『日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信の下、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、昭和24年(1949年)1月、内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。』同会のホームページより
日本学術会議の委員は内閣総理大臣が任命することになっている。内閣総理大臣は国会の要請を受けて天皇に任命される(憲法6条1項)のと同じ構図である。天皇はこれまで内閣総理大臣任命を、安倍晋三でさえ拒否したことはない。
組織上内閣府に所属するのであって、人事権が存在するわけでもない。これと同じ慣例を破って構図は行われたのが、立法の精査を行う要の内閣法制局長官に法律のど素人を安倍晋三が任命した経緯がある。集団的自衛権行使の容認の最も大きな阻害因子タガを外したのである。任命権は総理にあるが、これまでの経緯に熟達したものでしか判断できない極めて専門性の高い地位に、この一点で安倍の言いなりの人物を据えた。検事総長も同じことを目論んだが、賭け麻雀でとん挫した。今回も同じ構図である。
同会長でノーベル物理学賞受賞者でもある梶田隆章氏は、総理に6名の任命を拒否した理由について質問状を出した。
女は嘘をつくものだといってみたが、騒がれたのでそんなこと言っていません反論したが、やっぱり言いました嘘いってましたと、自ら女は嘘つくものを身をもって田舎芝居を見事に演じてみせた水田水脈である。こんな人物国会議員にどうしてなった。
杉田水脈は萩生田光一の推薦を櫻井よし子が中を持ち安倍晋三がこれを受けて推薦し、自民党中国比例区のトップに据え議席を与えた人物である。極右翼で国粋主義者である。みんなの党→日本維新の会→次世代の党→日本のこころを大切にする党→日本のこころ→自民党と彷徨い歩いた人物である。
彼女の論理は極めて単純である。保育所に子供を預けることも平和を望むこともLGBTも人権をとなえることも全てが左翼で、国家の転覆をはかっているというのが自説ある。発言が幻想に近く、兎に角失言が多い。思想的には安倍晋三に近いので、推薦したのである。
政治家にとって反論者がいないのは痛快で心地良いものに違いない。権力は強大になればなるほど強大にしたいものである。現在このような思想統制、文化の単一化になっている国の典型が、中華人民共和国である。ロシアもプーチンは陰で粛清を繰り返す。
民主主義は多様な文化、多様な価値観を受け入れる寛容さがなくてはならない。特に権力者に寄り添う、従属する文化・人物・歴史・思想・人種などを採用し反対者は排除し、単一化、モノカルチャーにしてはならない。
日本学術会議委員を選択任命することも、水田水脈を評価し政権内に招くのも同じ思想である。たった一つの価値観を国民に強制して、この国は危険な道を日本は歩んできた。それを夢見る皇国史観の人達だけを登用してきた安倍晋三の遺産を、菅政権は受け継ぐ。