安倍晋三と菅義偉の9年間の最大に失政は、北方領土の放棄である。安倍晋三はプーチン大統領と9年間で27回、年ほぼ3回の会談を重ねてきた。『我々の世代で良子問題を解決し、平和条約を結ぶ』という理念を掲げて会談を重ねてきた。
狡猾なプーチンの前に、安倍坊ちゃまはなすすべもない。日本の領土問題運動に適当にガス抜きをしながら、プーチンは全く譲ることなかった。譲ったのは安倍晋三である。
転帰いなったのは2016年の山口での会談である。会談内容もさることながら、日本にはプーチンを引き寄せる大きな道具があった。クリミヤ問題である。直接利害関係のない日本は、欧米と一緒になってロシア制裁に加わったのである。プーチンはこの会談の最後に、長々と領土問題について歴史的考察を加えながら語った。安倍のようにメモなど見ることなく。20分ほど語ったのであるが、歴史認識もロシアの立場も見事であった。官僚文しか読みあげることのできない安倍晋三との大きな違いを見せた。
マスコミはこぞって、返還のスケジュールを書き競っていた。プーチンは明確に、日米安保条約がある限り、もしくは米軍基地を日本内にある限り返還の条件は整わないと述べていた。
領土返還はこれで終わりである。直後にプーチンは憲法に、自国の領土は分割してはならないという条文を入れた。領土に関する交渉はこれ以降なくなることになる。報道は渋くこれにはをつむったままである。
阿部晋三も黙したままで、経済協力を掲げ3000億円もの追い金を渡している。ビザなし交流も終わり、軍事訓練までやっている。北方領土問題は終わった。実効支配などというレベルではない。経済交流というまやかし、ガス抜きを続けるが、敗北を認めないのは日本陸軍と同じである。
この9年間で地球を俯瞰した外交は、何一つとして成果が上がってはいない。成果があるとすれば、仮想敵国を随分作ったことくらいか。軍事費増高のために。戦争は外交の失敗と言われている。