アメリカのカルフォルニア州で、ホアグラ料理が今日(7月1日)から禁止された。日本ではレバ刺し料理が、くしくも同じ日に禁止された。
食べる自由を訴える人たちがいるが、どちらも大きな問題を孕んでいる。ホアグラは鴨に強制的に漏斗を使って、穀物を流し込むのである。鳥には歯がなくそのまま消化器官に入り、消化吸収される。
肝臓は、処理しきれない脂肪で満たされる。黄色く膨れ上がる。鳥たちの虐待と言える。ヨーロッパでは多くの国でこうした飼養はすでに禁止されている。ホアグラとは脂肪肝の病的な組織を食べる料理のことである。
今回シュワルズネッカー知事がハンコを押したのは、料理として出すのを禁止しただけである。
ホアグラは病的脂肪肝の料理名である。その他の、生産を強制されている家畜の肝臓も、脂肪肝になっている。乳牛も肉牛も豚も鶏も、高生産の畜産農家の家畜の多くは脂肪肝になっていると言って良い。
高生産とは、穀物の多給のことである。動物の生理をはるかに超える穀物を与えることで、生産を上げているのである。
日本の肉牛は、それに加えて肝膿瘍になっている。草が相対的に少なくなって、一胃の防御機能が落ちるため、肝臓に細菌が集まるのである。日本の屠場では半分以上の肝臓が、廃棄されていることをご存知だろうか。
家畜は脂肪肝などの、肝機能の低下による病の中にあると言える。これを生で食べるなどとは、現場を知る人間ならとてもじゃないけど、できるわけない。
ホアグラの禁止とレバ刺しの禁止は当然である。私は、穀物多給による生産物(肉、卵、牛乳)も禁止されるべきと思っている。生産が落ちても、生理にあった飼養管理をするべきである。
穀物の大量消費による、世界の食糧事情の悪化と、苦悩する家畜の福祉のために、禁止する時が早く来ることを願っている。