この表は、北海道新聞の先日の記事である。放射性廃棄物・使用済み核燃料の、日本全体で保存されている量である。
日本全体では、僅か残り30%というのが現状である。使用済み核燃料は、原発が必ず生み出すものである。とりわけ、プルトニュウムは発がん性においても、半減期の長さにおいても、極めて危険な廃棄物である。
六ヶ所村の処理場が作られてはいるが、この施設も過去に何度も事故を起こしている。この唯一の処理施設も、この表の作成された昨年9月ですでに95%になっている。
3月末の時点で、97.3%にもなっている。使用済み核燃料はいく当てもなく、各発電所の施設が抱えることになっている。
福島の事故が起きて、関係者は処理施設を作らないまま、原発を稼働したことの問題を指摘している。いまさらと思われるが、ともあれ使用済み核燃料は、極めて深刻な現状にであることが判る。
原発の大きな事故はほとんどが人的なものである。チェルノブイリもスリーマイル島も福島も、人的な事故である。
原発推進派の人たちは、何とか上手くやれば、事故は起こさなくて済むと思っているに違いない。信じられないような、津波対策の堤を作っているのを見るとわかる。
それでも、危険な使用済み核燃料は発生する。フィンランドで、10万年の処理施設を作っている。人類が存在するかもわからないスケールの時間である。
日本の原発は、政治主導で作られた。アメリカのアイゼンハワー大統領の「原子力の平和利用」に踊らされて、アメリカの施設をそのまま導入し、現在に至る。導入が決まっていたために、原爆マグロで日本中が汚染されても、金で蓋をした経過は今でもあまり知られていない。
放射性廃棄物・使用済み核燃料の処理を考えてこなかった「トイレなき高級マンション」は、直ちに原発を止めても、未解決な深刻な問題はそのままである。