アメリカでは、モンサント社のロビー活動によってパパブッシュの時に、遺伝子組み替えは伝統的改良と同じものであると、国家として認めさせたのである。
改良品種は従来の作物の、時によっては新品種と明記するだけで許されるものである。それはほとんどの国が認めていることである。
改良による最も多様な種が生まれている犬の場合、もっとも大きい品種の80キロもあるセントバーナードも、最も小さな2キロほどのチワワも同じ品種である。もちろん交配可能である。何代も人的に改良を重ねても、遺伝子までは変えることはできないのである。種の壁を崩すことはできないのである。
DNAの変化は環境に応じて変化し新たな種が登場するのであるが、そのシステムはいまだに解明されていない。突然変異が起きたと説明されるが、環境に有利な形質が生まれる可能性はとても低い。
やや乱暴な言い回しになるが、種の変化は10万年単位で起きるのではないかと推察される。ミクロの世界から覗くだけの、研究施設からは到底計り知れないものがあるのである。
遺伝子組み替えは、人間がDNAの配列に新たな遺伝子を置くのである。極小の金やタングステンを用いたピンセットを「遺伝子銃」と呼び、電子顕微鏡を使って置き換えるのである。もう一つは細菌を使って置き換える、「アグロバクテリュウム」という方法である。
高度の技術のように見えるが、実際はどこに置き換わるかわからない。出来上がった品種から、使えそうなものを選ぶだけなのである。早い話がやってみなければわからない、結果から判断するしかないいい加減な技術なのである。
遺伝子は機械の部品などではない。生体として複合的に出来上がっていいるものである。たった一つの遺伝子が他の遺伝子から独立して機能することなどないのである。
遺伝子組み換え品種が、当初の目的から次第に外れてきていることも最近解ってきた。特定の害虫に強いように見えても、次第にその作用は弱まり害虫の方も強くなってくるのである。収量が高いとされた品種が、ことごとく収穫量を落としてきている現実もある。当たり前の自然現象である。
遺伝子を組み替え、地上に存在しなかった品種を作り出すことは、科学者としてはロマンがも知れないが、とても恐ろしい自然界の報復が予測される。人間にとっても果たしてどのような作用があるかも、10年や50年単位では到底判断できないのである。
それでもアメリカ基準で、モンサント社、シンジェンタ社、バイエル社、デュポン、カーギル社、ダウ・ケミカル社、アドヴァンタ社、は収益を求めて遺伝子組み換え品種を今日も市場に送り続けるのである。TPP参入はその布石である。
左のフォトアルバムに<根室の初夏>アップしました。今日の景色です。