そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

甘利の”大筋合意”の何たる杜撰な置き土産

2016-02-26 | TPP
TPP交渉を実質一人でこなしてきた甘利明であるが、自らの贈収賄疑惑すら浮上する中、あれほど過酷な交渉をこなしてきた人物が、国会出席拒否をしている。これが甘利の政治の美学なら、この男がかかわってきたTPPの実態はどうなっているのだろう。
そもそもこの”大筋”なる言葉がいい加減である。どの国も使っていない。合意内容は4千ページとも8千ページともいわれているが、日本では数百ページのいい加減なものしか公表されていない。日本では甘利が、合意だけを取り付けたのであって、内容などこれからの話となる。だから”大筋”なのである。
上の表の数字は、交渉中に農水省概算した主な作物の減少額と、大筋合意後の試算を比較したものである。多少の変化は仕方がないとしても、例えばコメは1兆100億円の減少を予測していたが、なんとゼロである。どんな対策になるのかは判然としませんが、自画自賛もいいところである。基本的な考えとして、価格が一割下がれば生産量は一割伸びるというものですが、膠着したドグマのような思考経路と言える。特に果実類ではほとんど影響がないとなっているが、かつてオレンジの自由化で極端に国内の柑橘類が減少した経験は生かされていない。
この計算は願望ともいえる、恣意的な見込み数字と言える。
しかも全品目で減産はゼロ、価格に何ら変動がないという前提である。これを空論と言わずしてなんと呼ぼうか。
甘利が最後っ屁と残していった、”大筋”合意のTPPである。TPPは国内対策で減産は起きない、国民には何ら迷惑がかかることはないと、農水省のTPP以降の試算ははじき出している。
誰が信じるか!
コメント (2)
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