時間稼ぎもなくそれ以上である。
近隣の自治体に理解を求めるが、同意は必要ないとしている。これまで蚊帳の外だった、京都府と滋賀県は独自の調査をするなど、反発が目立つ。第一関連自治体の範囲も具体的ではない。
再稼働についての世論調査では70%前後の反対がある。再稼働についてのもっとも大きな要素は、需給関係とされている。必要がなければ再稼働しないと、枝野経産大臣は言っている。
安全基準とされながらも、需給関係がその上にあるのである。これは原発に関する、政府の視点がないまま目先の問題ばかりを優先させるために起きる、自己矛盾である。
政府のごたごたで、すでに廃止が決まっている保安院がいまだ存続し、今回の基準策定に携わった。数多くの問題を指摘された死に体組織が作った基準を、誰が責任を持つのだろう?