日銀の黒田東彦総裁(クロトン)は11日、記者会見し「経済が緩やかに回復しつつある状況がはっきりしてきた」と、景気回復を宣言した。企業収益の改善で設備投資や個人消費が伸びているためで「想定した方向に経済が動いている」と金融政策の効果に、自信を示した。
更に一般国民が給与の上昇などで実感するためには、時間がかかるとの発言を繰り返した。ただ国民が回復を実感できる所得増加には「もう少し見ていく必要がある」と説明した。
一般国民は、円安による輸入原料の高騰で物価が上がり、景気回復を実感していない。クロトンは、雇用が回復していいるため、確実に一般国民の手取りは増えているというのである。企業実績は上がって、投資が進んでるというのである。庶民とは無関係の実績である。
時あたかも、参議院選挙の最中である。クロトンの記者会見を喜んでいるのは、政府自民党である。安倍は大きな追い風を受けたことになる。なんだか田舎世芝居のような気がする。
クロトンの、景気「回復」宣言を聞いて、一昨年12月に野田首相が、原発事故は終了したという記者会見を思い起こした。言葉だけで言いくるめる、自身の政策の成果と誇張するのである。