そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日本では決して起きない!

2014-09-13 | 政治と金

ロシアの牛泥棒が動画にキャッチされていた。ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=6zVR5oSoVRA

牛泥棒が強引に牛を乗用車に入れて盗むところである。日本では決してこのようなことが起きない。
BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)発生以後、日本の全ての牛の耳の10桁の数字がついたタグ(耳標)が付け登録されている。日本の牛はどこにいても、耳標番号によって出所来歴が解るようになっている。トレイサビリティーと言われるものである。
農家は、当初は面倒な作業と嫌っていたが、慣れてくるとこれが牛の個体管理にとっても都合がよい。従来からの登録された名前はあるものの、下の四ケタの番号を使って管理している。140820_edit
この耳標が登場したことで、何よりも牛泥棒がななくなった。持ち主で なければ、牛は売ることもできないし、屠場で肉にしてしまうこともできないからである。(右の牛の耳標は、畜主に迷惑がかからないように一部消しています)
ある映画のロケーションに牛を登場させる場面があった。設定は戦前である。耳標があるために、映画では巧みに牛の後ろばかり撮ることになった、ということもある。

一般消費者は、店頭でその気になれば牛肉を、誰が飼養管理していたかを知ることもできる。
こんなことをしている国は日本だけである。アメリカの牛肉を日本に輸入する時に、年齢(月齢)が問題になる。アメリカの牛は、姿かたちで月齢を類推するだけである。
TPPが妥結すれば、トレイサビリティーも日本が決めた輸入障壁として排除され、アメリカに従うことになるのではないか。消費者は真剣にTPPをお金以外のことで考えていただきたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港